- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062936347
作品紹介・あらすじ
今こそ読むべき、日本の快挙! 圧倒的歴史エンタテインメント。
維新からわずか30年で「国際法を守る規範の筆頭」と、世界から賞賛された日本と日本人の姿を鮮やかに描いている。―元防衛大臣 石破茂
上巻あらすじ)
1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲する義和団。足並み揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と勇気を初めて世界が認めた、壮絶な闘いが今よみがえる。
感想・レビュー・書評
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1900年の6月から8月にかけて、北京の東交民巷(外国の公使館区域)での義和団とイギリス、フランス、日本などの列強11ヶ国との戦いを描いた話です。
上巻は、戦争が起こる前の情勢が、細かく書かれています。地方で誕生した義和団が、何万人もの規模に膨れ上がり、なぜ北京まで押し寄せ、外国人たちを攻撃したのか?清朝政府との関わり。当初、義和団の存在を甘く見ていた、ヨーロッパ各国の思惑など。そして、目前に危機が迫り、列強諸国を一つにまとめ、東交民巷における戦いを指揮したのが、日本の駐在武官、柴五郎中佐でした。当初は、ヨーロッパ各国からなめられ、また、会津出身ということで、日本人からも偏見を持たれていました。しかし、冷静で、的確な判断力、また、言葉は少ないながらも、相手を持ち上げつつ、自分の意見を、きちんと述べる姿勢などが評価され、各国から信頼を勝ち取っていきます。
私は、最初の、義和団の教会襲撃の場面から、あっという間に、話にのめり込みました。松岡さんの文章は、一文が適度な短さで、たたみかけてくるので、グッと心に迫ってきます。
今まで、言葉だけでしか知らなかった、義和団の乱、ヨーロッパ各国の思惑、清朝末期の政治的腐敗、混乱など、戦いの裏側も知ることが出きました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
清朝末期、1900年北京。「扶清滅洋」の旗印のもと、外国人と清国キリスト教徒を殲滅せんとする義和団と清国軍が、紫禁城東南にある外国公使館区域(東交民巷)の外国人ら4000人を包囲した。足並み揃わぬ列強11カ国の公使や武官たちは、籠城戦を余儀なくされ、援軍の到着まで持ちこたえる他なしの切羽詰まった事態に追い込まれていく・・・。尊王攘夷、明治維新、日清戦争を経て、大陸での覇権を目論む列強に肩を並べんと、国際社会に躍り出た日本が、北京籠城で如何なる役割を果たしたのか? 松岡圭祐サンの歴史エンタテインメント大作。
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面白かった
史実を下書きとしたアクションエンターテイメントストーリ
義和団事件をベースに実在の人物芝五郎の活躍を描く物語
上巻では
日清戦争後の1900年の北京において、外国人を排斥しようとする義和団の勢力が拡大し暴徒化
外国公使館区域を包囲します。
そして、日本を含む列強11か国は援軍が来るまで、籠城し義和団に立ち向かうことに。
結果的にその11か国を指揮することになるのが芝五郎
という構成です
そして、ここで芝五郎の部下として登場する桜井伍長がスーパーマン
各国語に堪能で戦闘能力も高い!
義和団の猛攻を押しとどめます。
彼らは、自分たちも含め民間人を守り切ることができるのか?
援軍は間に合うのか?
といった展開です
当初、芝五郎は軍人らしからぬ態度でしたが、徐々にそのリーダシップは各国の行使、軍人たちに認められていきます。
ここで描かれている日本人軍人像、その対比として描かれる各国の姿は、日本人として誇らしく感じます。 -
黄砂の進撃と同じ義和団の乱について対局的に描かれた小説(こっちが先)。お互いに背景や事情を理解できない状況で訳も分からず衝突に至る経過が興味深い。
また双方の犠牲者一人ひとりの人生、人の繋がりの中で、こういう選択を取らざるを得ないことを思うと儚く感じた。 -
義和団事件てなんだっけという状態でも、事件の背景や外国人だらけの北京の状況など、読みやすくてすんなり入ってきた。
義和団のやり様は、当時の清の戦いの常識を知らないけど、私の感覚ではあまりに残虐で恐ろしいし、紅巾でない清の人は逃げ込む公使館もなくかなり危険だったのではと想像する。
事件の顛末よりも、何がそんなに中国企業の重役の信頼を勝ち得たのかが気になって下巻へ。 -
1900年春、北京で起きた義和団事件での物語。
日本や米英など各国の公使館が立ち並ぶ東交民巷は、紅巾を巻いた義和団(敗戦国である清の反乱)に囲まれ、籠城戦を余儀なくされていた。
各国が協力しなくてはならない状況にもかかわらず、自国の尊厳や優越ばかり気にする他の国々。
初めは見下されていた日本だったが、持ち前の勤勉さや謙虚さで難局打開に向け、各国を導いていく。
登場人物が多く、地名も漢字表記ばかりなため、読み方が分からないまま読み進めた。
後半だんだんと物語に引き込まれて面白くなってきたので、下巻に期待したい。 -
義和団事件の一冊。
頭の片隅にある、なかなか触れる機会がなかったそれぐらいの程度の義和団事件。
プロローグから壮大な物語のスタートを感じ惹きつけられた。
砂塵舞う北京、暴徒化した義和団にいきなり戦慄。そしてついに包囲された外国公使館区域。
この闘いに各国どう足並み揃えてどう挑むのか。実在した、柴五郎武官といい、やはり初めて知ることばかり。
生々しい義和団の行いに対する日本の姿、柴五郎武官の姿、言葉に興味をそそられる。
引き続き下巻へ。 -
義和団の乱に際し、北京の一画に籠城し、雲霞のような暴徒に対峙した欧米および日本の大使館員と駐留軍のドラマ。善玉と悪玉、老練な白人と誠実な日本人という西部劇じみた構図は引っかかりますが、テンポのいい文章と展開で読ませます。
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義和団事件の中での日本のお話。下巻での盛り上がりに期待だけども…中々読みにくい本…