ハゲタカ4・5 スパイラル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065129715

作品紹介・あらすじ

東大阪の中小メーカーマジテック創業者にして天才発明家の藤村登喜男が急逝する。彼こそ、芝野健夫に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。芝野はマジテックを救うべく、曙電機から転じて奮闘する。ものづくりニッポンを下支えする町工場に降りかかる難題と、自己の利益を優先する金融機関に翻弄され、苦境の渦に飲み込まれていく。捨て身の最終戦を前にして、鷲津をも巻き込んで、芝野は決死の反撃を決断する。

感想・レビュー・書評

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  • 日本のものづくりや世界に誇る技術力を支える町工場の経営や後継者問題、地域社会との繋がり、金融機関、特許の話題など、町工場を取り巻く社会を色々な角度から描いています。人間関係や繋がりが深い環境で働く難しさや、暖かみなど知らない世界を垣間見て、鷲津の企業買収の戦略戦とは違う面白さがありました。
    また特許は企業防衛や利益確保だけでなく、企業買収、はたまたオープンラボのような場にも影響すると小説を通じて知ることができました。
    クロージングが結局鷲津の救いの手でEOの立退はなくなったのですが、ここは芝野に踏ん張って欲しかった。

  • 【きっかけ・目的】
    平成30年秋にハゲタカがテレビ朝日で制作放映された。NHK版とは違う演出だったがこれはこれで面白いと思った。
    その影響で久しぶりに真山仁の著作をしかもハゲタカシリーズを読みたくなった。
    平成最後の夏から始まる物語は失われた30年という日本経済の闇にフォーカスをあてて始まる。

    長過ぎず短すぎず。そんな感じで手に取った。

    【感想】
    面白かった。東大阪を舞台に中小零細企業の様を生生しく描いている。日本の中小企業の技術力について描写しているが経営と運転資金の問題が浮き彫りにもなって勉強にもなる。知財等と軽く言うがそんな軽々しいものではないと「なにわのエジソン」をおって行くうちによくわかった。まさに日本経済の原動力だったのね。
    会社は誰のものか。あるいは、「もの」なのか。今回のファンドに狙われ生き物のように逃げまくる泥臭さがたまらなく良かった。

    また、村野が在籍していた信金組合の演出もピカイチ。不正の実態を押さえつつ中小企業の運転資金を支えている仕組みも理解できる。
    エピローグでの村野が、逃亡しハワイに潜伏していたくだりはたぶん本当にあったであろうなと思わせる納得の描写であった。

    【終わりに】
    最後の最後に鷲津氏が出てきて浪花節です。これはたまらん展開でした。

  • 真山仁のハゲタカシリーズはどれも一気に読んでしまう。

  • 分かりやすい伏線の張り方がちょっと気になるが、良くも悪くも安定の展開で程よくカタルシスを感じさせる。

  • 芝野が主役のストーリー。
    芝野と外資ファンドとの闘いであったがストーリー展開が良い意味で分かりやすく、主人公である芝野にしっかり感情移入出来る点は良かった。
    芝野にとって敵か味方かよく分からない鷲津も良い存在感を出していたように思う。

  • ハゲタカシリーズのスピンオフ版。
    企業再生家の芝野、東大阪の町工場が舞台。

    この1冊の主人公芝野は真面目で熱い性格なので、
    内容にあまり期待してていなかった。
    個人的に大好きなのは飯島さんです。

    が、ハゲタカシリーズ、
    やはり好きだなと思わせてくれた。
    最初と最後にちょっとだけ鷲津さんが渋すぎます。
    個人的にゆかりのある東大阪、
    布施駅等が舞台だったのも嬉しかった。
    マジテックの結末も意外でした。

  • リーマンショックを背景に、大不況の中を生き延びようとする大阪の中小企業の話。
    特許の価値についてや、買収に対する対抗策等が知識として組み込またストーリー。
    あっと驚くような打ち手は、小説らしい内容だが、突飛過ぎるわけでもない。また、最後もハッピーエンド寄りだが、現実のほろ苦さも漂う。

  • 製造業がよくわかってない感じだなと思った

  • 20210523読了

  • スピンオフでも一気読みでした。
    ハゲタカシリーズはやはり面白い!

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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