- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062882927
作品紹介・あらすじ
「認知症」はいまや中学生でも知っている言葉だが、実はその歴史はきわめて浅い。認知症という言葉が使われるようになったのは2004年。それまでに使われていた「痴呆」という言葉が差別的であるという理由から、厚生労働省は痴呆を認知症と言い替える決定した。しかし新たに定義された「認知症」はさまざまな意味で問題をはらんでいる。
漠然と「脳の病気である」という知識は普及しつつあるものの、医学的な定義が曖昧で、診断基準もきわめて曖昧で、治療法も確立していない。ひとくちに認知症といっても、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあり、その症状や治療法も大きく異なる。しかしながら、診断する医者側に認知症の知識が決定的に不足しており、誤った治療法により、症状を悪化させるケースが後を絶たない。とりわけ問題が多いのが精神科医で、病気扱いされる必要のないお年寄りまでが向精神薬などを使った過剰な薬物治療を受け、寝たきりや廃人同様になる悲劇がいたるところでおきている。
こうした被害に合わないためには、患者を介護する家族が認知症に対する正しい知識を持ち、診断能力のある医者を選択しなければならない。また、薬を使わずに落ち着かせてくれる介護現場を探し、プロの適切なケアを受けなければならない。しかしそれは、一般の読者にとって至難の業といえる。
そこで著者は、不幸にも無知な医者から塗炭の苦しみを舐めさせられた認知症の家族を幾人も取材し、陥りやすい医療過誤と、そこから逃れるにはどうすればいいかという貴重な証言を得た。また、認知症の薬害問題と闘う医療の専門家、介護の専門家の意見と実践も併せて紹介した。
本書は、誤った認知症医療に対する警告の書であると同時に、正しく認知症と向き合う途を示す希望の書である。
感想・レビュー・書評
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イマイチだった
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認知症に関心のある人もない人も
とにかく一読してみてほしい良書。
いまこの国で厚労省のお墨付きで行われている
認知症の「標準治療」は
認知症の本人や介護家族のほうを向いていない危ういものだ。
(薬害、といってもいいと思う)
わたしたちは政府や製薬会社の広報によって
「認知症は早期発見・早期診断・早期治療が大切」
とすりこまれているけれど
実際に大切なのは「早期発見・早期情報収集」だろうと思う。
悲しいかな「標準治療」がめちゃくちゃなのが現実だから
介護家族は情報収集して自衛するほかない。
認知症介護ブログで有名なスーパー介護家族さんたちや
家族会への取材も充実していて読み応えがある。 -
「そもそも認知症は脳の病気なのか?」という問いかけと鑑別について。
多くの医師に認知症を見立てる能力が全く無いという状況と、間違った診断による「治療」の恐ろしさがよくわかった。
本書で紹介されているメソッドでは、行動・心理症状はすべて生活環境の影響であり、生活を改善することで症状の軽減を目指す。その環境には薬物も含まれ、薬物に頼ってしまう現場とその「結果」についての記述は生々しくてかなり怖い。 -
認知症患者を身内に持つ人のための本という印象。
私には全く役に立たなかった。
途中で読むのをやめました。 -
認知症という言葉が使われ始めて10 年が経過したがこの認知症は定義、診断方法、治療法が極めて曖昧であり、その投薬を含む対処法により症状を悪化させ廃人同様になる、死期を早めるということもあると指摘する。本書の紹介する方法論の正しさを判断する基準を持っていないので更なる勉強が必要ではあるが、高齢化する社会において必読の書。
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米精神科基準で判断するようになり認知症の患者が増えた。ひとくくりに認知症として、結果としての行動・心理症状に対して、精神系の強い薬を出している。認知症は脳の器質的な変化と必ずしも対応していない。
高齢化とともに認知症患者が増えて大問題、と思っていましたが、そのように誘導するキャンペーンが張られていたとは。医薬業界の今後の稼ぎ頭ではあるのだろうけれど。 -
認知症について、勉強しよう。
深く学ばねば、
たくさん本を読まねば、
真実を見なくては、
と思わされる。
2016.10 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:493.75||H
資料ID:95150192 -
認知症について、現在の日本で起こっている事実がここにある。