- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065118238
作品紹介・あらすじ
建物に憑く哀しき霊を鎮魂する男・仙龍
VS.
トンネルに巣食う『黒の犬神』
犬神の呪いから春菜の命を守れ!
死体は全身噛み痕だらけだった。嘉見帰来山にトンネルを通す工事のさなか、事務員二人が不吉な黒犬を目撃し、相次いで不審死を遂げる。憑き物体質のOL・高沢春菜は、事件を調査中、霊峰に伝わる廃村の焼失事件と犬神の祟りについて耳にする。やがて春菜の前にも現れた黒犬。命の危機に瀕した春菜を救うための曳き屋・仙龍の秘策――それは因縁の『山』を曳くことで……!?
感想・レビュー・書評
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シリーズ第四弾。
今回はトンネル工事現場を舞台に起きた不審死が発端。
怖さはさほどなく、むしろ ひたすら 犬神信仰、祟り、蠱毒、人の妬み恨みに興味を惹かれるストーリー。
そして案の定、サニワの春菜の身にも危険が…。
仙龍が曳くもの、そのスケールの大きさに驚くと共に「曳き屋に曳けないものはない」と言い切る仙龍に惚れ惚れ。
毎回最大の見せ場の儀式は今回は物足りなさを感じたけれど、それを払拭するぐらい、納められた想い、漂う もの哀しさがたまらなかった。
これは静かに手を合わせたくなる読後感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゾワゾワとする感じはあったし、物語は悲しいし生まれ持った憑き物の一族の悲しさや憤怒は計り知れないんだけども、なんかすーーっと消えてしまうような終わり方で消化不良。
全てを終わりにしたいという願いからしたら、妥当な終わり方なのだけど、物足りない。 -
シリーズ4作目。
今回は誰でも一度は耳にしたことがあるであろう犬神が題材。
名前は聞いたことはあるが、その内情はよく知らず。
読んでいて成る程と思った。
犬神も呪いの一種なのか。
しかし子孫まで続いてしまう呪いとは、何と迷惑なものか。
ラストは切なし。
シリーズも半分まできたが、やはり主人公の春菜は
いまいち好きになれず。 -
前作などに比べると、あまり怖くなかった。
犬神ってだけで面白いだろうと思ったけど、肩透かし -
今回も興味深く楽しんで読めた。
其々に存在する御神体。
湿った杜とむせ返る獣の臭い。
触れてはならない部分には、やはり触れてはいけない。
盲信する者にとっては確かな現実であり、呪縛から逃れることは難しい。
コーイチ君の成長した姿。
鼻に皺を寄せる彼女の笑顔と硝子の花器、そして櫛。
和尚の正体が何か知りたい。 -
面白かった。
今回は相手が人間でないせいかおどろおどろしさは控えめだった気がする。
主人公はやっぱりちょっと苦手。