ぼくたち負け組クラブ (文学の扉)

  • 講談社
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本棚登録 : 173
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062832472

作品紹介・あらすじ

アメリカの人気作家クレメンツが子どもたちへ贈る、楽しい1冊! 誰も入ってほしくない『負け組クラブ』へ、ようこそ!?

感想・レビュー・書評

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  • 最初はわりとありがちかと思う「本の虫」の話だと思いましたが、中盤から人間関係や主人公の成長など、話の展開が面白くなっていきました。

    私の好きな本のタイトルがたくさん出てくるのもうれしかったですが、「ひとりほっちの不時着」の続編が未訳なのは残念!

    この本の原題は「THE LOSERS CLUB」

    主人公が、メンバーを増やしたくなくてつけた読書クラブの名前。
    でも主人公の気持ちに変化が。

    「学校図書館に読書週間の古いポスターがあって、『本の森に迷いこめ』と書いてあります。ぼくたちはまさにそうしています。あらゆる人々と、あらゆる場所のことが書かれた本に、何時間も夢中になって、ぼくたちは迷子のように自分を見失っています。そして現実にもどってくると、なにかを持ってきているんです。本の森に迷いこんで自分を見失っているときには、いろいろなすばらしいものを発見しているときなんだと思います」
    「本のおかげで、知らないことがなくなり、恐怖心がなくなるのです。恐怖心がなくなれば、怒りもなくなります。『失う』とか、『なくす』という意味の単語の〈LOSE〉。〈LOSE〉には、『負ける』という意味もあります。そういうわけで、ぼくたちは、〈負け組クラブ〉という名前なのです」

    『失う』って、悪い意味だけじゃないんだと気付かされました。

    巻末のブックリストに添えられた作者の
    「何冊読んだかを競うのではなく、そのときどきに出会ったすばらしい本を、心から読むことが大事です」
    という言葉にも共感。

    中高学年の子におすすめ。

  • 児童書にしては、200ページを超えるボリューミーな本でしたが、かなり引き込まれてしまいました。主人公の男の子は、「本の虫」と評されている子でした。授業中でも関係なく読んでいるみたいで、学校でも別意味で問題児。そんな彼が、「負け組クラブ」という名の読書クラブを作ったのがきっかけで、どんどんと本以外の世界が広がっていくのが素敵でした。結末が本当に笑顔になるので、読んで見てほしいです!

  • 本に夢中になると周りが見えなくなるアレック。
    誰にも邪魔されずに思いきり読書に没頭したい、、そんな希望を叶えるために「負け組クラブ」という敬遠されそうな名前をわざとつけて読書クラブを作った。
    しかし意外にも大勢入部して…嫌味を言ってくる友人とどうすればうまくいくのか、恋心、誠意、いろんな要素が詰まっている。本の紹介もいっぱいある。
    圧巻は放課後クラブの発表会。特性を抑えるのではなく活かす…その過程や結果で得られる達成感たるや、すごいじゃないか!

  • アメリカの人気作家クレメンツが子どもたちへ贈る、楽しい1冊! 誰も入ってほしくない『負け組クラブ』へ、ようこそ!?

    ・実際にある本についても知れる。読みたくなる。ブックリストもあり。
    ・友情、成長ものがたり。

  • 素敵な物語に出合えました。

    主人公のアレックは、本好きが高じて授業中にも隠れて本を読むほど。
    校長にこれ以上続けるなら、補習プログラムに参加させると警告されます。
    学校では授業に集中して、放課後ゆっくり本を読める、と思ったのもつかの間、親の仕事の関係で、放課後も3時間、学校の放課後プログラムに参加させられてしまいます。
    宿題班、スポーツ班、文化班。どこにもアレックが本を自由に読んで過ごせる場所がありません。

    2名以上いればクラブを立ち上げられる。それなら自分で作ってしまおう!でも、入会希望者が来たら静かに読書できなくなる、とようやく1名引き込んで「負け組クラブ」という、誰も入りたくなくなるような名前で立ち上げるのです。

    現実世界は、面倒なことがいっぱいだと思っていて、人とのかかわりを持とうとしないアレックでしたが、徐々に入会希望者が増え、煩わしさを断ち切るために作ったのに、一緒にクラブを立ち上げたニーナという女の子の存在も気になり始め、苦手だった人付き合いなどで頭を悩ませることに。

    最後の放課後プログラムクラブ発表でのアレックの言葉に、思わず「そうそう!よく言った!」と拍手を送りたくなりました。

    本の世界の奥深さ、思春期への入口で感じる不思議な感覚など、とてもみずみずしく描かれていて、ぐいぐい引き込まれました。
    読書クラブで本の面白さを共有できる仲間がいるのは素晴らしい。

    この本の中で子どもたちが読んでいる本のタイトルがいくつも出ているのですが、実際に出版されている本なので、そちらにも興味が湧きました。
    最後のページに出てきた本のタイトルのリストがついています。

  • 私の中の「これぞアメリカの児童書!」という感じの本。
    全くの悪人なんて居ない本。
    ルビは5年生以上の本についてる。
    文字は大きすぎない、小さすぎないちょうど良い。
    一章が短いので切り替えが苦手な子にも良い。


    大人しいけれど勇気のあるうちの息子に読ませたい本。

    本が好き≠スポーツが苦手、女の子は賢くて色んなことを見抜いているとか親が言ってあげたいことを主人公の父が代わって言ってくれる。

    六年生男子の心の揺れ動く様を、分かりやすい言葉で説明してくれるから良いな。

  • 子供がとにかく本を読みまくる。その様は、本の世界に入り込む楽しさを思い出させてくれる。そして、本以外に興味のなかった男の子が、本を取り巻く人間たちから色んな事を学び、いつしか大人の男らしくなっていく。こんな、本に埋もれ本にまみれ本に没頭した物語を読んでみたかった。

  • 色んな本が作中に出てきて、読んだ事のある本はワクワクするし、読んだ事のない本は読んでみたくなる。本そのもののことがもっと好きになれる。

  • アレックは本を読むのが大好きな5年生
    両親のつごうで、学校がおわってからさらに3時間、放課後プログラムですごすことになる

    だれにもじゃまされず好きなだけ本を読んですごしたいアレックは、新しいクラブをつくることにする

    その名も“THE LOSERS CLUB”「負け組クラブ」

    いっしょに始めたニーナ以外だれにも入ってほしくなくてつけた名前だったが、入部したい子が増えてきてしまう

    活動の発表をする放課後プログラム発表会が間近にせまり、アレックが考え出した発表のアイディアは...

    “本の虫”というほど本が好きな子に
    〈今までに読んだどんないい本よりも、今が最高だ!〉
    と思ってもらえるとびきりの一冊

    もちろん本が苦手な子もいっぺんで引きこまれることまちがいなし

    著者アンドリュー・クレメンツはアメリカの絵本・児童文学作家
    「学校物語の帝王」と呼ばれ、80冊以上の作品を出版している──著者紹介

  • ストーリーは面白い。読書案内としても。地の文体が気になる。みんな良い子。設定も少し無理があるところがあるかな。

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著者プロフィール

1949年、アメリカ生まれ。小学校教師を経て、絵本・児童文学作家として活躍。児童文学デビュー作『合言葉はフリンドル!』は、全米で600万部以上、受賞多数。世界12か国以上で翻訳される。他に『こちら「ランドリー新聞」編集部』『はるかなるアフガニスタン』『ぼくたち負け組クラブ』(以上、講談社)など。

「2020年 『フレンドシップ ウォー こわれたボタンと友情のゆくえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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