- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062882286
作品紹介・あらすじ
名作は「愛(アムール)の教育装置」だった! 結婚の理想と現実、禁断の愛、欲望と快楽……あらゆる「愛」でフランス文学史を辿る。
感想・レビュー・書評
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なにかのTV番組で、寺島しのぶさんがパートナーのことを「アムールの国の人」と表現していたのをふと思い出して読んでみた。
「愛」という言葉は難しい。日本では仏教や儒教の影響が強い文化である。仏教では強い執着と欲望の充足を示す言葉でもあるらしい。悟りを得るために乗り越えなければならない苦しみの一つとしても語られているようだ。儒教では「仁」もまた愛と説く。いずれにしても厳しい言葉だと感じる。
まったく異なる背景、キリスト教や元々のフランスという土地ではぐくまれた「愛」はどのようなものなのか。
その言葉の変遷を文学や当時の人の書簡から解き明かしている。
以前読んで全く分からなかったので放り出していた『ガルガンチュア』と『パンタグリュエル』の解説が「親子の愛」の項であり、「そうなのか!」とすごく納得した。正直この本を読むまで何で名作古典なのかが理解できていなかった。
ちなみに読んでもアムールについてはまだ霧の中といった塩梅で良くわからなかった。
まあ、仕方ないね。 -
すごーく面白かった。高校の時にフランス文学ばかり読んでいた時期があったのを思い出した。大好きな小説、今では筋がうろ覚えな小説、とにかくいろんな小説でいろんな恋愛が描かれていてそれぞれ楽しい読書だったけど、この本はいろんな作家のいろんな本を恋愛・結婚・親子愛など「愛」を軸に、時代の思想や、相互の関係や時代背景などを鮮やかに結びつけて整理してくれて、それがとっても面白い。紹介されてる作品の楽しさも垣間見せてくれる。さすが野崎歓先生。。
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フランス文学は殆ど読んだことがなかったので,驚きだった。変な国であることを再認識。
新着棚にあったので借りてみた。 -
フランス文学を「アムール」を切り口として、男女、親子の間の「愛」、現代の「愛」という視点で読み解いていくもの。大変面白い本でした。
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「愛」をキーワードにフランス文学の流れを読み解くということですが、ごくごく普通にフランス文学史として読めますし、野崎さんの解説がわかりやすいので、紹介されている作品一つ一つがどれも読みたくなります。
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難しそうなタイトルとは裏腹に、フランス文学の有名な作品の作品名と作者名をある程度知っていれば十分楽しめる、フランス文学入門書的な内容だと感じました。
各作品のあらすじもザッと説明されるので読んでいてストレスは感じないし、「作品名は知ってるけどコレってこういう作品だったんだ」ってのを総ざらいできる点では良い本だと思いました。また各章が時代順にもなっているので軽いフランス文学史の入門としてもオススメ。
そうい...
そういえば、パリとフランスは違うなんて言ったりもするわけですけど、パリは相性のいい人と悪い人が極端にわかれますよね。
「あんな腹立つ国はない!」と、10年以上前の思い出をプリプリ怒りながら語ったりする人がいる反面、おフランスオバサンみたいな人もいる(^^ゞ
実は自分は相性のいい方みたいで、トランジットで数回、長くて一晩滞在しただけなんですけど、不思議と親切にされたり、愉快な応対を受けることが多い気がします。
それはやっぱり、花の都パリという場所に住む人だからこその「(訪れる人への)愛」だったりするんですかね?w