移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.71
  • (19)
  • (61)
  • (41)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 538
感想 : 54
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931830

作品紹介・あらすじ

日本に住む二百万を超える外国人たちは、日頃いったい何を食べているのか? 「誰も行かない所に行き、誰も書かない事を書く」がモットーの著者は、伝手をたどり食卓に潜入していく。ベリーダンサーのイラン人、南三陸町のフィリピン女性、盲目のスーダン人一家……。国内の「秘境」で著者が見たものとは?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 高野秀行さんの本を読んだのはこれで10冊目。高野ファンを公言して3年。早くあと10冊(著書の約2/3)は読みたい。それでだいたいその人の全貌がわかると私は思っている。本書は高野秀行の「視野と方向性」がわかる好著だった。

    東日本大震災の直前、高野さんは日本に207万人もいるという在日外国人の「ふつうの姿」を知ろうと、食事風景の取材を始める。それまでの約20数年間、高野さんはアジアや各地の辺鄙な場所に行っては冒険と地域の人々と交流をしてきた。普通の姿を知るならば、食べているところが1番である、と私も旅をして覚えがある。その時に人は他所行きの服を脱ぐのである。ただし、高野さんには他人には無い能力がある。それまでに培ってきた人の懐に飛び込む会話術と語学力、そしてアジア新聞役員だったときの情報収集力である。

    雑誌の連載ということもあって、本来なら深掘りするべき発言や行動もサラッと流してはいるが、重要な一言も食べながら聴けたようだ。

    高野さんと一緒に、私も様々な外国の「ふつうの姿」に出会ってゆく。

    以下、気に入ったところ。気になったところ。
    (ぐだぐだと長くなっています。想いがあっち行ったりこっち行ったりして、上手くまとまらなかった)
    ⚫︎イランは黒いベールで覆われている。そのベールをパッと剥がすと、色鮮やかで繊細で人間味あふれた世界が広がっているのである。
    ⚫︎南三陸町ではフィリピン人が最も多く15人いた。9人が家を流され、1人が行方不明。悲しいこともいっぱいあったのに久しぶりのフィリピン料理パーティーに集った女性たちの明るいこと。コミュニティが機能している。
    「美しいものは何もかも流された。」「残ったのは私だけ。1番美しいものが残った」
    ⚫︎題名の「移民」とは「日本に移り住んだ外国人」という意味で使っているが、この言葉をネガティブに捉える人もいる。アジアでは反発は少なく、ヨーロッパ人には拒否する人もいる。最大の政治問題だから敏感になっているのだろう。
    ⚫︎以前、他の本のレビューで「中国人は冷めたご飯を嫌うからオニギリがないのだ」と書いたら「でも弁当はあるのではないか」と質問された。此処で解決した。中国人が冷めた弁当を嫌いというのは徹底されていた。学校の教室には「保温器」が置いていたのである。(←中国・韓国のコンビニにも弁当はあるが、必ずレンチンするのだろう。そういえば台湾の駅弁は決して11時前には売り出さないし、時には列車の中で販売していた。インドの弁当も午前10時ごろ嫁さんが作って、それを職場まで運ぶ職業があり、それがテーマの映画もあった)←冷めても美味しい弁当というコンセプトは、もしかしたら世界で日本のみなのかもしれない。
    ⚫︎ムスリムが最も日本人と共存しにくいのは、一日5回の礼拝でも、ベールの義務でもなくて、食べ物の禁忌(例えば豚‥‥調味料に入ってもダメ)だろう。(←先日、イオンのエレベーター横の陰で午後5時過ぎ、ベールを被った女性が敷物を敷いて北西を向いて礼拝をしていた。凄いと思った)魚の方が規制が少ないので、ムスリムは寿司好きが多いらしい。
    ⚫︎ 「日本人は神様いないでしょ?だから壁にぶつかったときにダメになっちゃう。自殺しちゃう。僕たちは神様いるから、壁にぶつかってもなんとかなるって思えるんだよ」あるムスリムはそう言った。←在日外国人の敬虔な信者は無宗教の日本人をそう評価しているのかもしれない。事実は、そうとは言えないとのだけど、ちょっと見には説得力ある。
    ⚫︎ロシア聖教の生活を初めて知る。古式かしこきキリスト教という感じ。
    ⚫︎「ボルシチは作るのに三、四時間かかる」「で、作ったら毎日食べるのに、日本人は次の日に別のものを食べたがる。三日目くらいが1番美味しいのに」←外国人は日本食が簡単だと複数外国が言う。曰く魚を焼くだけ、納豆や豆腐刺身はそのまま、しかし、毎日品を変えてつくるとは思っていない。これは見事な文化の違いである。←高野さんは更に、「日本人は外国の食べ物を日本式に作り変える」と指摘する。日本式ローストビーフ、日本式カレー‥‥。「本質を変える暇があったら目先を変えたい」。正に!これこそ、加藤周一のいう雑種文化が正に現代も生き生きと根づいている証だろう。
    ⚫︎「ロシア人というだけで仕事がない」「日本語の一級検定を持っていても、ミニストップでもユニクロでもネイルサロンでも雇ってくれない」←今は少し事情が変わっているかもしれない。
    ⚫︎「ニュース見ても分かると思うけど、朝鮮族は普段はおとなしくしていても、カッとなると激しいんですよ」←この辺りは、私は思い当たるところがたくさんあるけど、日本人は、特に嫌韓の人たちは理解しようとしない。
    ⚫︎ 「キューリもトマトも味がしない。『なんだ、こりゃ?』って思いましたね。私は実家では近くの畑から取り立ての野菜を食べてましたから、なおさらです」(朝鮮族の男の言葉)←最近学んだが、朝鮮族系中国人のいたところは満州であり、そこは地球の中で土地が肥沃な地域である。野菜の味が変わって当然かもしれない。
    ⚫︎高野さんは2012年の単行本後書きで、「外国人差別は激減した」と書いたが、2015年の文庫版後書きで「間違いだった」「今は自賛史観、手前味噌史観が大流行りだ」と嘆く。←その間に何が起きたかというと、別に世の中が変わったわけでなくて、オリンピックが決まったからだろうと、私は推測する。「日本人は成熟したなんで書いたが、全然まだだった」と高野さんは書く。←この意見に対しても、Amazonレビュアーの中には社会学者の論文の不備を突くかのようなことを指摘して、高野秀明は偏っている、と攻撃していた。高野秀明は単なる旅ライターに過ぎない。自分の体験してきたことに、感想を書いているのに過ぎないのに、何を息巻いているのかと、私は思った。しかも、高野さんの意見は目先のことに惑わされない。本質をついていることが、多いとさえ、私は思うのである。

  • 『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活 - HONZ(2012年12月16日)
    https://honz.jp/articles/-/20107

    『移民の宴』 高野秀行|kyokota(きょこた)2020年10月23日
    https://note.com/kyokota/n/na0967f9e1423

    『移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活』(高野 秀行):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212154
    (単行本)
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000187802

  • 寒々としたお話をしばらく読んでいたから、そろそろどこかであったまりたいと思っていたところ。

    普段海外のお料理に対してあまり免疫がなく、おまけに当たり外れも激しそうだからって知っていたり味の想像がつきやすいものにしか手を出さずにいたけど本書に出てくるお料理は冗談抜きにどれも美味しそうで、第一章のタイから垂涎のまなざしだった。
    筆者と並んでテーブルを覗いていると、どの人も笑いかけてくれる。つられて何度も笑みがこぼれた。

    初版は’12年で東日本大震災下の移民についても触れられている。混乱の中で彼らを訪ねて調査を続けようとするのは少し強引にも思たけど、こうして勇気を出してくれる人がいるおかげで普通なら知り得ないことを知れることは、やっぱり大きい。

    各国のデータに在日人口が男女比で記載されているのがまた興味深い!(比率の理由を自分なりに考えてみたり…)

    人によるけど、ほとんどが「ー系日本人」に見えてくるくらい皆さん日本に溶け込まれていた。彼らに共通にしているのは今住んでいる場所に一番愛着を感じているところだと思う。

    ごはんに加えて筆者の笑いを誘う語り口調と登場した皆さんの屈託のない笑顔に包まれて、今はもう幸福感でお腹いっぱい。気づけばすっかり体温も上がっていた。

  • 日本に移り住んだ外国人の生活や考え方、その中でも特に食事に焦点をあてた移住者ルポ。
    外国人の方々はすっかり日本の日常に溶け込んでいるにも関わらず、いざ生活の姿となると急にモヤがかかったように想像が難しくなります。
    日本に住む彼らがどこに集い、どんなものを食べ、どのような考えを持ちながら日本で生活しているか、興味深い世界を覗き見させてもらいました。

    成田に鎮座するタイの巨大寺院でお坊さんへのタンブンに勤しむ人々、南三陸で被災者への炊き出しを振る舞う底抜けに明るいフィリピン女性たちなど。
    印象的だったのはイランの女性です。イラン人の女性は著者へ、仕込みに17時間を要する絶品の家庭料理を振る舞います。実はイランの外食店の厨房に女性が入ることが許されていません。それゆえ女性たちの手の込んだ美味しい家庭料理は外で提供されることなく、決して美味しいとは言い難い料理がイラン料理として世界に伝わることに、女性はジレンマを感じているようです。
    食事を共にする同郷の仲間や祖国の食べ物を通して、その国の文化や現状が伝わってきます。そして時折顔を見せる祖国への想いは、様々な事情や背景が垣間見え、胸がきゅっと締め付けられるような切なさを感じる瞬間も。

    食べることはそこで生活を営み、生きること。普段何気なくしている「食べる」という行為の大切さと尊さを改めて実感します。
    「日本って良いよね」――日本へ移り住んだ外国の方に思ってもらえるのはもちろん、自分も自信を持って言えるような国で在り続けてほしいと願って止みません。
    補足ですが、インタビュー相手への敬意が伝わってくる著者の姿勢が終始とても素敵だと思いました。

  • 他国の人と関わる事がとても少なくなりました。世間的にはグローバル化が滅法進んでいますが、僕の生活ではより一層日本人としか接さないのであります。
    そういえば昔はバイト先に外国の方が沢山居たのでいじられたり、一緒にサッカーしたりで結構楽しかったし、友達の奥さんがフィリピン人だったので、友達のフィリピン人たちとみんなで海に行ったりしてとっても楽しかったです。誰も彼も心の垣根が異常に低いのですぐ仲良くなれたのが印象的でした。周囲の人間とと上手くやれなかった頃だったので、とても癒されたのを思い出します。
    食べ物は日本向けにアレンジされた物しか食べたことが無いので、きっと口に合わないんだろうなあと漠然と思っていましたが、この本に出てくる料理が異常に美味しそうで読んでいて唾が湧いてきました。
    途中「移民」という言葉に対する人々の反応が注記として書かれていましたが、国や個人によって反応がまちまちで、ネガティブな意味も内包している言葉なのだろうと思います。当然日本人でも移民という言葉をハッピーな単語として受け止める人はいないでしょうし。
    この本に出てくる人々も色々な事が有ったに違いないのですが、その瞬間瞬間を精一杯生きているなと高野氏の文章からも伝わってきます。色々考え過ぎずチャレンジし、都度都度起こった事に対処していく。いざとなったら仲間やコミュニティー、家族を頼る。健全な人間関係だなと羨望を感じます。
    自分自身、失敗しないように迷惑かけないようにと思って生きています。一回失敗すると失地回復出来ないと実は思っています。こういう事をさらに突き詰めて考え過ぎている人がきっと自殺という道を選んでしまうんだと思います。
    この本に出ている人達のようにしなやかに生きる事が出来たら、もっと世界は広く、明るく、希望に満ちた物に変わっていくのだろうなと感じています。
    ちっぽけな世界で生きている自分も結構好きなんですけどね。

  • 高野ファンなので、単行本を持っていても文庫が出れば買うのだが、今回は解説がグレゴリ青山さんだというので、特に楽しみにしていた。それともう一つ、文庫版あとがきで、高野さんが何を書いているかというのも気になっていたのだ。

    高野さんの文庫はどれも解説が面白い。義理で書かれたようなものは皆無で、どの解説者もすごく楽しそうだ。宮部みゆきさんのなんか絶品(「幻獣ムベンベを追え!」)。今回はグレゴリさんによるマンガ。ツボを押さえた描きぶりで、期待通りに面白い。登場する高野さんもよく似ている。ほんと、グレちゃんが言ってるとおり、この本を読んだ後は、日本で働く外国の人を見かけると「あんじょうやってる?」と気にかかるようになった。

    そして、文庫版あとがきは、やっぱりねえ…という内容で、ちょっと悲しくなってしまった。単行本の「移民の宴」で一番心に残ったのは、あとがきで高野さんが、「この二十年で日本人の外国人に対する意識は健全になった」と書いていたことだった。あれからたった三年なのに…。今の日本は「健全」なんてとても言えない。

    「移民の宴」に登場した方たちのその後を報告した後、高野さんはこう書いている。
    「最後に。この三年間最大の激変は日本社会だということを付け加えねばなるまい」。テレビで新聞で雑誌で、もちろんネットで、「日本人はすばらしい」という礼賛の嵐。同時に、中国や韓国の人たちに対する敵意をむき出しにした罵詈雑言が日常茶飯事になっている。私たちの社会ってこんな幼稚なものだったのかと、つくづく嫌になる。
    「日本は成熟したなんて書いてしまったが、全然まだまだだった」「残念極まりないし、恥ずかしく情けない気持ちでいっぱいになる」とあって、 本当にねえとうなだれてしまう。

    だが、この後が実に高野さんらしい。冷静に考えれば、国内マイノリティを苛めたり、近隣諸国を過剰に憎むのは世界中いたるところで見られる現象だ、と経験に基づいて高野さんは書く。日本が特別すばらしい国ではない以上、こうした愚かで情けない状態は驚くべきことではないのだ。ただ、そのような排他的な言動がなくなることを切に望んでいる。なぜなら、外国の人たちにとって住みやすい国は、明るく気さくで日本人にとっても住みやすいはずだからだ、と。
    「その確信はいまでも微塵も揺らいでいない」と結ばれていて、うんうん、そうだよね!と本を閉じたのだった。

  • 『辺境メシ』と内容が少し似ているのではないか、と思っていたご、こちらはめちゃめちゃ美味しそうで自分で料理を作りたくなった。
    日本でもこの本で紹介されているようなコミュニティやお店があるのにはわくわくした。
    全部の章が印象に残った。

  • 外国人観光客があふれかえる今日この頃。そんな観光客ではなく、日本に移り住んで何年、何十年という外国人に取材、彼らがふだんどんな食事をしているのかが書かれています。食事の話のみならず、彼らが日本に来た経緯、コミュニティの形成、日本の良いとこ悪いとこ。

    タイトルに「移民」という言葉を使った理由、その言葉に強い拒絶反応を示して取材を断られたケースもあるという追記も含め、終始興味深く読みました。

    とにかく辺境を好む高野さんのこと、取材先に選んだ町やコミュニティが面白い。日本の飲食店のまかないは、たいていの場合、店で出される料理と違うという話など、そんなことないでしょ、ちょっと決めつけすぎではと思わなくもないところが若干ありますが、それでも楽しい高野さん。いっぱい読んで飽きてきたかもと思うけど、まだまだ読めそうです。

  • 久しぶりの高野秀行氏。日本に住む外国人たちは日頃なにを食べているのか様々な国の食卓に、自ら入り込んでいく様はとても楽しく、どれも食べてみたいものばかりだ。ひなのに今回はなぜか入り込み切れなかった。その違和感はあとがきで決定的になってしまった。震災以降、色々ないいことも悪いことも目にして、『おもしろい』と思っていたことが、そうでもなかったと気付いたのと似てる。また変わるかもしれないのでその時を待つことにしよう。

  • 自分の国に文化を異にする人が暮らしている風景って、とっても豊かで。
    そして、とっても楽しいことなんだなぁーと思ってしまった一冊(^^ゞ

    一時期、アイリッシュパブによく行ってたことがあるんだけど、それは、客のほとんどが外国の人で。日本人があまりいないその空間に、なんとも言えない開放感があったからだった。
    隣にいる人(外国人)とおしゃべりを始めて。お互いの感覚の違いを笑ったり、逆に意外に同じな感覚に驚いたり。
    そういえば、中国人と京都に遊びに行った時も、やっぱりそんな感じだったし。
    また、自分が海外に行った時は、文化や生活水準が全然違うのに、そこで出会う心象風景が不思議と日本そっくりなことに驚いたりもした。
    ただ、昔、歌舞伎町のタイ料理屋に行って、帰り、その店の裏口から出たら辺りがタイ化していて(^^;
    タイ人(?)の変なにーちゃんが、タイ語(?)で客引き(たぶんw)してきた時はかなりアセった(爆)
    そういえば、最近、新宿や池袋、小岩に「マジ中華店」ていうのが沢山出来ているらしいけど。
    そういうとこに行って、皆目見当がつかないメニューに目を回してみたいw

    日本という国は、そこに住んでいるのが日本人ばかりだからこそ、おかしなことがイッパイある。
    それを指摘出来るのは日本人とは違う見方や考え方を持った外国の人ならではなのだが、でも、今のように移民難民受け入れに後ろ向きな国ではそれをしたくとも出来ない。
    なんでも、日本で難民手続きの結果が出るまで、平均4年。長くて10年かかるらしい。
    しかも、難民認定率は1%以下なんだそうだ(2022年5月現在)
    名古屋入管でスリランカの女性が見殺しにされた件は記憶に新しいが、思い返してみればそんな事件は過去にも何回もあった。
    人がいっぱいで、住宅難だった高度成長期ならともかく。
    人口減少で将来的には経済が立ち行かなくなる可能性がある今の日本で、移民難民受け入れがこんなにも否定的なのは本当に不思議だ。
    「異次元の少子化対策」を悪いとは言わないが(というか、とってもいいことだと思うが)、でも、「少子化対策」だけでは人口減は絶対止められない。
    人口減と止めるために「少子化対策」と「移民政策」は両輪のはずなのだが、政府は「移民」なんて言おうものなら、国民の猛反発、そして、選挙に負けて野党に転落するのを恐れて、絶対移民政策をやろうとしない。
    選挙を有利にするためなら、国民のお金を韓国に送る組織である統一教会をどんどん優遇するのにね。

    移民受け入れというと、日本の文化の保持云々言う人がいる。
    でも、それを言ったら、日本の文化にクリスマスもなければ、バレンタインディもハロウィーンもない(^^;
    国民食と言われるラーメンは、元は中国の食べ物だし。カレーはインド、ハンバーガーはアメリカだ。
    基幹産業である自動車はアメリカで生まれたものだ。
    ていうか、日本人自体、大陸の南から北から流入してきた人たちの雑種だ。
    血統書付きの日本人なんてもんはいないのだ(^^ゞ

    今なら、まだ日本に憧れてくれる外国の人はいる。
    と言っても、今はもはや日本よりは台湾で働く方がいいと思う人の方が多いらしい。
    また、賃金でも日本と韓国はほぼ同水準(確か去年逆転)になっているらしいし。
    さらには、今は例の技能実習生制度が引き起こした様々な事件で、日本で働くのは嫌だという海外の人も増えているらしい。

    人口が少なくとも、シンガポール等のように豊かで発展している国はいくらでもあるという人はいる。
    でも、日本はシンガポールのような産業構造ではないし。
    そもそも、シンガポールのような国は海外から人を受け入れている。
    日本は早く移民難民受け入れの門戸を開かないと、どんどん人が少なくなっていって。
    西から、北から、あるいは東からだって、外国に領土を侵食されてしまうだろう。

    難民を積極的に受け入れたドイツのメルケル(元)首相を、旧東ドイツでベルリンの壁崩壊のきっかけとなる運動を始めたカトリン・ハッテンハウアーは、「“自由な人々による開かれた国”。そのことが私たちの挑戦であり責任なのだ」と応援したらしいが。
    今の日本の豊かな暮らしを守り、さらに発展させるためにも、我々日本人も移民難民受け入れに挑戦しなきゃダメだと思う(^^)/
    確かに、文化や風習の違う人たちと一緒に住むのは、いろいろ大変なことがあるだろう。
    でも、それ以上にイッパイ楽しいことがある。
    それは、この本を読めばわかる。

全54件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

高野秀行の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エラ・フランシス...
宮下奈都
又吉 直樹
ヴィクトール・E...
中村 文則
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×