天国までの百マイル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.87
  • (63)
  • (106)
  • (65)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 1090
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931656

作品紹介・あらすじ

事業に失敗し最愛の妻子とも別れたダメ中年の城所安男。極貧の中で育ててくれた母の命を救うため天才心臓外科医のいる病院へひた走る

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 浅田次郎もハズレの少ない作家。特にこの小説が一番印象深い。おそらく多くの人は蒼穹の昴や鉄道員にいくのだろうが、この小説を読む少し前に母親が他界したため、この小説には思い入れが深い。
    大切な事は何か?見栄や外聞に囚われず、やれる時にやらなければいけない。反省。

    • yhyby940さん
      初めてコメントいたします。いいね、ありがとうございます。私も浅田次郎さんの作品の中では一番印象深いです。映像がされたものも見ました。時任三郎...
      初めてコメントいたします。いいね、ありがとうございます。私も浅田次郎さんの作品の中では一番印象深いです。映像がされたものも見ました。時任三郎さん主演、お母さんは八千草薫さん。柄本明さんも出られてました。映画もなかなか良かったですよ。
      2021/07/31
    • kakaneさん
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。
      映画は観たことなかったので今度観てみたいと思います。ありがとうございました。
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。
      映画は観たことなかったので今度観てみたいと思います。ありがとうございました。
      2021/07/31
    • yhyby940さん
      お気に召せば、いいんですが。ご返信ありがとうございます。
      お気に召せば、いいんですが。ご返信ありがとうございます。
      2021/07/31
  • そういえば、浅田次郎氏のを読むのは10年ぶり。
    かなり脚色されているが、モデルとなったのは亀田総合病院らしい。主人公安男を取り巻く人々、おかあちゃん、英子さん、マリさん、中西社長、片山さんの優しいこと。藤本医師、ドクターソガの尊いこと。ホントにやっちゃんを愛していたマリさんの行動。
    タイトルからは100マイル先の天国についたら終わりかと思ったら、ついてからがおかあちゃん、英子さん、マリさんの愛情が描かれた。

  • バブル崩壊で会社も金も失い,妻子とも別れたろくでなしの中年男が,母の命を守るための奮闘記。
    風船のようなデブ女マリが魅力的だった。下品なモーツァルトに神が宿り天上の音楽を奏でたように,人間くさいマリは献身的に別れを選ぶ。
    「愛されることは幸せじゃないけど,愛することって幸せだよ。」
    この言葉は深い。
    この小説のBGMともいえるピーター・ポール&マリーの「五百マイルも離れて」がずっと頭の中で鳴っていた。

  • 何回か読み直しても、その都度感涙だろう。悔しいけれど憎たらしい浅田節

  • 感動というよりも、マキさんという登場人物の人の良さにはまった。主人公の保男を含め、その後の話が気になる。心臓は、1分間に約5リットルの血液を循環させる。改めて、これの凄さに驚いた。

  • 医療の道に進む方にぜひおすすめの一冊
    人が本当にやりたい、やらねばならないことはその人がどんな境遇にあったとしても挑戦する運命を背負っているのだと感じた。
    家族の命、自分の命はどんな関係か
    自分の人生をどのように生きているのだろうか

  • バブル崩壊で仕事も家族も失った40歳の主人公。
    愛する母親の命を救うため
    神の手を持つ医師の元へ100マイルを走りぬく

    まわりの人間の暖かさと、主人公のひたすらの思いに
    まんまと泣きました(笑)

    マリが尊すぎる・・・

  • 久々の浅田作品。
    ただただやられました。考えさせながら感動するという忙しい心境に追いやられながら、読み終えた時に終わってしまったと寂しくなってしまいました。

    一度は成功するもどん底に落ちた主人公が、心臓が弱い母親を百マイル先の病院まで運ぶ道中、色々な形の愛に触れながら、再生への足がかりを見つけていく物語。

    しかし本当に色々な愛に出会いました。
    というよりも、愛の定義を投げかけられている気がして、自分を振り返りながら自分が愛だと思っていたものの浅はかさに恥ずかしくなる始末。

    とりわけマリの愛には衝撃を受け、その愛を作り上げたあまりにも悲しい過去が皮肉すぎてすごく悲しくなる。
    愛する(した)人の幸せが自分の幸せ。
    それを本当に自分の人生を二の次にしてまで表せられる人が果たして今の世の中にどれだけいるのだろうか。
    少しでもそういうことができるよう努力することが精一杯かと。

    でもできることからする。それが大事な気がします。

    とにかく色々な角度から感銘を受けました。
    文句なし。星五つ。

  • いちいち刺さる言葉が多い。

    本当の貧乏を味わった人はお金で幸福を買えると思っている。

    深い。本当に深い。
    高度成長期の親世代は本気でそう思っている。

    人間の汚い姿と、お金では買えない愛情。

    きっと表面だけでは見えない人の深層部はまさにこんなもの。

    私も見返りなく無償の愛を注げる人になりたい。

    そう思わせる作品。

    最後はとにかくまとめた感。
    いい感じで終わったけど、少し不満は残る。

    そして、あとがきの先生の言葉も最高で、全部持っていった感があった。

  • 「心臓病を患う母親の命を救うため…」という煽り文と、作者は浅田次郎の時点で、泣くのは必至!
    という予想を裏切ることなく涙腺が刺激されました。特に後半は、登場人物たちの「聖さ」が清々しい涙を誘うことになります。
    ですが、よくある“お涙頂戴“の構図ではなく、「豊かであり幸福であった自分は、いささかの迷いもなく母の命を見限ったはずだ」「幸福はお金で買える」という、人間のダークな本質にもしっかり触れていることに、本作の濃密さを実感しました。よくある「絶対泣ける!」系の、表面的なものではありません。
    個人的にはマリの清貧さが神々しすぎました…!

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

浅田次郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×