南部芸能事務所 season2 メリーランド (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 60
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933735

作品紹介・あらすじ

たまたま見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、事務所の研修生になった新城。コンビを組んだ溝口との厳しい稽古を経て初舞台に立ち、社長からギャラとして「千円」を渡されるが……。弱小お笑いプロダクションを巡る面白き人々の人間模様を、誰にも書けない筆致で描く連作短編集、第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • こういう話が読みたかったよ、
    と思いながら読んでる。

    さて、続きを。

  • 再読。

    さらにみんなが一歩進んだ2作目。
    明るい未来が見える展開あり、悲しい決断ありの各章でしたが、各章の最後のページで、ゾワゾワと来て、必ず泣きそうになりました。

    女子の活躍が目覚しく、みんな強いなと感心しました。
    新城の彼女の美沙ちゃんには、ずっと新城を支えていて欲しいと願います。
    ちんちくりん鹿島ちゃんがいい。幸せになって欲しいです。


    長沼さんからの溝口への言葉に涙腺崩壊。
    仕方ないとはいえ、スパイラルの結末は悲しい。

    新城溝口の名前も決まり、さらなる活躍に期待します。

  • これは…お笑いコンビファンにはたまらない一冊なのでは…

  • 南部芸能事務所シリーズ第2弾。
    漫才師を目指す大学生2人を中心に事務所に所属する人々の目線でリレー形式に展開する短編集。
    前作から約1年後位の様子でお笑いの世界が少し見えてきている。
    リレー形式なので主人公がその都度変わるがその主人公なる人物が意外な人なのでそこがおもしろい。

  • 2018 3/18

  • 南部芸能事務所に所属する芸人たちと周囲の人びとの人間模様を、瑞々しいタッチで描く連作短編集第2弾。
    これから売れるのか、それとも燻り続けるのか。確固たる未来像を描くことができない芸人たち。不安な心うちが実に冷静にかつ温かみをもって表現されている。物語の中心はデビュー間もない新城溝口だが、個人的に気になるのは中堅トリオ芸人のナカノシマ。他にはない空気感があるんだけどなあ。

  • 弱小芸能事務所に所属する芸人たちのそれぞれ・・・

  • 夢と恋愛は両立することはできるのか。
    どうしても片方を追うと片方が疎かになる気がする。
    そんな不器用な溝口君も魅力的だと思う。

  • たまたま見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、事務所の研修生になった新城。コンビを組んだ溝口との厳しい稽古を経て初舞台に立ち、社長からギャラとして「千円」を渡されるが……。弱小お笑いプロダクションを巡る面白き人々の人間模様を、誰にも書けない筆致で描く連作短編集、第2弾!

  • 3月に読んだ「南部芸能事務所」の続編。単行本は1年の間があったようだけど、来月にはシリーズ4作目が単行本で出ているからだろう、2ヶ月続けての登場。
    前作で“溝口新城”が初舞台を踏んだところからの続き。
    新城が初めて貰ったギャラの500円玉を見つめてあれこれ考えたり、溝口のことを好きな鹿島さんがカフェを辞めて事務所のバイトになったり、そんな話を読んでいると、何だかありきたりの話になっちゃたなぁという感じだったのだけど、野島が再び原点を見つける話や、中野がバイトする映画館に勤める古淵さんの話や、長沼に去られて目が覚めた川崎の話には、自分の好きなことをしながら生きたい働きたいという理想と世の中そんなに甘くはないということがせめぎ合い、今更ながらに働くことの意味について考えさせられる。
    『何がしたいとか、どうなりたいとか考えられる気持ちが、私にはない。平均的に、みんなから遅れずに、就職できれば、それで良かった』なんて古淵の科白、我が身に返してみれば自分が無事に会社生活を送れてきたのは単に幸運だっただけであることが良く知れる。会社生活に悩む息子を持つ身としては尚更に…。
    肝心の“溝口新城”については周辺の人のエピソードを通じて語られるだけだが、終章、『コンビになるっていうことは、お互いに人生を預け合うってことなの』という溝口の母や『適当に決めた名前を二人で適当じゃなくしていくのよ。ダサい名前を二人でかっこ良くしていくのよ』という社長の言葉に背を押され、漸くコンビ名が決定する。
    母や社長や先輩とのやり取りがひとつずつ積み重なって二人の成長に繋がる様が心地良く、よその事務所に所属する有望若手コンビの登場もあって、これから続くお話に期待を持たせる。
    『こんな人生になるはずじゃなかったって思ったことある?』って、そりゃあ、大概の人はそういう感じなのだろうけど、『あるわよ。何回も。でも、いいの。それ以上の人生を送らせてもらったから』と言えるようになれるといいね。

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞。13年に『海の見える街』、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる。著書にドラマ化された『感情8号線』、『ふたつの星とタイムマシン』『タイムマシンでは、行けない明日』『消えない月』『神さまを待っている』『大人になったら、』『若葉荘の暮らし』などがある。

「2023年 『トワイライライト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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