- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062933698
作品紹介・あらすじ
子供の頃から勉強嫌い。就職してもすぐにクビ。戦争で片腕を失い、九死に一生を得るも赤貧時代が待っていた。だけどクヨクヨする必要はない。それはそれなり、救いがあるものなのだ。激動の昭和史と重ねつつ、『テレビくん』で講談社児童まんが賞受賞までを綴ったおとぼけ自伝。読めば元気がわくこと必至!
感想・レビュー・書評
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水木しげるさんの生い立ちから40歳過ぎ頃までの自伝。『ゲゲゲの鬼太郎』や『のんのんばあとオレ』などでもちろん存じ上げていたが、売れるまでこんなに波乱万丈な人生を送られていたことは全く知らなかった。南方の戦地での経験もかなりすごい。水木さんはどんな困難が降りかかっても、いたずらに悲観したりせず、自分は生かされているから何とかなるという楽観と余裕を常に持っていた。それで本当に幾多の困難を乗り越えているのだ。非常に過酷な最前線の戦地で生き残ったのも水木さんの考え方ゆえだろう。
自然や生き物を常に敬い感謝し、人間がえらいという考えはこれっぽっちもない。言葉が通じなくても現地の「土人」の人たちと仲良くなれたのはそのためだろう。30年後、南の島を再訪し、戦時中に交流した「土人」たちに再会したのもすごい。
「決まりきった人生はつまらない」とあとがき(1978年)にかかれていたが、正にドラマのような人生を送られてきたのだなと思った。ご両親もとても寛大で魅力的な方たちのように感じた。結局、「世の中の常識」にとらわれて行動や本当にやりたいことを制限したりするのは自分自身なのだと強く感じた。どんな時代でも水木さんのように困難は多くても自由に楽しく生きていけるのだと思った。1920〜30年代の子ども時代、過酷な戦時、戦後間もない日本の混乱の様子も、本書を通じてリアルに体験できた。 -
水木しげるさんは
他人が見えないものが 見える
他人が聞こえない声が 聴こえる
他人が想えないことが 想える
なんでだろう?
の ベースが この一冊に
詰まっている気がする
それにしても
水木しげるさんの
記憶力の凄まじさに
脱帽です -
自叙伝とは、それを書く事を許される地位のある人によるものだから、どうしてもドラマチックな苦労話からの成功体験仕立てになりがちだ。だから、ストーリーの設定は違えど似たような帰結になり、挙げ句の果てに自己啓発的な売り方がされもすれば、これは、読む前から内容が分かってしまうツマラナイ感じがしてしまう。でも、成功とは何なのかという価値観が常識、というか多数派と違うものならば、顛末が変わってくる。水木しげるは、まさにその価値観が違うのだろう、一味も二味も違う自叙伝。土人の生活を理想かなと感じながら、しかし、食うために生活にしがみつく現実。紙芝居から貸本、漫画雑誌へと、戦後の漫画界における変遷と共に、その苦労話をスパイスに。生きる力と勇気を与えてくれる一冊、というと如何にも自己啓発的だが…。
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水木しげる先生の激動の人生。信じられないようなことばかりが続き、戦争を乗り越え、仕事をあれだけやっても貧乏生活が続く日々。それでものんきさとユーモアがあり、思わずクスッと笑える場面もあった。中身が濃い人生を駆け抜けて、今も楽しめる作品を残してくれたことに敬意を表したい。
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めちゃくちゃ面白かった。
波瀾万丈ここに極まれり。自分もてんで駄目な方の人間だが、まぁやれるところまで生きてみようかなと思える。豊かで自由な心を持ちたい。 -
水木しげる先生が、生まれてから漫画家として売れるまでを書いた自伝的作品。
マイペースというか自分の時間でしか動けないその生き様がすごすぎます。
自然と一体化しているというか、大らかな考え方がとても雄大です。戦争体験や貧乏時代を明るくユーモアたっぷりに描いていて、数か所腹を抱えて笑ってしまいました。
水木しげる先生の事はほとんど知りませんでしたが、この一冊を読んですっかり大ファンになりました。
先生が生きた歴史(戦争体験など)の勉強にもなるし、万人にオススメしたい素晴らしい本です。 -
子供の頃から勉強嫌い。就職してもすぐにクビ。戦争で片腕を失い、九死に一生を得るも赤貧時代が待っていた。だけどクヨクヨする必要はない。それはそれなり、救いがあるものなのだ。激動の昭和史と重ねつつ、『テレビくん』で講談社児童まんが賞受賞までを綴ったおとぼけ自伝。読めば元気がわくこと必至!
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なんとなく若い頃に大成した人かと思ってたけど全然違った。七転び八起きどころじゃない。
戦争の話もあってシリアスなはずなのにサラッと読めた。昭和激動すぎる。 -
自伝というよりかは、水木しげるの生きた時代の資料に近しいと感じた。