勇敢な日本経済論 (講談社現代新書)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884235

作品紹介・あらすじ

面白くて簡単に日本経済再生の論点がつかめて、読んだその日から政治経済ニュースの見え方が一変する、「ザ・対談」が実現しました! 財務省から地方自治体まで役人のどこが問題か、マスコミ報道にはどんなバイアスがかかっているのかが明らかになります。

本当に消費税を上げないと財政破たんしてしまうのか? なぜ多くの地方再生が苦戦しているのか? 規制緩和はなぜ進まないのか? そもそも円高がいいのか円安がいいのか? 少子高齢化は本当に悪いことばかりなのか?
アベノミクスは失敗なのか、そうでないのか? そしてトランプ大統領のアメリカとどう付き合えばよいのか?

日本経済の底力を知り、役人の限界を知る二人が、時に真っ向対決、時に知恵を出し合い、近未来を大胆かつ華麗に予測しました。

ぐっちーさんは、トランプ大統領の窮地を救った過去があり、高橋センセイは安倍首相の絶頂とどん底時代に付き合っており、日米トップをよく知っています。経済知識と具体的提案と話芸の共演、必読です!

感想・レビュー・書評

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  • 【読書メモ】
    元大蔵官僚の高橋洋一と投資銀行家のぐっちーさんの対談本
    どっちも言いたいことをズバズバいう論者で期待通りの内容でした

    トランプ大統領との関係や、財政再建、アベノミクス、規制緩和、郵政民営化などの国内の経済や行政に関することなどを、正直にぶちまけていて面白かった
    結局のところ、官僚が騒いでいるけど実はそんなに影響がないという話

    【参考になった点】
    ・なぜ、こんな経験もキャリアも違う二人が同じような結論にたどりつくのか?恐らくそれが真実だからなのです。ファクトなのです。山は一つ。ただ上るルートが違うだけではないか、ということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
    ・ビッグマック指数って、意外と実感に近いんで便利なんですよ。あの程度のザッリさクで、適正かどうか判断すればいいんじゃないかな。外国のビッグマックを円換算してやたら高いなあと感じるときは、円安に進みすぎてるんだと考えればいい。それ以上には、厳密に答えようがない。
    ・少なくともテレビや新聞で発言してるやつは、自分のポジションを言うべきだよ。そうしたら、いかに彼らが自分の利益しか考えてないか、いかにいい加減な見通しをしゃべっているか、一発でバレるよ。
    ・金融緩和は何のためかというと、失業率を下げるためなの。金融緩和をすれば雇用は改善する。まず、物価と失業率には高い逆相関がある、これはフィリップス曲線として有名。
    ・普通の企業で考えたら、会社が潰れるほど危機的な状況なら、まずは関係子会社を整理しますよね。本当の危機ならリストラを考えるはず。でしょう?借金と資産の両方を減らし、財務をスリム化していくのが世間の常識だよ。それだけで財務体質が強化される。ところが、それは絶対にやろうとしない。
    ・蓮舫代表・野田幹事長という民進党のトップは、ある意味、もっとも強力な安倍サポーターなんだよ。だから、安倍さんだって、蓮舫さんの二重国籍問題を追及しなかったでしょう。生き残っていてほしいんだ。
    ・民主党はずっと天下りの廃止を主張してたんですよね。ところが、政権につくや、こういう(天下り)人事をやっちゃう。
    ・人口なんて、減っても誰も困らない。気にしてるのは地方の役場のやつだけだよ。よく「地方消滅」なんて言葉が使われるけど、消滅するのは地方自治体なんだよ。自治体が消滅したって困らないよ。隣の自治体と合併すればいいだけの話じゃん。困るのはポストが減る役所のやつだけだよ。
    ・勤務形態を変化させるだけで地方はかなり活性化するはずなんです。大切なのは国からの補助じゃなくて、頭の使い方だと思う。ビジネスペースで考えても、地方を盛り上げていくことは十分に可能だと僕は確信してるんです。
    ・(年金が月30万円ないと足りないと言うなら足りない分を働くか)あるいは、月30万円もらえるだけの保険料を、現役時代に払っておくかだよね。払ってもいないのに分配だけしろという考え方に問題があるわけ。ねんきん特別便は、みんなが過大な期待をするから作ったんだよ。「あなたが支払った保険料はこれです。だから、老後にもらえる年金はこれです。足りないと思うんであれば、差額を稼ぐ工夫をしてくださいよ」と。
    ・個人でも勝負できる時代だということです。僕が腹立つのは、自分がうまくいかない理由を人口減少のせいにするやつがいること。「じゃあ、マスの時代なら成功していたのかよ?」と。
    ・朝2時間だけ畑に行けば、あとの時間は自由にできます。もちろん、プロの農家として高品質な作物を大量に出荷しようと思ったら、大変だと思いますよ。だけど、自分や家族が食べるぶんだけ作るなら、ホントに楽です。
    ・私は、理系出身なので、経済を数量的に理解しようとする。ただし、日本の経済分野では、意見が正しいかどうかを議論で決めようとする傾向が強い。(中略)私が、意見の違いを議論しても意味がないと思うのは、自然科学では議論で決するのではなく、予想結果の正しさで決することが多いからだ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689723

  • 高橋 洋一先生著

  • アメリカでゴルフといえばセルフが多い。したがって密談にもってこいだからトランプとゴルフをすることは外交上大事な事である。
    なぜ公務員は一緒に住むのか。何かあったら全滅する。
    日銀の総裁は自分が決めるけど、あとはその人に任せればいいんだな。政治家は人事をやって、目標を与えるまででいいんだ。(安倍首相と黒田総裁)
    日本の農家の78%は年商300万未満。つまりは兼業農家だ。

  • トランプ政権の話や金融緩和など、昨今の日本経済に大きな影響を与えているトピックについて対話形式で収録された本。

    出演者の一人のグッチーさんは公共リノベの実例の中でも有名な岩手県のオガールプロジェクトの推進者。

    トランプ大統領や財務省の裏話など聞けたのは面白かった。が、何しろ対話形式なのでどうしても根拠が整理されず、うさん臭い印象を受けてしまったのも事実。

    とりあえず二人ともリフレ論者で、功利主義であるという子は分かった。
    「金融政策の目的は雇用改善にある」というところと「どん底を味わったことがあるものは強い」ということが印象に残った。

  • 内容の良し悪しや正しさがわかるほど、経済のことがわかっていないが、視野を広げてくれた。ニュースをそのまま受けとめがちな方におすすめ。

  • 国内の出来事で理解できないときは高橋先生のtwitterを見ています

  • 2018/02/21:読了。
     読んでいて、気持ちが悪くなった。
     なんでだろう。

  • 経済学者で政界とも繋がりの深い高橋洋一氏と金融に精通するぐっちーさんの2人が今の世の中で起きていることについての対談をまとめた一冊。

    政治・経済の第一線で活躍されていたお二人だからこそ語れる経験や本質的な考えを本書で知ることができ、非常に勉強になりました。
    またおふたりの深い知識からくる理論には舌を巻く場面がたくさんありました。
    また、世の中で言われているトランプ氏の印象や増税についての内容が誤解であることもお二人の指摘から知り衝撃を受けました。

    郵政民営化やアベノミクスなど高橋氏が関わりの深い政策やぐっちーさんの関わっている地方創生などは経験から肌で感じたことが語られているのでストレートに伝わってきました。
    また、財政政策や金融政策の意義などをデータに基づいて解説されており、内容がすごく腑に落ちました。
    特に特区の話は印象に残りました。

    本書は当事者であるからこそ知っている知識が満載で、世の中で語られていることの本質を見抜くための材料を提供してくれる自己防衛の一助として有用な一冊だと感じました。

  • 第1章「トランプはバカじゃないからこう付添え」
    第2章「円安が国益か、円高が国益か」
    第3章「財政再建はもう終わっている」
    第4章「アベニューミクスをどう評価するか」
    第5章「規制緩和はなぜ進まないか」
    第6章「地方活性化に何が必要か」
    第7章「少子高齢化はチャンスだ」

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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