音律と音階の科学 新装版 ドレミ…はどのように生まれたか (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065116647

作品紹介・あらすじ

およそ10年前に刊行されたブルーバックス屈指の人気作が、装いを新たに生まれ変わる。なぜ音楽は音をデジタル化し、ドレミ…を使うことにしたのか? そもそもドレミ…はどうやって決まったのか? なぜ特定の和音は心地よいのか? 簡単な数学で、知れば知るほどおもしろい音楽の秘密をあばく!

感想・レビュー・書評

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  • 音楽を科学的に理解してみたいなと思って。
    ちょっと難しかったけど、何となくイメージついた。
    しっかり理解するのは頑張りが必要。

  • およそ10年前に刊行されたブルーバックス屈指の人気作が、装いを新たに生まれ変わる。なぜ音楽は音をデジタル化し、ドレミ…を使うことにしたのか? そもそもドレミ…はどうやって決まったのか? なぜ特定の和音は心地よいのか? 簡単な数学で、知れば知るほどおもしろい音楽の秘密をあばく!

  •  西洋音楽で現在一般的に使われているドレミの音階はどうやって決まったものなのか、なぜ他の音階よりも使われているのか、ということを、図やグラフを用いて数学、物理の立場から説明したもの。「従来の本は数学と物理学から一面的な説明をするのみで、なぜドレミ…という音階が人類に受け入れられたかには触れていない。この本ではサイコ・フィジックス(心理物理学あるいは精神物理学と訳される)に拠って、心理学の側からもこれを説明した。専門書は識らないが、一般書では日本で最初の記述であろう」(pp.3-4)ということだそうだ。著者はビブラフォンでジャズを演奏しているらしく、特に後半はジャズの話が出てくる。
     1つ前に読んだ『数と音楽』で、音律や音階、倍音について概要は知ったが、この本はそこにフォーカスして、より数学、物理学を使った説明になっている。理系ではないおれでも一応、なんとなくは分かる程度の内容。ただ本当に理解しようと思うとおれには骨が折れる。この本の中盤からは「不協和曲線」が何度も出てくるが、「不協和は明確には定義できない。定義があいまいなままで実験してしまうのはちょっと心配だが、それでも以下に示すように、説得力ある結果が導かれた。このあたりは、ファジー制御(あいまい制御)が成果をあげるのと似ている」(p.112)と書いてあり、ファジー制御って何なのか気になった。調べてみるとAIとかと関係のある「ファジー理論」を勉強しないといけないらしい。ちょっと難しそう…。「コードとコード進行」のところで、ちょっとだけ和声法で勉強したことがあるが、「最近はドミナントからトニックという終わり方は『いかにも』という感じなので、カデンツでは避ける傾向がある。」(p.156)そうだ。へえ。じゃあどんな終わり方の例があるんだろう?と思い、なんか色んな楽曲の終わりの部分を注意して聴いてみようという感じ。もう1つ、「ジャズの改革者の一人、ジョン・コルトレーン作曲の『ジャイアント・ステップス』のコード進行」(p.218)というのがあって、これが「『5度円が360度で閉じる』平均律ならではのコード進行」(p.219)というから、それはどういうものなのかぜひ聴いてみたいと思い、今聞いている。難しそうだけど、これすごいカッコいいな〜という感じ。というかジョン・コルトレーンって名前は聞いたことあるけどジャズの曲自体を聞いたことなかった。こういうの家で流したらお店みたいになるだろうなあ、とか。後ろの方に、色んな楽器の音の出る仕組みが解説されているが、その中で「1930年代、カリブ海最南端の島国トリニダード・トバゴ共和国で、イギリス政府によりドラムの使用を禁止された黒人たちが発明した。」(p.189)のがスティールパン、らしい。ドラムの使用を禁止、とかそんな決まりがあるのか、という驚き。でも打楽器全部が禁止されなくてよかったねえ、という感じ。あと、テルミンの不思議さは何度見ても慣れることがないけど、「オーストラリア生まれの作曲家パーシー・グレインジャーは1930年代に、早くもこのテルミンのための作曲を試みている」(p.249)ということで、<Free Music No.1>という作品があるらしい。それをYoutubeで聞いてみたが、なんとも不気味で、ちょっと笑える。ガムランも面白いけど、「ガムランの個々の楽器の調律の違いが、そのセットの音楽的な個性を生む。1つの村には1つの調律、あういは音律がある。村人はそれぞれの音律を誇りにしている。(略)西洋音楽ではうなりは悪玉だが、ガムランではそうは見なされない。むしろ、うなりが与える深い陰影を活かす演奏こそがよい演奏であるとされる。(略)ガムランでは、複数の演奏者が互いにコミュニケーションをとりながら音の中で遊ぶことができる。こうした特徴が評価され、最近は日本の学校教育にも取り入れられている。」(pp.183-4)って、そんなの聞いたことなかった。でも西洋音楽の枠組みを相対化する、というのは学校教育のどこかで行われなければならないんじゃないかと思った。
     音律、音階について数学、物理的な見方の入門部分が学べる気がするが、それ以上に、色んな音、音楽を捉える訓練の素地になりそうな内容だったと思う。(24/01/29)

  • 難しいけど、2の1/12乗を飲み会のネタにもしてるくらい音楽理論が好きになりました笑

  • ピタゴラス音律も純正律も平均律も別々に鳴らされると全く
    区別がつかない素人にとっては、音律と音階の「数学」と
    思えるような内容であった。音律がひとつではなく様々ある
    ということを知ったのが最大のポイント、というくらいの
    門外漢でありました。

  • 芸術情報学部 お薦め電子ブック
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057482
    ※学外で利用する場合は、マイライブラリまたはRemoteXsからアクセスしてください

  • 2022/1/20

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00259835

  • かなり難解な内容。数学的にスッキリとはいきそうでいかない為、色々な試みがなされてきたことが解った。

  • 音楽のはなしではあるのだが、数学的な分析がなされているので自然科学にカテゴライズした。
    マックス・ウェーバー曰く、ピアノは「音楽の合理化」。(p95)
    なるほど、確かに弦の長さを指で押さえて調節する必要もなく、ハンマーを押せば同じ音が鳴る仕組み。しかも低音から高音まで88鍵の鍵盤が揃っている。そして大きすぎないからどこの家庭でも家の中における。
    まさにこうやってピアノは一般的に普及し、平均率も共に普及した、と。

    調律師はウルフを聞き分ける。
    これって低いドをそっと音が鳴らないように押して、高いドを鳴らすと共鳴音が聞こえるあれですかね。

    メモ
    ・テトラコルド
    ・微分音程

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著者プロフィール

大阪大学産業科学研究所特任教授、工学博士。専門はビーム物理

「2013年 『CD−Book視て聴くドレミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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