冷酷な丘 (講談社文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938037

作品紹介・あらすじ

大人気冒険サスペンス、猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ、新展開へ!

ジョーの義父が風力発電の事業に乗り出した途端、何者かによって殺害されタービンに吊るされた。逮捕されたのはジョーと折り合いの悪い義母のミッシー。妻のメアリーベスに懇願されてジョーが真犯人を探っていると、風力発電の裏事情が明らかに。一方、ジョーと深い繋がりを持つ鷹匠ネイトの隠れ家が何者かによってロケット弾で爆破され、ネイトは敵を追う。

感想・レビュー・書評

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  • 猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ、11作目。
    (電子書籍の2作目を別にすれば)
    「狼の領域」に続く作品です。

    ジョーの義父が風力発電の事業に乗り出したが、何者かに殺されてしまう。
    義父とは地元の大富豪。
    妻メアリー・ベスの母である美魔女ミッシーの5度目の結婚相手だった。
    ミッシーに容疑がかかって逮捕されてしまう。
    上昇志向が強いミッシーにとって、ジョーは意に添わない婿で、全く気が合わない。
    担当の職務でもないが、最愛の妻に懇願され、解決に乗り出すしかない。

    一方、ジョーの盟友ネイトの隠れ家が爆破され、そこにいた恋人が命を落としてしまう。
    ああ、素敵な人だったのに…!
    復讐を誓い、敵を追うネイト。

    とくに何が優れているというのではないが善良で愚直なほど真実を追い、事件の真っただ中にいつの間にか飛び込むジョー。
    工作員だった過去を振り切り、表に出ない生き方をしている、凄腕のネイト。一度ジョーに救われたことから、ジョーと家族の危機には現れる人物。
    世界が違うが友情に結ばれた二人の運命は絡み合うか。
    迫力の展開へ!

    長女のシェリダンは大学に進学。
    という所は普通に順調(笑)

  • 猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ。
    衝撃の冒頭から、大どんでん返しの結末。
    そして、さらに続く次作への布石。
    どれをとってみても、面白く、かつ、次作を読まざるを得ない。
    面白い。

  • ミステリ版「大草原の小さな家」もついに長女が大学に進学。
    相棒のネイトの銃の拘りが痺れる。大口径のリボルバーで5発装填の弾倉に4発装填して暴発を防ぐとか。

  •  ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケット10作目。己のモラルで行動することを上司の意向よりも優先するためにトラブルに巻き込まれ、なかなか一所に落ち着かない彼のシリーズ、久々に手に取ると、何と元の場所に復帰している。
     密漁の取締や野生動物の保護が主たる仕事だが、常に凶悪な犯罪に巻き込まれ、同時に彼の環境変化がもたらす家族の物語がいつも重要なポイントとなる。
     さらに社会の掟の外に生きる親友の鷹匠ネイトが、ワンマンアーミー的存在となってジョーの世界に立体構造の複雑な影をもたらす。
     荒野のディック・フランシスなる呼称も冠されたことのあるこの作家だが、ワイオミングという野生の荒野にハイテク時代が着実に侵襲している「今」を描いて常に、上級なミステリー&アクションを供給してくれている信頼度抜群のシリーズだ。
     今回は、風力発電という新エネルギー開発の裏を抉る、という点が、実は風車の多い北海道人読者であるほくの好奇心をストレートに突いている点、作中に法定ミステリー要素を絡め、驚愕のラストに導いてゆく構成と、さらに上質化にブレーキのかからないこの作家のストーリーテリングが何ともたまらない。
     ネイトの物語とのダブルストーリーのクロス、そして次作に期待を向けさせるショッキングなラストシーンと、作者のエンターテナーぶりも充実。
     というわけで、次作のページを即座に開いてゆこうと思います。

  • ハードボイルトながら、今回はジョーの心情とその心象風景である雄大な自然描写、そしてネイトとの絆ともいえる友情…は少し後退。さらにお馴染みの家庭描写も長女シェリダンの大学進学で奥さん中心…

    その分物語は、より劇的に展開していく。
    ミッシーが殺人容疑をかけられ、ネイトは命を狙われる…
    二つの話が並行していきながら、一カ所に収束する展開はテンポも良く一気に読める。
    前作がある意味、ジョーとネイトの価値観・人生観の岐路を描いて深いドラマになっていたが、今作は全てが融和し、シリーズの新しい展開を示唆するラストとなっている。

  • 主人公ジョーの義母ミッシーの5度目の結婚相手である大富豪が殺された。彼の持つ風力タービンの上に吊るされた状態で発見されたのだ。容疑者としてミッシーが逮捕される。検察は決定的な証拠を掴んでるようだが、妻のメアリーベスに頼まれたジョーは独自で調査する。一方、ジョーの盟友ネイトの隠れ家が何者かに爆破され、ネイトの恋人が殺される。復讐を誓ったネイトは犯人探しを進める。シリーズ初めの頃は、ジョーの敵役としてしか見てなかったミッシーが、ここまでの存在になるとは思ってなかったなあ。金儲けしか考えない人間たちに暮らしや自然が壊される人々の姿に暗鬱となる。もうミッシーは登場しないのかしら。

  • 猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ11作目

    来年には未翻訳の2作目を含めて
    全巻電子書籍リリースとのことなので
    改めてシリーズの魅力を振り返る。
    (勧善懲悪ものに慣れてる人だとやや、困惑する流れもあるので、楽しみ方を紹介します。)

    主人公は、判断ミスなどドジで、銃もさほど上手いわけでもない平凡な男。
    家族や動物を護り、正義を貫く。
    愚直に事件や敵(違反をするハンター、殺人鬼、威圧的なFBIに義母も)に立ち向かいます。
    脇を固めるのが、優しく頭の切れてやや気の強い嫁、その母でジョーとの結婚をよく思っていない義母
    一度助けたことから忠義を尽くしている謎の鷹匠ネイト、反抗期もありつつ父を信頼する娘達(一癖あり)
    毎巻取り上げられる不正や問題
    それに絡めて出てくる凶悪な敵

    ドラマの引っ張り方も良いのですが、何故か唐突に解決したり。ぼんやりすることも…だんだん読んでるうちに慣れてきて味わい深くなってきました。
    一番多いパターンは
    登場人物が好き勝手暴れたり言いたいことを主人公に行って…我慢の限界に達して爆発するパターン(不発もある)

    巻を、重ねるごとに、時も流れて
    それがまた積み重なって面白さが増していく(もっと読まれていいはずなのに…)

    今回はついに夫を変える毎に裕福に
    ステップアップしていく義母に殺人容疑がかけられ…地域に増えはじめた風力発電の闇に挑みます。

    ネイトにも、怒涛の展開が…これは…
    次巻への強烈な前フリ!?

  • 猟区管理官ジョー、大嫌いな義母ミッシーが逮捕された。夫を殺した容疑で。夫は風力発電で大儲けしようとしてた。親友ネイトが何者かに狙われる。

    めっちゃ面白かった。あのミッシーが逮捕されるだけでも読む価値あり。ネイトのピンチだけでも読む価値あり。それがダブルで来た。

  • ミッシー

  • 鉄板のジョー・ピケットシリーズ。
    本作では主要キャラ2人が主人公以上にスポットを浴びる。

    一人は盟友ネイト、前作で方向性の違いからジョー仲たがいをしてしまったネイトに不幸な災難が起こってしまい。やられたらやりかえす西部劇的主義のネイトは当然その災難に対処するため行動する。「男臭い」今の時代こう書くだけで何やら問題がありそうな、それでもそのネイトがカッコ良い。

    もう一人は仇敵?ともいっていい義母ミッシー。再婚を繰り返して地位と財産を向上させてきた彼女が、夫殺人の容疑をかけられ逮捕される。「女の武器」今の時代こう書くだけで何やら問題がありそうな、それでもそういう生き方を貫き通してきた彼女はこの難題にどう立ち向かうのか?

    正直、本作ではジョーは振り回されっぱなしで主人公としての立場はないような…といっても、それが小説の面白さを損なっているわけではなく、むしろぼちぼち飽きがきそうだったシリーズに一刺激与えてくれるている感じで、こういうのもありだと思う。

    思ったところで、なんと!MCUのエンドロール的なラストシーンの後、次作はネイト主人公の小説になるらしく、それはそれでものすごく楽しみだ!

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