青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940757

作品紹介・あらすじ

オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。
 放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。
 孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。

感想・レビュー・書評

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  • オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。
    孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。
    「講談社タイガ」より

    どんどん面白くなっていく.
    人工知能って本当にどこまで行くんだろうとワクワクする.
    100年間学んだオーロラが感情を学んでそれを実行していることに驚いた.人間をしていると一番やっかいに思える感情は、人工知能にとっては有意義なものだったということだろうか.または、やっかいと思っている感情こそが有意義なものなんだろうか.そんなことを考えた.

  • 神回...とにかくロマンチックで素敵でした。
    SFをこんなロマンチックに仕上げてくるの凄すぎです...人工知能たち愛しすぎ...オーロラがとても可愛かったです。
    相変わらず登場人物たちの対話内容に浸って幸せな時間を過ごせました。久しぶりのあの方の登場も嬉しかった。
    エピローグでは泣いてしまいました。。。

  • 北極の深海の底に沈む原子力潜水艦に設置されている人工知能。彼女「オーロラ」とは最近接触が途絶えがちでその理由追求と接触の改善を期待されハギリ博士が交流を試みる。その過程で潜水艦のすぐ横に沈む探索艇が発見され、引き上げられたが乗務員は…。前巻までに人間らしいとは「揺らぎ」の存在が欠かせないとあったが、ではデボラ達やウォーカロンがそれを獲得したら?そもそも獲得する事を望むのか?のある一つの答えが示される。そうきたか!と納得。あまり時間空けずここまで読んだので興奮したけど間空けたら設定忘れて半減しただろうな。一区切りついたように思えるけどまだ先があるんだよね。到達点が予想全くつかない。

  • 森作品を読んでると「わかりませんでした」「わからないです」ってセリフがすごく目を引きますね。
    あの知性が言う「わかりません」は強力すぎます。

  • ホモ・デウスの一節を思い出した。「生き物は本当にアルゴリズムに過ぎないのか。生命は本当にデータ処理に過ぎないのか。」

    本作は、人工知能は人類が残した知識を極めた先に、自身の内面と向き合うことで、人間的な不完全さの概念を獲得する。

    、、のか?という物語。

  • 人工知能から知性が芽生えるとき,それはヒトの進化の終点なのかも知れない,などと思う.きっとそれらは時間的に連続で連結されることだろうが.AIブームの始まる以前から,既にして未来を見据えている,単なる小説,では片付けられないある種の可能性と知見が詰まる.

  • ウォーカロンシリーズ

    北極基地に設置され、基地の閉鎖後、海底5千メートルに沈んだ潜水艦に置かれ100年放置されてきた
    スーパーコンピューター

    ハギリ博士は、そのコンピューター
    「オーロラ」とコンタクトを取る事をマガタ博士に依頼される

    100年孤独に稼働し続けた人工知能はどうなっているのか

    オーロラの「月を見せたくて」のセリフがすごい。

  • 今回の話は、海底に沈んでいる原子力潜水艦とそれに搭載されている人工知能のお話。
    人工知能が進化したら果たしてどこに行きつくんだろうか、っていうのが面白かった。現在の科学レベルでの人工知能は、この小説のレベルまで達していないので大きな問題にはなっていないけど、将来的にはこういった人工知能がでてくるんだろうなぁ、と思うと、その先を見てみたくなるような気がする。
    あと、この小説はどこに最終地点があるんだろうか?

  • 話が進むごとに進化が進んでいるのが見えて興味深い。
    オーロラの知性はもう人間に寄りすぎてて怖いようにも思えるけど面白い。
    ちょっとした表現にセンスがあって、あちこちでクスリと笑えるのも楽しいです。

  • 科学系は難しくて詳細を理解できているわけではないが、それでも昂るものはある。   
    この物語を読むのは楽しいと感じる。   
    博士たちの会話は面白い。興味深い。楽しい。   
    まだまだ読んでいたいシリーズではあるが、この物語の行き着く先がどんな景色なのか気になりもする。   
    絶妙だ。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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