日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密 (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020449

作品紹介・あらすじ

味噌、醤油、納豆、清酒、酢、漬物、鰹節──。微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いてきた日本。室町時代にはすでに麹菌を造る「種麹屋」が存在し、発酵の技術は職人技として受け継がれてきました。多様な発酵食品の歴史をたどりながら、現代科学の視点からも理にかなった伝統の技を紹介、和食文化を支える世界に類を見ない多彩な発酵食品、その奥深い世界へと読者を誘います。

”素材の旨味を引き出す名脇役である調味料の多くは、微生物の力を借りて作られる発酵食品である。「さしすせそ」と覚える日本料理の基本調味料は、「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌の5つだが、そのうち「す」「せ」「そ」の3つが発酵食品である。さらに、漬物はもちろん、納豆、鰹節、清酒、さらにうま味調味料の製造にも微生物の力は欠かせない。”(「はじめに」より)

第1章 発酵食品と文化
第2章 発酵の基礎知識
第3章 発酵をになう微生物たち
第4章 納豆・味噌・醤油──大豆発酵食品と調味料
第5章 乳酸菌発酵食品
第6章 ひと味加える調味料と小麦生地の発酵

感想・レビュー・書評

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  • 献本当たりました。ありがとうございました。おいしゅうございました。いやおもしろでございました。食生活に発酵食品は欠かせないものですが、どのようなメカニズムにより作られるのか、興味深いものでした。日本や世界の発酵文化をつくりだした先人たちの知恵と工夫に感謝せねばなりませんね。14世紀日本で既に麹菌の純粋培養と商業化が達成されていたとは驚きです。日本醸造学会が麹菌を国菌として認定したなんて知りませんでした。国菌って。麹菌の学名はアスペルギルス・オリゼー。かっこよさ漂う名称です。臭い食品ランキング紹介なんて面白いです。想像するだけで私には無理っぽいですが。「発酵食品は生き物である。本当に美味しい発酵食品は、その地を訪れ現地の雰囲気な中で時を移さず食するものと心得るべきだろう」確かにそうですね。京漬物を現地で食べるとほんと美味しいですもんね。

  •  このところ発酵関係の本を読んでいる。「日本発酵紀行(小倉ヒラク著)」や「藤井恵の毎日大豆(藤井恵著)」、「発酵食品を楽しむ教科書(ナツメ社)」「麹巡礼(おのみさ)」からの流れ読み、図書館で借りた。
     麹菌の研究者が一般向けに平易に発酵について解説している。う〜む、あと半歩ほど専門側に振っても良いのではないかと思うくらい読みやすい。
     発酵(食品)について網羅的に科学の視点で解説されており手元に持っておいてもいいかもしれない。

  • 想像していたより本気の科学で、私のポンコツちゃん頭脳では
    読めども読めども眠ってしまい、やっと読破。

    わからないながらも、作者様の発酵への真摯な愛を感じましたし、わずかながらでも身になりました。
    何より、日本人であることを誇りに思える本。

    子供の家庭科にこういうことも教えては如何か。
    本枯節がどれほど手間のかかるものか、今の子は知っているのだろうか。まさか、見たこともないだろうか。

    それから、科学も技術もない大昔に、手と五感と感覚で発酵技術を編み出した昔の方々にお礼と尊敬の念を抱く。

  • 発酵食品を化学的に解説した話しと
    発酵食品にまつわる美味しい話。
    腐敗と発酵の違いとか発酵と旨さの関係とか、発酵によって出来る善玉菌が体に良い事を知って食する方が知らないよりは「あぁ効いてるなぁ」と、より身になる気になれます。

  • 味噌、醤油、納豆、清酒、酢、漬物、鰹節──。微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いてきた日本。室町時代にはすでに麹菌を造る「種麹屋」が存在し、発酵の技術は職人技として受け継がれてきました。多様な発酵食品の歴史をたどりながら、現代科学の視点からも理にかなった伝統の技を紹介、和食文化を支える世界に類を見ない多彩な発酵食品、その奥深い世界へと読者を誘います。

    ”素材の旨味を引き出す名脇役である調味料の多くは、微生物の力を借りて作られる発酵食品である。「さしすせそ」と覚える日本料理の基本調味料は、「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌の5つだが、そのうち「す」「せ」「そ」の3つが発酵食品である。さらに、漬物はもちろん、納豆、鰹節、清酒、さらにうま味調味料の製造にも微生物の力は欠かせない。”(「はじめに」より)

  • 著者の発酵食品への愛が滲み出てくるような本。日本の食品に関わりの深い大豆をもとにした発酵食品を中心として、科学的に発酵食品について説明してくれる。
    たまに現れるユーモア、例えば麹菌は日本人の家畜、などの表現も面白かった。

  • 最近、発酵食品に興味があって、手に取ってみました。タイトル通り、発酵を科学的視点で解説しているので、化学式が出てきたり、発酵に必要な酵素の名前が出てきたりと、理解できないことも多く、すぐ眠くなっちゃってなかなか読めませんでした笑。
    が、実際に馴染みのある発酵食品の説明に入ると、普段何も考えずに使っている調味料や食品がなかなかに奥深く、とても勉強になったし、日本は本当に発酵食品に恵まれた国で、それが私たちの健康を支えてくれていると知る事ができ、とても面白かったです。

  • この一冊で、納豆、味噌、醤油、漬物、ヨーグルト、チーズ、酢、みりん、パンの製法(とてもわかりやすい図が載っている)と微生物の働き、その種類が学べます。
    健康診断の結果が気になる世代なので、発酵食品は体質改善に必要不可欠であることがわかり、早速食事に和食をしっかり取り入れようと思いました。

  • 588-N
    閲覧新書

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB25264728

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著者プロフィール

明治大学

「2023年 『チャレンジ!生物学オリンピック1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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