神宮の奇跡 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931670

作品紹介・あらすじ

奇跡といわれた日本の戦後復興と高度成長。その理由は「昭和33年」に凝縮されていた。この年ただ一度の東都大学野球リーグ一部優勝を遂げた、学習院大学硬式野球部。戦禍で家族を失い、恵まれぬ境遇の選手たちを支えたのは、創意工夫と不屈の魂だった。そして大学野球の奇跡を観客席で見届けた皇太子殿下にも、ひとつの奇跡が起きていた。昭和の時代を描き切ったノンフィクション作家、門田隆将の〈野球三部作〉ここに完結!

感想・レビュー・書評

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  • 小説より奇なり、という人生がいくつも出てきます。それが、学習院大学野球部の初優勝の場面に行き着きます。初優勝の場面の後も、後年の話が続きます。この後年の話が、この本でとても大事だと思いました。

  • 昭和45年生まれの私にとって昭和33年と言われてもあまりピンと来なかったのですが、昭和という時代を振り返ると非常に意義深い年であった事が本書から分かります。
    東都リーグで現在に至るまでたった一度の優勝を学習院大野球部が達成し、その直後に皇太子殿下のご婚約発表がこの年でした。
    高校時代に甲子園出場経験などない選手が死闘を制して優勝するプロセスに皇太子殿下とその侍従であった方が深く関与していたという事実はこの本を読むまで全く知りませんでした。
    しかも、そのチームのエースピッチャーであった井元氏は戦時中に朝鮮からの帰還途中にソ連兵による略奪や暴力を生き抜いたという経験をされた方でした。その井元氏が実はPL学園1期生であり、のちに高校野球に強豪として君臨する同校の礎を築く人脈を全国に根付かせた人物であるなど、野球を通して実に奥深い様々な物語を1冊の本に凝縮したノンフィクションです。

  • 奇跡といわれた日本の復興と高度成長。その理由は「昭和33年」に凝縮されていた。この年ただ一度の東都リーグ優勝を遂げた学習院大学。戦禍で家族を失い、恵まれぬ境遇の選手たちを支えたのは創意工夫と不屈の魂だった。そして大学野球の奇跡を観客席で見届けた皇太子殿下にも、ひとつの奇跡が起きていた。

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著者プロフィール

作家、ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。『週刊新潮』編集部記者、デスク、次長、副部長を経て2008年独立。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『日本、遥かなり─エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言』(講談社文庫)、『汝、ふたつの故国に殉ず』(KADOKAWA)、『疫病2020』『新聞という病』(ともに産経新聞出版)、『新・階級闘争論』(ワック)など。

「2022年 『“安倍後”を襲う日本という病 マスコミと警察の劣化、極まれり!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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