ドント・ストップ・ザ・ダンス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934640

作品紹介・あらすじ

新宿にある「にこにこ園」園長・花咲慎一郎の電話が鳴った。城島探偵事務所の城島耕助からだ。保育所のために探偵稼業もしている花咲への今回の依頼は、世田谷にある老舗洋菓子店『若草』のパティシエ・内野の身辺調査だった。依頼者は秘せられているが、経費は自由に使えるという内容に、焦臭さを感じながらも花咲はその依頼を引き受けることにした。
一方、保育所で事件が起こる。年長組の並木浩太郎の父親・俊太郎が新宿の路上で暴漢に襲われ意識不明になったのだ。母親が出て行ってしまったため浩太朗のめんどうはすべて父親が一人でしていた……。
浩太郎のため、母親の久美を探す花咲。同時に内野には恐るべき過去があることを知る。二つの出来事に翻弄され、不眠不休で疾走する花咲。やがて、それぞれの人物に奇妙な関連性が見え始めるころ、事件は大きな展開をむかえる。花咲は、保育所で一人待つ少年のために、今日もも走り続ける!

テレビドラマ化もされた大人気<保育士探偵・花咲慎一郎>シリーズ、第5弾! 柴田ミステリの真骨頂、ここに登場!

感想・レビュー・書評

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  • 保育士探偵・花咲慎一郎シリーズ第5弾。
     園児の父、元人気作家は妻が借金を残して家出し、生活が苦しい。そんな時に、何者かに襲われ重体になる。花崎は下請け探偵の仕事で、パティシエについて調査する。店は下町の人気店だが家族経営の小さな商い、パティシエはパリでも活躍した人物。かつてパティシエには3件の殺人事件の疑いがかかり、そのため刑務所にいる大物から命を狙われているようだ。さらに家でした母親、匿う家族、夫、パティシエには同じ施設出身という共通点があった。

     シリーズ5作目だけど、初めて読んだので、設定にびっくりする。探偵役が元刑事とか、訳ありの人ばかりで、結構どうしようもない環境であった。たぶん、前の4作でいろいろあったんだろう。あと、この主人公も別の作品のスピンオフなのかな?登場人物がかぶってそう。作者の作品ほとんど読んだことないけど。設定ストーリーはどうしようもなくても、みんなあっけらかんとたくましく生きてる雰囲気なので読後感は悪くない。

  • 久しぶりの推理小説でした。
    が、うっかり。。。シリーズ物に手を出してしまったようです。
    とはいえ、前作を読んでいなくても なんとなく
    わかりました。

    いや~~
    推理小説を考える人って ホントすごいですね~~
    こういう つながりだったのかぁ~
    と、最後まで 全然わかりませんでした。

    殺人とか おどろおどろしていなくて 良かったです

  • ハナちゃんシリーズ第5弾‼︎
    昔読んだ懐かしさに、大人買いして
    (っっても、メルカリでだし、5冊だけど)ここまで続けて読んで、楽しかった〜‼︎
    結局、間に他の小説は挟まず、にこにこ園の可愛い子供たちを守るべく、二足の草鞋で奔走する、優しいタフガイ、ハナちゃんや、周りの個性豊かな面々との丁々発止を堪能しました(^.^)

    今回も、2つの事件を抱えるハナちゃん、読んでるこちらまで、何日経ったっけ?って思うくらい、寝不足が心配になります。

    読み終えて、題名の意味に納得。
    人生、良いことばかりは続かないし、かと言って悪いことばかりでもないけど…。それでも辛いことが続くと「なんでこんな目に?」って思ったりします。「なんか私、呪われてる?」とか思ったり(私は最近思ったことある)
    でも目の前のことを頑張って、また次のことを頑張って…って細かく繰り返していくのが人生なのだわね…なんて思いました。

    好きだったところを少し…

    ーーーーー

    生まれてから死ぬまでに一度も「生まれてこなければよかった」と思わずに生きていられる人間というのは、それだけでも幸運なのだ。

    人が話す言葉には、力があるんだ。言葉にすると、物事は具体的に動き出してしまう。だからそんな簡単に、死ねばいい、なんて言っちゃだめだ。思ってもいなかったことでも、そうやって口に出してしまうと頭にこびりつく。一度こびりついたら、とてもやっかいなもんなんだよ。それが言葉の魔力なんだ。

    (保育園で)幼い子供たちに囲まれてい感じる幸せ。それは、自分の子供を持つこととは全く別の話なのだ。

    小夜子には、余計な言い訳が不要なので助かる。彼女は俺を信頼してくれてるし、俺の探偵業にかかわることに関しては、下手に質問してその答えを聞いてしまった時の自分の葛藤を避ける、という姿勢を貫いてくれている。

    結局いつも、金、なのだ。金に振り回されることを情けないとか格好悪いとかいくら軽蔑してみたって、金がなければできないこと、どうにもならないことが、この社会のほとんどを占めているという現実には太刀打ちできやしない。

    誰もみな、乗っているぐるぐる電車から勝手に飛び降りることはできないのだ。ぐるぐる電車がしかるべき駅に着いた時にだけ、行き先が変えられる。

    ーーーーー

    保育園経営も人生も「上がり」のないすごろくをやっているようなもの…続けていくことが大事なのですね。

  • シリーズ5作目。相変わらずの巻き込まれ感、安定していた。
    ちょっと前に黒夜を読んだので、環の絡み方が意外でうれしい。事件?調査?が絡み合うので、繋がるのか繋がらないのかワクワクしながら読めた。
    裏新宿感は今作は無し。

  • 探偵業と保育園業の両方での仕事が交じり合う話に。前作では怪我もなかったのに今回はわりと災難なハナちゃん。最初の頃に比べたらマシだけど。山内も優しい(笑)並木さんはっきりしねぇやつだなと思ったら。不器用な人たち。浩太郎君がしっかりしたお子さんで健気。子どもに寂しい思いさせちゃいけんよ…。

  • 2021.4.30-400

  • 花咲シリーズ最後は、長編探偵もの。面白くて一気読みしてしまった。ただ、今までの柴田よしきのドロドロの内容もなく、山内もちょっと出で、これで集大成は寂しいな。柴田よしきワールドのリコも麻生も出るノワールな作品を集大成として読みたいな。

  • 花咲慎一郎シリーズ第5巻

    にこにこ園の園児、浩太郎の父親が何者かに殴られ意識不明の重体に。浩太郎の生活と将来のためにもハナちゃんは数年前から行方不明になってしまっている浩太郎の母親探しに奔放する。
    それと並行して、またしても城島事務所からは探偵業の依頼が。商店街の小さなケーキ屋で働いているらしいパティシエの身辺調査はしだいに過去の未解決事件を引っ張り出す顛末に…。



    どれだけ正義感が強くて、人を救おうと必死になっても、結局はお金が必要なのだと、当たり前だけど人が生きていく上ではどうしても逃れられない“現実”を突きつけられた感じがして辛かった…。

    1つの問題が解決したかと思ったら、今度はまた違う問題が出てきて、無くなったお金は作らないといけない。そうした循環の中で、いつ終わるかもわからない人生をぐるぐると回って生きている。「踊るようにして」という表現に、少なからずハナちゃんはこんな毎日を楽しんでいるんじゃないかという気がして救われた。辛い中でも必死に頑張る人の姿が1番格好良い。


    どうか続編も刊行されますように、待ってます!

  • 9月一発目は大好きなハナちゃん5作目を選びました♪

    相変わらず、城島と練の玩具扱いなハナちゃん。このシリーズは好きな面々が皆、出てくるからワクワクしちゃいます♪

    姿は見えないが「アソー菌」でテンション上がりまくりデシタ。

    結局いつも儲けは無くなるし、裏には練が絡んでるけど・・・事件解決に辿り着いちゃうハナちゃん。全然、園に居ないけど・・・子供達に愛イッパイ!続編はないのかなぁ

  • 評価は3。(図書館)

    内容(BOOKデーターベース)
    新宿の無認可保育園「にこにこ園」園長兼探偵の花咲慎一郎。彼の携帯に城島から調査依頼が入った。洋菓子店『若草』の職人・内野の身辺調査をしてほしいと。一方、にこにこ園で大事件が起こる。並木浩太郎の父親が路上で襲われ意識不明となったのだ。父子家庭の浩太郎のため、花咲は失踪した母親を探しにいくが。

    う~ん。シリーズとしては読みやすいし、主人公の花ちゃんも好きなので期待したが・・・
    山内が絡んでもの凄い裏取引が有るかと思ったが・・・結局は自作自演か~。しかも、政治家になった友人が協力してくれないからってそりゃ~いくらなんでも説得力がないだろう。1冊使うほどの内容じゃなかったかなぁ?
    このシリーズで初めて評価下がった。

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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