十一月の扉 (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062852166

作品紹介・あらすじ

二か月だけ「十一月荘」で下宿生活をすることになった中学二年生の爽子(そうこ)は、個性的な大人たちや妹のようなるみちゃんとの日々、そして、「十一月荘」で出会った耿介(こうすけ)への淡い恋心を物語にかえて、お気に入りのノートに書きはじめる。
「迷うことがあっても、十一月なら前に進むの。」閑(のどか)さんの言葉に勇気づけられ、爽子は少しずつ、考えるのをさけていた転校後の生活にも、もっと先の未来にも、希望を感じられるようになってゆく。

産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞作。

*小学上級・中学から
*『十一月の扉』は、1999年9月にリブリオ出版から刊行されました。

感想・レビュー・書評

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  • 「二か月だけ「十一月荘」で下宿生活をすることになった中学二年生の爽子(そうこ)は、個性的な大人たちや妹のようなるみちゃんとの日々、そして、「十一月荘」で出会った耿介(こうすけ)への淡い恋心を物語にかえて、お気に入りのノートに書きはじめる。
    「迷うことがあっても、十一月なら前に進むの。」閑(のどか)さんの言葉に勇気づけられ、爽子は少しずつ、考えるのをさけていた転校後の生活にも、もっと先の未来にも、希望を感じられるようになってゆく。

    産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞作。

    *小学上級・中学から」

  • 中学生の女の子が一ヶ月だけ十一月荘に下宿する。家族と離れて他人と暮らしながら自分を見つめ直していくお話。爽子ちゃんが書いたお話も間に挟んであるので一緒にそっちの世界も楽しめる。魅力的な場所に魅力的な人ばかりでこんなとこ見つけたら私だって住みたい。木皿泉さんの「すいか」を思い出させる。自分が変わると周りも変わるんだな。おもしろかった。

  • 本編の感想は単行本(リブリオ出版)にあります。単行本および新潮文庫の違いについて。単行本を読み是非とも手元に欲しい!と思い調べてみました。のちに復刊された福音館書店の単行本はリブリオ出版と全く同じではないようなので、新潮文庫および本書を手に取ってみました。文庫は解説付きですが内容が好みではなかったので却下。本書はレーベルのため総ルビで少々読みづらいものの変わった名前の人物多数なので悪くはない。そして何より高楼さんの姉・千葉史子さんの描き下ろし挿絵と、高楼さんの後書きがあります。ということで本書を購入予定。

  • パンケーキ食べたくなるね…

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「命・生き方」で紹介された本。

  • ひょんなことで「十一月荘」で2ヶ月を過ごすことになった女子中学生の物語。出来事のメインは、主人公を取り巻く大人や子どもたちとの交流がひとつ、もう一つは主人公が書く「ドードー森の物語」と現実の出来事がシンクロして生まれるあれこれ。
    年頃の女の子が新しい環境に放り込まれて、そこで成長してゆく物語というのはさほど目新しくないが、主人公が紡ぎ出す物語と日常の出来事をこれほどまでにしっかりとシンクロさせて成功した作品はあまり例がないのではないか。
    主人公の心のゆれが「物書きあるある」すぎて、身につまされたのだが、後書きを読むと、中学生のころから物語づくりに勤しんだ作者の体験がかなり入り交じっているようで、とても納得。
    日常の出来事を丁寧に拾い上げて描き出されてゆく物語で、しかも幸せ感が半端なく、同時にこの幸せな日々が限定されていることで(十一月荘での生活は2ヶ月のみ)切なさを誘う。

  • 親の転勤がきっかけで、二ヶ月だけ【十一月荘】に下宿することになった爽子、中学二年生。
    個性的な住人たちとの日々と、そして素敵な雑貨屋さんで気に入って買ったノートに綴る物語が、偶然にもリンクする。

    中学二年生なのに一人暮らし、しかも可愛い外観のお家。
    綺麗な装丁のノートに、紅茶を飲みながら書き始める動物たちの物語。
    たまに冒険して、喫茶店で書いてみたりもする。

    私が同じ年齢くらいのときに憧れていた世界が広がっていて、なんだか懐かしい。

    物語を考えて、お気に入りのノートに記していくのが楽しかった。
    そんな経験がある人なら、きっとこの物語も好きになると思う。

  • 秋らしいタイトルから購入しました。
    中学生向けらしいですが、大人が読んでも十分楽しめる本だと思います。

  • 高楼さんの、中学生くらいの年頃を描いたお話とても好き。
    あっ、これは自分好みの本だなっていうの1ページ目からあったけど、文房具屋さんが出てきた時に決定的になった!
    作中作は子どもっぽいのでやや退屈なんだけど、現実とうまくリンクして、収束の仕方もよい。
    わたしも十一月荘に住みたくなっちゃった!
    十一月に再読するとまた愉しいかもしれない。
    読んでて自省させられる部分も多々あるので、あまり落ち込んでない時に読み返したい。
    緑の模様画、時計坂の家もそうだったけど、主人公にとても共感できるし、出てくる男の子がまた素敵。
    この青い鳥文庫が挿絵いっぱい入ってるからこれから読む人にはこれがオススメなのだけど、
    よくペアを組んでお話にピッタリの絵を書いている千葉史子さんって、高楼方子さんの実のお姉さんなんだって、今回初めて知りました!
    へえーすごいなぁあ!

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著者プロフィール

高楼方子 函館市生まれ。絵本に『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)「つんつくせんせい」シリーズ(フレーベル館)など。幼年童話に『みどりいろのたね』(福音館書店)、低・中学年向きの作品に、『ねこが見た話』『おーばあちゃんはきらきら』(以上福音館書店)『紳士とオバケ氏』(フレーベル館)『ルゥルゥおはなしして』(岩波書店)「へんてこもり」シリーズ(偕成社)など。高学年向きの作品に『時計坂の家』『十一月の扉』『ココの詩』『緑の模様画』(以上福音館書店)『リリコは眠れない』(あかね書房)『街角には物語が.....』(偕成社)など。翻訳に『小公女』(福音館書店)、エッセイに『記憶の小瓶』(クレヨンハウス)『老嬢物語』(偕成社)がある。『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『キロコちゃんとみどりのくつ』(あかね書房)で児童福祉文化賞、『十一月の扉』『おともださにナリマ小』(フレーベル館)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。札幌市在住。

「2021年 『黄色い夏の日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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