天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow? (講談社タイガ)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118177

作品紹介・あらすじ

カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。

感想・レビュー・書評

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  • カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。
    時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。
    「講談社BOOK倶楽部」内容紹介より

    話が進むにつれ、あり得る未来だなと思う.以前に他のシリーズで読んだ話とリンクしていて面白い.これに何の意味があるんだろうと思っていたことが、こういう意味があったんだなと納得する感じ.

  • 僕はあなたが去るのを見ていた
    私はあなたが見つめているのを知っていた

    こうして僕とあなたは離れ
    私はあなたと別れた

    100年後にまた会いましょう
    その時どんなに変わっていても
    きっとあなたを見つけられるように

    二人にしかわからない
    暗号を忍ばせて

  • 【描きたいな、描きたいなっていうから】

    ここがクライマックスではない。ましてやエピローグではない。そう信じて、物語は続いていく。

    大きな縁を描いて、その矢は放たれた。まるでそうするしかなかったのだと自分に言い聞かせるような暴投だったとしても。

    淡い思いは伝染して、静かに身体を侵食していく。やがてくる悲劇のスパイスになってしまうのではないかと思うのはきっと2時間ドラマの見過ぎだろう。

    放たれた矢が残酷な誰かの手によって打ち落とされないことを切にねがう。きみはねがう?

  • 謎解き?

  • 人類は淘汰されるのでしょうか?

    境目が無くなってくる。

    人、ウォーカロン、人工知能。

    どちらかに偏るのか?


    色々と繋がりが見えて来て、後1冊で終わるなんて予想がつかない。

  • 人間と人工知能、ウォーカロン、その間にある谷が、どんどんなくなってきている。
    昨今、人工知能に仕事を奪われる可能性が論じられているけど、なんとなくそのことを思い出す話だった。
    ハギリ博士の虚しさに引っ張られたような感じ。
    でも、ハギリ博士を見てる限り、人間はペットにはならないんじゃないかなぁ…ハギリ博士が特別だというのもないとはいえないけど、人間が好意を持って生み出したモノなら、やっぱり人間とはいい関係を築けると思うのだけど…知能に差はあっても。

  •  トランスファがさらに人間らしくなってきて、人工知能とトランスファの違いがさらに無くなってきて、ちょっと話が分かりにくくなってきたのできちっとその辺を意識しないとついていけなくなる。
     今回は、日本のウォーカロン・メーカーのイシカワの工場が謎の人工知能に占拠されてしまったという話で、当然ウグイやハギリ博士がそこに関係していくことになる。
     前巻からそうだが、もうハギリ先生はどんな危険な場所へもウグイに連れられていくというのが基本となってしまったようだ(笑)。
     でも今回活躍したのは、キガタ・サリノ。危険な宇宙空間での任務をサリノが達成し、サリノがウグイに抱きしめられるというシーンはウグイ・ベストシーンのトップ3には入ると思う。
     ちなみにWシリーズを実写化したらウグイ・マーガリィ役はベタだけど綾瀬はるかさんが似合うと思う。綾瀬はるかさんが、シックなスーツ姿で、指先を顳顬にあてて通信する仕草とか、常に無表情なんだけど、戦闘シーンではきりっとしたりりしさで敵をやっつける姿なんて・・・もう簡単に想像できる(笑)
    次巻の最終巻でウグイ、ハギリ博士、サリノ、アネバネがどのような結末をたどるのか・・・。気になって眠れない。

  • Wシリーズ9作目。
    あらすじやら、帯やら見ると、イシカワのチャーター便が行方不明にって所が前面に押し出されてるけど、いやいや、そこは問題じゃないって。イシカワのゴタゴタよりもあるけど、そこでもない。読んでて「この巻のメインは何だろう?」てずっと考えてた。登場人物(※人工知能やトランスファ含む)が増えてきて、整理しないといけない感じにもなってきたけど、要は、整理しなきゃいけないくらい、人間、ウォーカロン、トランスファ、人工知能の境目がわからなくなってきている。ポスト・インストールしていないウォーカロンや、クローンに焦点が当たっていて、倫理的な議論もなされてる。今の時代はどう考えても叩かれるし、Wシリーズ内でも世間の反発があるとハギリ博士が認識している。だけど、もし本当にこんな未来が来るのなら、倫理観って何なのかなって思ってきちゃうんだろうな。
    答えが薄ぼんやりとも見えないので、私の頭では難しいテーマだ。
    さて、次巻で完結するらしいこのシリーズ。今までシリーズ内で出てきたテーマに結論が出るのかどうか……。それすらも読めない(笑)

  • 人工知能が当たり前の世界。人間の存在意義は薄くなって当たり前か。便利な機能が追加され続ける車や家電。人が自分の頭や身体を使ってすることが段々と少なくなるのは、社会が進化しているのか人が退化しているのかどっちだろう。

  • 百年シリーズとのリンクにはドキドキするけれど、なんとなく繋ぎっぽいなぁという印象。もしかすると、自分が人工知能などについてもっと知識が増えた頃に読み直すと面白いのかもしれない。今はまだあの人工知能ネットワークというか世界観についていけない。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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