- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062931083
作品紹介・あらすじ
ふと立ち寄った本屋で手にした画集。描かれた女性に、わたしは大好きな祖母の姿を見た。団地で出会った初恋の少年。こしゃくで大好きなおとうと。いつも祖母の家にいたマーニー……。写真家の鋭い目と丁寧な筆致が、鮮やかな過去の情景をよみがえらせる。誰もの感情をゆさぶる第26回講談社エッセイ賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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解説の角田光代さん言う『最大公約数的な光景』が濃密で、懐かしさや切なさに浸り一気に読んでしまった。ごく身近な人たちの様子を細部まで描写するのは写真家ならでは。
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ガーリィーフォトムーブメントに抵抗する。というか、女の子写真として括られることに対して異議を唱える長島さんの、正論に心動かされて、この人をもっと知りたいと思っていた。そんな中、出会った本書は、長島さんの写真を見る前に、長島さんのことがとても好きになってしまう一冊でした。
解説にて、角田さんが書かれているように、長島さんの共感させる文章力には圧巻される。解説を読むまで、普遍的な内容を書いているから共感していると勘違いしていたが、共感してしまうほどの、五感を揺さぶる描写力によって共感させられていたのだ。
それは、まるで写真を見ているかのように状況を切り取っていて、写真展に行く際は、こんな長島さんの言葉たちを思い出して楽しもうと思った。
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前から読みたいと思っていて偶然古本屋さんで見つけた。あらすじに、アンドリューワイエスの文字を見つけてすぐ手に取る。
写真を撮るひとの文章なので、すこし前に読んだ「かなわない」を思い出した。すごくすてきで、正直というか素直なので、面白く、でも読むのに体力をつかう。このひとの見えているものが、文章で描かれていて、それが見えるので感動した。記憶喪失気味ながら、子どもの頃のことをすこし思い出した。 -
年代は違うのに過ごして来た情景が思い浮かぶ。
そんなに人は違わないと言うことなのか。 -
ふと訪れた古書店で見つけたアンドリュー・ワイエスの画集。わたしの頭に浮かんだのは、タバコをふかす祖母のやわらかな背中だった。写真家の穏やかな目線がすくいとる過去は、なぜか今を生きる私たちの心を震わせる。いくつもの家族と子どもの風景を、丁寧な筆致で描く傑作。
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リリース:佳奈子さん
テーマ:本棚の奥に隠したい本。 -
講談社エッセイ賞受賞作ですが、これはもう短篇小説集ですね。著者は写真が本職なので、いかにも写真表現を思わせる描写もあって、ゆっくり玩味したい本です。
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https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1450696