日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020005

作品紹介・あらすじ

伊豆半島衝突、富士山噴火、海に沈んだ東京・大阪・京都、消えた縄文文化、移動する琵琶湖、瀬戸内海をナウマンゾウが闊歩する──

日本列島はなぜ弓形をしているのか? 1500万年前、ユーラシア大陸の東の端から分かれて生まれた日本列島。現在、私たちが目にする風景・地形も、時代をさかのぼると全く違った顔を表します。本書ではおもに現代の列島を形作った100万年前以降(第四紀後半)を中心に、複雑な地形に富んだ列島の成り立ちを解き明かします。驚きに満ちた日本列島史。足下に広がるドラマチックワールドへようこそ!

感想・レビュー・書評

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  • ◯まずはプレートテクトニクスを説明して、後の章では各地域における特色を説明している。
    ◯各地域の説明は大変興味深いが、いかんせん、初学者で読むとなるとら各地の地名や地勢は全く不明であるため、何度か地図を眺めたくなった。そういう意味では、地理的な知識がないと、各地域という点では理解しにくい。
    ◯しかし、地学の魅力という点においては、充分満たしてくれる。

  • 最初にプレートテクトニクスから入って全体の説明をした後、日本列島を「北海道」「東北」「関東」「近畿」「中国・四国」「九州」の5つのエリアに分けて、エリアごとの地球科学的な地形の成立にまつわるエピソードを紹介した書籍

  • 日本列島の成り立ちと各地方ごとの地形がどう成形されたのか、簡潔にまとめられています。日本の周りには3つのプレートがひしめきあうことにより、地震や火山が多く存在します。大陸プレートは密度の低い花崗岩、海洋プレートは密度の高い玄武岩でできているため、二つがぶつかると海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込む、ということは本書を読むまで知りませんでした。このときマントルに対流が発生して、その湧昇流で大陸プレートが引きはがされ、日本海開裂が発生、東北日本は反時計回り、西日本が時計回りに回転しながら東へ移動、その間にフォッサマグナと呼ばれる大地溝帯が形成された、と説明されています。

    12万年前の間氷期には、海進が進み東京の山の手のあたりは海だったとのことです。それから2万年ほど前の氷河期には、海水面が今より120mも下がり、北海道や九州北部は大陸とつながっていた時期があるそうです。そのため、マンモスやナウマンゾウが渡来できたと。東京湾は干上がり、陸地となり海岸線は浦賀水道まで後退したようです。その後の間氷期の7000年程前の縄文時代には、現在より気温が2-3度高く、海水面が上昇し、現在海岸から離れた内陸部まで海岸線が入り込んでいたと言います。これを縄文海進といい、埼玉県などの内陸に貝塚などがある理由だそうです。

    富士山の直近の宝永噴火は、1707年ですが、これは1703年の元禄地震とそれに続く1707年の宝永地震のわずか49日後であったことから、地震と噴火の関係があったことが覗われます。火山灰(スコリア)が大量に酒匂川に流れたため川床があがり、洪水が頻繁に起きるようになりました。これを治水したのが二宮金次郎です。

    大和地方で都が造営されたのは、盆地の存在でした。周辺の山から木材を伐採して都市を建設し、木材が枯渇すると別の盆地に遷都する、と。これが頻繁に繰り返された遷都の理由というのですが、建築資材がその要因だったのですね。

    人間の生活の営みが自然の制約を受けるというのは、歴史的には当たり前だったのですが、現在では人間の活動が自然に及ぼす影響が全世界的に取りざたされています。地球規模の循環と、温暖化ガス排出の影響がどうせめぎ合っているのか、興味をかきたてられるテーマです。

  • 地形ができる仕組みをわかりやすく解説している。各地に旅をするのが楽しみになる。

  • 日本列島の成り立ちの概要と地域ごとの特徴的な地形を紹介してくれている良書。
    日本列島の特徴である山ができる経緯をプレートテクトニクスをベースにわかりやすく説明されている。
    小さい頃からプレートテクトニクスを当たり前の様に受け入れていたが、この学説が1960年頃から急速に発展したことを知り驚いた。1900万年前に遡る日本列島誕生のメカニズムを最近の50年というわずかな時間で、紐解いたことになる。計測技術、分析技術の発展と補完しあいながらであると推定するが、この学説がいかにエポックメイングであったかは、想像に難くない。
    山に囲まれている日本列島が奇跡の連続で誕生し、まだ今現在も変化し続けていると考えると、普段訪れている、富士山、箱根、伊豆半島を見るめが確実に変わり、新幹線の車窓から見る山々やトンネルさえも愛おしく思えるよになった。

  • 登録番号:1027134、請求記号:454.91/Y48


  • タイトルで惹かれて読みました。
    地学分野はあまり知識がないのですが、自分達が住む日本、そして地震や噴火と向き合わなければならない環境である以上その内容としてある程度知っておくべき内容が書かれています。
    各地域の成り立ちは学生時代の勉強に大いに役立つものですのでもっと早く出会いたい本でした。

  • 日本列島100万年史 山崎晴雄 久保純子

    地理学という地球表面の生い立ち
    プレートの成り立ち
    変化し続けている陸と海の歴史
    極東列島が生まれた経緯

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著者プロフィール

首都大学東京名誉教授。(株)ダイヤコンサルタント顧問。1951年東京都生まれ。東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻修士課程修了。通商産業省工業技術院地質調査所主任研究官を経て、東京都立大学教授、首都大学東京教授を歴任。理学博士。

「2018年 『図解 日本列島100万年史2 大地のひみつ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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