明日、機械がヒトになる ルポ最新科学 (講談社現代新書)

  • 講談社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883689

作品紹介・あらすじ

テクノロジーはぼくたちの想像力を超えはじめている――AI(人工知能)、ヒューマノイド、3Dプリンタ、センサーテクノロジーなど、現在進化しているテクノロジーには、「人間」や「知性」の意味を変えてしまうほどの可能性が秘められています。
機械はどこまで人間の領域に進出するのか、ときには人間を凌駕していくのか。
小説家・海猫沢めろんが最先端の研究を行う7人の科学者を訪ね、「人間化する機械」と「機械化する人間」、その両方がぶつかり合う境界を見つめ、「人間」について考えます。
cakesで連載された科学ルポを書籍化。「人間」の定義が揺らぐ今、知っておきたい科学の最前線が1冊で分かります。

感想・レビュー・書評

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  • これまでは、言葉を交わし、意志や心を持ち、生殖活動によって増え、芸術をつくり出す、そうしたことが人間であるとされてきましたが、それらすべてのことが機械にもできるとしたら?

     科学技術の発達で、VRならぬSR(Substitutional Reality 代替現実)や、3Dプリンター、AIが身近になってきている。
     ヒトとの違いって?を探るルポタージュ。2015年ごろに取材された話だけど、今、まだ身近に感じていない、最先端の技術もある。
     シンギュラリティとは、人工知能(AI)が人間の知能を超える特異点のことを示す言葉だという。そういう言葉があるってことは、その特異点を超えてるか、超えるのが近いということだよね?
     ヒトと機械の差異を探せば探すほど、ヒトの本質、真理、哲学的な話になっていくのがおもしろい。
     機械とは?ヒトとは?じゃあ、ワタシとは?自分の手や顔を見ても、機械じゃないっていいきれるのだろうか?
     私は、実は自分が見えてる世界って、VRみたいな“作られた世界”で、本当のワタシは、安楽椅子に座ってるだけで、ココに立っている“感覚を感じている”だけなのかなあ?と想像する時がある。ワクワクする。みんな、自分の“世界”だけを主人公として見ている。だから、私と相対している「相手」は、相手の世界の主人公。ワタシは相手の世界の「通行人A」ぐらいなんじゃない?と。
     わかってるつもりでいる、私の頭の中の「脳」。すごい可能性を秘めてるんじゃないか?
     いろんな考え方、見方をして、ヒトを「幸せ」に近づける。科学ってワクワクするなー!



  • テクノロジーをどうとらえるか、どう向き合うのか、というのは哲学・宗教の世界に近いのでは、と考えていたが、まさにそういうことがこの本には書いてある。

    もうすこし図解や写真があると、わかりやすい。また、行間が詰まっていて読みづらいのが残念。

  • 最高に面白かった。自由意志は存在しないって話は闇の読書会の記事でもチラッと読んでいたけど、この本を読んで腑に落ちた。こういう認識を持つことができれば全人類は幸せになれる可能性もあるんだなと希望が持てる内容だった。

  • 2021-02-13
    なかなか広い範囲に取材してて面白い。
    端々にちゃんと著者の考え(取材を受けて変化していく)が挟み込まれているのが、よい。

  • 各章の対談相手の著書を読んだことがあるということもあるのだろうけど、読んでいて安心感があった。

    人間と機械のかかわりを中心に「これから機械とどのようにかかわっていくのか」とか、そもそもなぜ機械とかかわる必要があるのか、というあたりが読み取りやすい。ただ読み終わってみると機械論というよりも唯物論の方が近い気もしてきた。

    最終章で「人間と機械の境界はすでに消え」ているとしているのだけど、そのあとに「だから次は機械に幸せになってもらおう」となっていて、どうつなげて捉えればよいのか理解できない。ちょっと難しい。

    読み終わってなぜか「形而上学って人間らしさなのかも」とへんなところで納得してしまった。

  • 「今、この世界では、人間(生物)が機械化し、機械が人間(生物)化しているのではないか?」という疑問から、著者が各専門家に取材した対談形式の本書。

    面白かった。

    SR、3Dプリンタ、アンドロイド、AI、ビッグデータ、BMI、幸福学…やっぱそれぞれの専門家は専門家らしく、変わった人が多く面白かった。マツコアンドロイドで有名な石黒さんとかもでてきてます。

  • 501-U
    閲覧新書

  • pha著『人生の土台となる読書』で紹介されていた本。
    「人間と機械の境界はどこにあるのか」をテーマに、7人の研究者を訪ねたルポ。
    人間の機械化、機械の人間化を追っていったら、幸福学にたどり着いてしまうのが興味深い。
    最先端の科学と宗教は実は同じところを見ているかも。

    専門的な話ではありますが、海猫沢さんの聞き方や地の文がとてもわかりやすい。文系の私でも楽しく読めました。

  • 請求記号 504/U 74

  • 日本屈指のサイエンティストたちに取材し、機械と人の交差点について考えたルポ。さらっと読めて、それでいて比較的先端の技術内容についてわかる。

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著者プロフィール

海猫沢めろん(うみねこざわ・めろん)
文筆業。『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。『キッズファイヤー・ドットコム』で第59回熊日文学賞受賞。
ボードゲーム、カードゲームなどのアナログゲームを製作する「株式会社RAMCLEAR」創業者。

「2019年 『BL古典セレクション② 古事記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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