カラスの教科書 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933575

作品紹介・あらすじ

ゴミを漁り、不吉を連想させ、カーカーとうるさがられるカラス。だがその生態をつぶさに観察すると驚くことばかり。走る車にくるみの殻を割らせ、マヨネーズが好き。「東京にカラスが多い理由は」「カラスは人間を識別できるのか」「カラスは食えるのか」などなど。日々、カラスを追う気鋭の動物行動学者がユーモアを交え、謎めいた愛すべき存在に迫る。カラスと仲良くするための初級カラス語会話もついている。

感想・レビュー・書評

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  • 昔は、学校の帰り道に、道端に落ちているカラスの羽を拾って、ウキウキしながら家路を急いでいたな、と懐かしく思い出しながら読んでいた。
    カラスの羽はシャープで黒色が美しく、太陽に翳してみたり、猫の鼻先にホレホレ、と振ってみたり(嫌そうにしていた。ごめんね。)、墨汁をつけて羽ペンにして文字を書いてみたりしていた。(上手く書けなかったような。)
    そんな貴重な玩具を提供してくれるカラスに悪感情など抱いているわけもなく、数十年後、書店でこの本を見かけたときは、喜々としてレジへと向かった。
    しかし私の悪い癖、買った本の積み癖がでてしまい、積読。さらに数年後、フォロワーさんからのおすすめで積読の山から救い出す。おすすめされなかったら一生積読のままだったかもしれない。きっかけをありがとうございました。

    カラスのトリビア満載で、ますますカラスに好感を持った。
    たぶん、著者の松原さんのカラス愛が伝わってきたからだろう。カラスが誤解を受けやすい鳥だということを自身が重々承知していて、それを内心残念に思っている感をひしひしと感じる。この本で世間に流布する勝手な悪者イメージを払拭。カラスの正しい生態を楽しい文章で教えてくれる。著者の講演があったらぜひぜひ受講したい。
    イラストは松原さんが描いたラフスケッチと植木ななせさんが描いたものと二種類ある。どちらも良いが植木さんのカラスのすっとぼけた味わいは見ているだけで和む。

    まずは家の木に毎年巣を作るカラスがハシブトガラスなのかハシボソガラスなのか、そおーーーっと観察してみたい。

    • 5552さん
      本ぶらさん

      こんにちは。
      北の丸公園での出来事は、ヒッチコックの『鳥』の序盤のエピソードにありそうですね。カラス包囲網。私ならビビる...
      本ぶらさん

      こんにちは。
      北の丸公園での出来事は、ヒッチコックの『鳥』の序盤のエピソードにありそうですね。カラス包囲網。私ならビビると思いますが、本ぶらさんは、そうでもなかったみたいですね。
      カラスの鳴き声はたしかにデカいですよね。
      この本によると二キロ先まで届くとか。
      家の居間の窓の外の木でカラスがガーガー激しく鳴いていて、バサバサッという羽音が長く続いたときは、一体何が起きてるんだ、とドキドキしてましたが(ビビりなんです)、今思えば雛の巣立ちの季節で、飛ぶ練習してたのかな、と。
      恐竜の進化の果てのカラスと、恐竜から逃げ回っていた哺乳類の進化の果ての人類と、関係性の変化が面白いなー、と思いました。
      2021/02/24
    • 本ぶらさん
      >そうでもなかったみたい
      カラスたちの動きがまさにギャグコントで。
      面白いのと、昼メシ守るのに必死でw、ひたすら観察してました。

      ...
      >そうでもなかったみたい
      カラスたちの動きがまさにギャグコントで。
      面白いのと、昼メシ守るのに必死でw、ひたすら観察してました。

      >窓の外の木でカラスがガーガー激しく鳴いていて
      確かに、たぶんそれは雛でしょうね。
      ウチの近所の家は庭が広いんですけど、そこは毎年カラスが巣をつくるらしくって、そんんな時期があります。
      あと、カラスはよく空で激しくケンカしてません?
      あの時の声はすごいですよ。
      とはいえ、まさか2キロ先まで届くとは思いませんでした(+_+)
      2021/03/03
    • 5552さん
      本ぶらさん

      カラスが空でケンカするんですか!?
      たぶん、見たことないか、見ても覚えていないかのどっちかです。
      けっこうな迫力でしょ...
      本ぶらさん

      カラスが空でケンカするんですか!?
      たぶん、見たことないか、見ても覚えていないかのどっちかです。
      けっこうな迫力でしょうね。
      それにしても、本ぶらさんの住んでいるところはカラス密度高そうですね。
      うちの方は田舎なのでそれほど数は確認できません。
      この本を読んだ知識を元に観察する気満々だったのですけどね。でも、どんどん忘れてゆく、、、。

      2021/03/03
  • カラス大好き動物行動学者によるカラスの知識満載な入門書。
    第一章 カラスの基礎知識   第二章 カラスと餌と博物学
    第三章 カラスの取り扱い説明書  第四章 カラスのQ&A
    カラスのつぶやき 1~3
    主要参考文献有り。
    カラスについて、楽しく軽妙に教えてくれる入門書。
    というか、かなりのカラス愛が感じられます・・・文もイラストも。
    カラスの種類、一生、行動等の他、カラス系の神話や伝承に
    ついても書かれていて、まさに丸ごとカラス!
    それでいて難解ではなく、ユーモアが溢れていて、読み易い。
    だが、実際はカラスについてはわからない事も多い。
    調査と研究の困難さも、率直に書かれています。
    そうか、近所のハシブトガラスたちは、厳しい生存過程を
    乗り越えたのか・・・都市のスカベンジャー(掃除屋)の一面も
    あるのか・・・と、身近な彼らに興味が湧いてきます。
    賢そうで、ドジで、子煩悩だけど他の雛に餌をやりそうに
    なったりする、しかもマヨラー。なんともお茶目。
    こちらもボヘ~と眺めたくなるけど、
    春先の子育ての頃は止めておきましょ。
    痛くないといっても、背後から頭蹴られるのはかなり怖い。

  • 読んだのは、確か6月の頭くらい。

    カラスってさ。
    面白いんだけどさ。
    でもさ。
    うるっさい!のよ、アレ(^_^;
    どのくらい、うるっさいかと言うと、「うっせ! 焼き鳥にすんぞ!」って怒鳴りつけたくなるくらい(^^ゞ

    あとさ。
    フンがデカい!
    あれが嫌。
    いつだったか、ベランダの手すりの上にあったのを見た時は、イモムシがいるのかと思ったくらい(^_^;
    あとは、よく言われる、ゴミの散らかし。
    あれも、そーとーウザい。
    ゴミ回収場にウロチョロしているカラスを見ると、蹴っ飛ばしてやろーかとか思っちゃうくらい(爆)


    ただ、そーは言っても、面白いのも確かなの。
    「カー」って鳴いたのに「カー」って返すと、絶対「カー」って返してくる。
    暇つぶしにはもってこいだ(ー_ー;)
    もっとも、向こうは際限なく「カー」と返してくるので、終いには疲れる(^^ゞ

    カラスがカーカー、うるさい時は、じっと睨みつけるか、何か大きな音をたてると、大概逃げる。
    でも、時々、それでは逃げないカラスがいて。
    そういうカラスを見ると、すっげぇー、ムカつく(^^ゞ
    ただ、そういう時は奥の手。
    紙をVの字に折ったのを輪ゴムで飛ばしてやると、アセって逃げていく。
    へんっ! ザマーミロ(^^)/


    カラスって、実はその程度。
    例えば、冬の降雪のあった日なんか、やたら大きな声で鳴いてたりするんだけど、たぶん、あれは雪で誰も外にいないからなんだと思う。
    人の姿がないから、カラスはそこは自分のテリトリーだと思って、我が物顔に「カー、カー」飛び交う。
    そういうもんじゃないだろうか?

    そう考えると、近年、街にカラスがやたら多いのは、ゴミはもちろんありつつ、人口減少…、それも特に(外で遊ぶ)子供の数が少なくなったことが大きいような気がするかな?
    それと、人々のカラスへの無関心。
    カラスなんて絶対に面白いんだから、もっと関心を持ったほうがいい。
    少なくともテレビのバラエティ番組やユーチューバーの動画を見ているくらいなら、カラスを見ていたほうが絶対面白いしw
    何より、目の健康にいい(^^)/

    カラスは面白いんだけど、でも、ゴミを散らかしたり、カー、カー、やたらうるさいのは困る。
    あと、人を威嚇したり、襲ったり(?)することも(^_^;
    そうならないように、人間は自らのテリトリーで我が物顔で振る舞う生き物に、ちゃんと関心を払って。
    ジャマくさいと思ったら、「あっちに行け!」とちゃんと追っ払う…、つまり、カラスに本気で腹をたてる“ヒマ人”であることが、カラスとの共存で必要なんだと思う(^^ゞ
    (なんとなくだけど、気取った住宅地ほど、図々しいカラスがいるよーな?w)



    この本を読んで面白いと思ったのは、カーカーうるさいだけのカラスの鳴き声が、「あ、これは今年巣立ったひよっ子のカラスだな」とか、わかるようになってきたことだ(実際にそうかは知らないw)。
    今年巣立ったひよっ子のカラスだなって思うと、こっちも敵は組みやすしと、「うるせ、コノヤロ。あっち行け!」と気楽に睨みつけられる(^^ゞ

    時々、1メートルくらいの距離で睨みつけても、なかなか逃げないカラスがいて。
    あーいうのは、おそらく、何年か生きてふてぶてしくなったオトナのカラスなんだろう。
    とはいえ、所詮はカラス。
    1メートルの距離で逃げない時は、1歩、2歩と近づくと絶対向こうが逃げる。
    へんっ! ザマーミロ!ヽ(^o^)丿

    いや。別にカラスは嫌いではない。
    だって、面白い。
    面白いものは好きだ(^^ゞ
    カラス同士が空中戦をやっている時なんかは、鳴き声がうるさいのはうるさいんだけど、でも、見ていると、すっごく面白い。
    ていうか、一方的にやられて逃げ回っているカラスを見ていると、「いろいろあるけど、人間世界の方がまだマシなんだろうなぁー」と思えてくる(爆)


    そういえば、この本の中で著者は、“東京でカラスウォッチするなら代々木公園か北の丸公園が面白い”と書いているが、北の丸公園のカラスには思い出がある。
    秋で、すごく天気が良くて。あんまり気持ちがいいから、昼飯にハンバーガー買って、北の丸公園で食べていたのだ。
    でも、ふと気づくと、自分がハンバーガー食べている周り、5、6メートルのところに、カラスがぐるりと集まってきた(^_^;
    さてはコイツら、ハンバーガーを狙っているんだなと。
    食べかけのハンバーガーと袋の中のハンバーガーを確保しつつ、ギロッと睨め回すと、カラスどもは大慌て。たちまち、全員(全羽?)1メートルくらい後退した。
    それを見て、「ばぁーか。カラスの分際で、ハンバーガー食うなんて100万年早ぇーんだよ!」とガハハ笑いをしていたら。
    ふと、背後に気配が…。
    「えぇっ!」と振り返ると、カラスの野郎ども、自分の背後3メートル位のところまで、ぐるりと迫ってきていたのだ。
    いや、それを見た時は、さすがにアセった(^_^;
    ところがだ。
    背後のカラスどもときたら、人間さまが気づいたと見るやいなや、まるでコントのお決まりのパターンのように、急にくるっと顔を背けて。口笛吹いてトボけているように、辺りを行ったり来たり。
    それも、全員(全羽?)。
    その様子ときたら、「え? なに? ハンバーガー? そんなもの、オレ、全然興味ないよ〜
    」としらばっくれているようで。
    それを見ていた自分としては、「な、なんだ、コイツら…」と唖然とするやら、クスクス可笑しいやら(^^ゞ
    「いっやー、カラスって笑える」な〜んて思ってしまったのは、油断だった。
    今度は逆の方に気配を感じて「ヤバイ!」と見ると、さっきは6メートルくらいまでに退いたカラスどもが、いつの間にかすぐそこにまで円を狭めてきていて。
    でも、こっちが気づいたと見るやいなや、やっぱり同じ。
    急にくるっと顔を背けて、「え? ハンバーガー? そんなもの、オレ、全っ然興味ないからさぁ〜」とばかり、トボけて辺りを行ったり来たり。
    後は、ハンバーガーを食い終わるまで、延々その繰り返し。
    いや、もう。
    落ち着いて昼飯食えないことには困るんだけど。
    でも、自分の周りをぐるりと円を描くように集まっているカラスどもの行ったり来たりが面白くて、面白くて。
    ハンバーガーに食らいついては、それを味わいつつ。カラスに向かって、「へんっ! オメェらにやるか。ばぁ〜か」って笑ってた(^^ゞ

    そんなハンバーガーも食い終わって。
    袋を逆さにして、「ザマミロ。もう、ねぇーよ」と言っても、カラスどもにはわからないのか?
    しばらく、自分を中心に半径4、5メートルくらいのところをウロチョロしていた。


    そういえば、先進国…、だから、新興国を除く、いわゆるG7のような国で、人間の身近に人間以外の霊長類がいる国は日本だけなんだとか。
    そんな人間以外の霊長類であるサル(ニホンザル)は、農作物へ食害を起こしたりしている反面、長野県の地獄谷温泉のように観光資源にもなっている。
    そう考えると、サルのように知能の発達したカラスも観光資源として使えないんだろうか?
    それこそ、観光客なんてもんは、光ってさえいれば喜ぶから(爆)
    一度、カラスを全員ひっ捕まえて、LED電球をくくり付けて。
    夜空にピカピカ飛ばしたら、ウケるんじゃない?
    カラス映えとか言って。←意味不明w
    (LEDドローンショーなんてものよりは100倍面白いと思うけどなw)
    あ、でも、カラスって、夜は寝るのか(爆)
    なんだ。カラスって、つかえねーな(^^ゞ

    とはいうものの、何にでもコスパ、タイパが求められちゃうこのニッポンで、“つかえない”って、それだけでも偉大だ。
    カッコイイ!w
    カラスより(チョットだけ?w)賢い我々人間も、そこは見習いたいものだ(^^)/

  • この本は動物行動学者の松原始さんの著書というより、表紙でも見られるカラスのボヘーなイラストを描いている雷鳥社の植木ななせさんとの共著と言ってもいい。

    松原さんのあとがきでは植木さんが構想し企画したと書いているので、カラス大好き植木さんから松原さんへこのようなアプローチがあったのでは(以下、私の想像による創作)
    植木「あのー、カラス研究者の松原先生ですよね?カラスの本を出版しませんか?」
    松原「あー、また『カラスを上手に駆除する方法』とか『カラスに襲われないためには?』ていうような本ですか?それはちょっと…」
    植木「いえ違うんです!カラスって本当は愛くるしくておちゃめで見ていて飽きないですよね。でもみんな『こわい』『ウルサイ』『迷惑』って言ってわかってくれないんです。だからカラスの本当の姿をなんとかわかりやすく伝えたいんです!」
    松原「そうなん?(一般ピープルから同志を得た驚きで関西弁に戻る)みんなこわいっちゅうけど、カラスの子育てとかヒナの巣立ちとか見たら、愛情たっぷりでめっちゃ親近感わくんやでホンマ」
    植木「じゃあカラスのかわいいところがいっぱいの本をつくりましょう!」
    松原「そやな、学術論文以外でも、世間のカラスを見る眼が変わるような感じの本が出てきてもええな。じゃあ忙しいけどやってみよか」…

    実際の本の中身は、はじめこそ、例えばハシブトガラスとハシボソガラスの違いとか、松原さんによる基礎編の講義のような文章が続くけど、(これも想像だが)植木さんから「もっとおもしろーい話ないですか?」とか聞かれるうちに、松原さんも「そやな、いくらカラスのこと詳しく書いても、ウケへんかったら意味ないもんな!」くらいのノリになったのでは?
    だからカラスのペアリングについて松原さんは、強い雌は強い雄とくっつくという例えで、「カラスの世界では、しずかちゃんは多分ジャイアンと結婚する」と書いている。

    でもまじめな話も書くと、松原さんをはじめ学者が多くの研究を費やしても、カラスの生態にはまだまだ理由不明な、不思議な生態が数多くあるのがわかった(だから松原さんもカラスに研究人生を捧げていると思うけど)。
    それと、カラスが人を襲うというのは都市伝説の一種だ。(正確にはカラスは人を「襲う=攻撃する」のではなく「威嚇する」。野生動物の本能は、相手を襲って自分の命を落とすリスクを通常では冒さない)。

    それらからわかるのは、私たち人間はカラスのことをある意味で無理解と誤解とで見ているということ。
    でも残念ながら、私たち人間のことを振り返れば、先入観とかネットの断片的な情報とかで相手の人格などを無理解と誤解とにまみれて見ているのが目につくことでわかるように、偏見と迷信とで見ているのはカラスに対してだけに限った話でもない。
    そのことを考えると、人間は確かに知能でみるとカラスより発達しているが、自然環境との調和や生態系への順応という点からみると、人間がカラスより発達していると言い切るのははなはだ疑問に感じる。
    生物界の長い歴史のなかでは、カラスは人間よりもはるかに“先輩”であり、人間よりも長い時間をかけて環境に順応して今に至っているということを、私たちはもう少し謙虚さをもって考えなければならないのでは?と思い直した。

    とまあ、まじめな話で終わるのも松原さん植木さんの本意でないと思うので、最後に、知的好奇心もくすぐられつつ、カラスの行動に関しての「自然ってうまいことできてるな」的な話が満載で読み物としても楽しめた、と書いて筆をおく。

  • カラスに襲われたことが何度かあることもあったので、(カラスに対しては)あまりいい印象はもっていませんでした。この本を読んで、なかなかかわいいとこ、あるじゃん、、、というような印象に代わりました。マヨラーなんですね。リスみたいに貯食しないといけないんですね。カラスの一日、納得しました。

  • 最近の生物学系研究者の本は軒並み面白すぎる。
    みんな、人間やめてるんじゃないかって思うくらい。
    カラスの生態が実によくわかる本です。著者のスケッチの上手さにも脱帽。

  • カラスは怖いという印象が最初に植え付けられたのは、何と言ってもクラシックホラーの名作オーメンで女性がカラスに襲われて逃げて、トラックに轢かれる衝撃シーンが尾を引いております。
    最近、あれ?カラス可愛くない?と思うことが多くなりました。これはキュートなカラス動画が色々見られるので、ギャップ萌えで一気に急上昇。

    この本はカラスの利口さだけではなくて、どことなく抜けた、ユーモラスな姿をふんだんに見せてくれる名著です。文章もかなり上手くて、独りよがりにならない伝わる文章です。しかも柔らかすぎないので好みです。
    一番好きなエピソードは、ハシブトガラスが間違えて、ハシボソガラスの巣に入ってひなに餌やろうとして、直前で気がついてわたわたと去っていくシーンでしょうか。なんだか親近感わくでしょ。
    カラス可愛いなあ。次会ったら声かけてみよう。

    • 呑助さん
      ありんこゆういちさん、初めまして。先日この本を初見の本屋さんで手に取り、今まさに興味津々で読んでいる所でしたので思わずコメントさせて頂きまし...
      ありんこゆういちさん、初めまして。先日この本を初見の本屋さんで手に取り、今まさに興味津々で読んでいる所でしたので思わずコメントさせて頂きました。

      カラスは昔から姿形が格好良いと思いボーッと眺めていたのですが、レビューに挙げられているエピソード始め、そんなことが有るんだ!という驚きの多い本でした。
      まだ真ん中辺りなのでこの後も楽しみです。

      そして遅れ馳せながら、長らく無言フォローで失礼しておりましたが、今後もレビューを参考に新しい本を知るきっかけにさせて頂きます。
      2016/12/17
    • ありんこゆういちさん
      呑助さん
      コメントありがとうございます!この本はとてもいい本ですね。カラス愛がとてつもなく感じられるので、だんだん自分の目線もそういう目線...
      呑助さん
      コメントありがとうございます!この本はとてもいい本ですね。カラス愛がとてつもなく感じられるので、だんだん自分の目線もそういう目線に変わってきて心が穏やかになるようです。この間ハシブトがそばのガードレールに止まったのですが、とてもきれいな羽の色でした。今まで見えても見ていなかった姿が目に飛び込んできてとても新鮮な気分でした。
      今後ともよろしくお願いします!
      2016/12/19
  • 読み終えた瞬間、この本は絶対に推薦文を書こう!とウキウキした気分になるくらい面白かった。
    全編楽しく読み切ったが、
    ・カラスのグルメ事情
    ・カラスの離婚と再婚について
    ・カラスは賢い?
    あたりのエピソードが特に良かった。チャーミングな挿し絵も好き。フィールドワークの話も多く、おしごとエッセイ的な楽しみ方もできた。

    カラスに対する負の先入観を払拭したいという想いが込められた本だが、ゴミ漁り対策やカラスからの攻撃への対処法など、実用的な話題も掲載されている。
    カラス好きの人にはもちろん、そうでない方にもオススメの一冊。

  • 2019.6.2読了。ずっとカラスがガラララと低い声で鳴き頭を左右に振って嘴を枝にカツカツと擦り付ける動作をよく見かけていたのでその意味を知りたかった。この本を読めば分かるかなと期待していた。…思いっきり威嚇だった。ゴメンよ。今まで知らずにカラスを相当イライラさせてきていたようだ。今度から気をつけよう。蹴られたことはないが見つめていたら逃げられたことはある。カラスにもキトゥンブルーみたいに幼いと目が青いのか!カラスの恋愛事情も面白い。シーズン前からデキてるのか。てか鳥類は長生きが多いのか!何故だろう?カラス同士も見分けついたりつかなかったりするんだ。見た目大切なんだな。お茶目だな。雌による応援行動も興味深い!雌の前では頑張っちゃうのか!カエルを食べる時にちゃんと毒ある皮膚を剥ぐなんて…どこで学んだのそんな事。すごいなぁ。そしてああやっぱりジブリの話題が出るんだな。さりげにムスカの名ゼリフも忍ばせてる。ほんと動物やってる人はジブリ好き多いんだな。テクニシャンな職人なハシボソとパワータイプなハシブトの差も面白い。個人的解釈や考えを本にできる魅力は何かで見たなぁ。やっぱり論文ではできない楽しさがあるんだろうな。顔隠れてれば隠れたことになる論は猫みたいだ。太陽の象徴かぁ。真っ黒なあの姿は神秘的だもんな。あの姿に神や悪魔をみるのも納得。リアルなスケッチと気の抜けるタッチのイラストの対比が良い。

  • 結局、著者もカラスだった
    絵も著者の小話も小気味良く面白い
    烏を愛でてみようかという気持ちになる 
    とくに雛見てみたい無理目だけど

    二枚貝の伝説の話がお気に入りです

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著者プロフィール

1969年、奈良県生まれ。東京大学総合研究博物館特任准教授。
京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。
理学博士(京都大学)。専門は動物行動学。
著書に『カラスの教科書』『カラスの補習授業』(雷鳥社)、『カラスと京都』(旅するミシン店)、『カラス屋の双眼鏡』(ハルキ文庫)、『カラス先生のはじめてのいきもの観察』(太田出版)など。

「2018年 『鳥類学者の目のツケドコロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松原始の作品

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