人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点 (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062817400

作品紹介・あらすじ

なぜ、日本人はしんどい働き方から抜け出せないのか!? 働き方改革で時短になってもノルマがきつくなるだけ。解決には程遠い。「40年間ラットレース」の人生パターンを終わらせよう。
ビジネス書作家として累計167万部の発行部数を誇る著者が、経済学の原理と自身の体験をもとに解決策を提案。
『資本論』のマルクスや「金持ち父さん」は、実は同じ警鐘を鳴らしていた。それは、資本主義経済の本質的なルールの中で「労働者は搾取の対象でしかない」ということ。
本書の前半では、ショッキングかもしれないが、わたしたちが生きる社会のルールがはっきりわかる。なぜ、わたしたちは限界まで働かされるのか? なぜ、給料はこれだけなのか? それはわたしたちこそ会社の利益の原資、搾取の対象だからだ。本書によって、この事実をはっきり知ることができる。この認識こそ、会社にお任せにせず悠々自適に人生を生きる入り口なのだ。
後半は、ルールの中で生きながら、具体的に何をすればいいのかを説明していく。実際、著者自身も学生時代に資本主義経済のルールを知り、3つの企業に身を置きながら自分の働き方を確立していく。本書はまさに著者の実体験が下地になっている。
自己内利益を増やすにはどうするか? 意外にも「精神的苦痛」が大きな目安になる。自分の価値を高める働き方は何か? それは常にジャンプし続けることではなかった。
働き方に必要なのは「編集力」であり「投資」の発想。日々の労働で稼ぐというのはNG。収入を呼び込む「積み上げ」しやすい仕事を選び、頑張らないでも稼げる資産が見える化できる「BS思考」を持つこと。
このほか、本書には、幸せな働き方に変えるチャンスが詰まっています。

*本書は『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』(星海社新書)の文庫化にあたり改題しています。

感想・レビュー・書評

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  • 価値と使用価値の違いを再認識出来た。
    どちらも大切だが、まずは多少時間をかけても資格や技術ブログなど価値を積み上げていく事が重要だと感じた。

    また筆者が「楽しい仕事」というのを「興味を持てる仕事」と定義していたのもしっくりきた。
    働いていく中で笑顔になるには自ら興味持って知りたい解決したいと思えるような仕事につける事が大切なのだと思う。

  • 環境を変えることも一つの案。
    だけど、隣の会社も資本主義経済の中にいる。

    では、自分が求める働き方とはなにか?
    全力ジャンプしなくても手が届くような「土台」を積み上げていくこと。

    自分の資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?

    現状にモヤモヤする時にこそ問いかけて、今できる行動を考える。

  • 大学生や新社会人、会社員の働き方に疑問を持っている全ての人々に薦めたい良書。

    「しんどい働き方」から抜け出す方法や「豊かな働き方」をするために必要なことを論じる前に、マルクス資本論から見た私たちが今いる資本主義経済の構造・仕組み、私たちの給料がなぜその金額なのか、価値と使用価値、利益とは何か、労働者の運命、など重要かつ根本的な部分から説明してくれるため、この一冊を読み込むだけで社会の仕組みや会社員という存在、給料の仕組みなど一通りのことが分かるようになると思う。以下重要だなと思ったこと。

    1.二種類の給料の決まり方
    ①必要経費方式→伝統的な日系企業
    ②利益分け前方式(成果報酬式)→外資系金融や歩合制の会社

    2.二つの価値
    ①価値→それを作るのにかかった手間の積み重ね
    ②使用価値→それを使ってどれだけ役に立つか

    3.ビジネスから利益が生まれるのは商品を生産する過程で労働による「剰余価値」が生まれるから。モノを仕入れて販売し、その差額分が利益になるというわけではない。

    4.二種類の労働者の労働
    ①必要労働(給料分の価値を生む労働)
    ②剰余労働(企業の利益である剰余価値を生み出す労働)
    →絶対的剰余価値(剰余労働の長さを増やすことで得た価値)
    →相対的剰余価値(必要労働時間が減り、相対的に剰余労働時間が増えることで生まれる価値)
    →特別剰余価値(生産性が高まり同じ時間内で他社よりも多くのものを作れるようになるが売値は変わらない。社会的価値と個別的価値の差額分)

    5.「労働の使用価値」より「労働力の価値」を先に高める

    6.「自己内利益」を増やす働き方をする
    ①世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ
    ②まず「積み上げ」によって土台を作り、その土台の上でジャンプする
    ③労働力を「消費」するのではなく「投資」する
    ④長期的な資産を作る仕事を選ぶ
    ⑤過去からの「積み上げ」ができる仕事(職種)を選ぶ
    ⑥変化のスピードが遅い業界・職種をあえて選ぶ
    ⑦賞味期限が長く、身につけるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる
    ⑧PLだけでなく、BSも考えて働く(=BS思考)

    7.「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」を毎日自分自身に問う 

  • いかに楽に稼ぐか
    どう資産という土台を築いていくか、給料の多寡に関わらず自己内利益を積み上げていくか
    残りの職業人生をより良くするため、じっくり考えていきたいです

  • 資本主義経済のなかでは労働者は豊かになれない。
    自然に他人との競争をしてしまい、ラットレースに引き込まれてしまうというようなことが書かれており、なるほど。自分の感じていた働くことへの違和感の正体はこういうことだったのか。と腑に落ちました。
    忙しいことを言い訳にして考えることを放棄せず、自分の人生、自分が舵を取ること。
    ゆっくりでもいいから着実に成長することを目指すこと。
    資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?
    ちゃんと振り返り、未来を見ながら働きたいと思うようになりました。

  • 毎日会社へ通い、仕事をして、土日は疲れて寝てる。
    自分は何やってるんだっけ??
    仕事してない定年前のおっさんは全然仕事してないのに自分より給料もらっててさらにどうでもいいことで生活残業だけはしててムカつくし、自分はこんなに頑張ってるのになんで昇格しないんだ。イライラしてやってられない。胃が痛い。

    て、虚しくなったら、仕事とはと、陥りがちなガッチガチの価値観をほぐしてくれる人生のサプリのような本書。

    マルクスの資本論って聞いたことはあったけど、解釈を説明してくれて助かる。
    最近の転職、独立ムーブの前に、ちょっと自分の認識を確認するのにとてもお役立ち。

    仕事の内容とは。仕事に対する価値観とは。

    これ踏み抜いたら、たとえ転職してもイライラするのは変わらない。毎日ヘトヘトになる。

    一読しておくべき。隣の席のおっさんが仕事しなくても少しは気が楽になります(笑)





  • 確かに、仕事の自分へのストレスを対価として計算すべきだな

  • がんばっても上がらない給料。
    溜まった家事と体力の回復で消える週末。

    労働者が豊かになれない根本的な理由は資本主義の構造にある、そのことを鮮やかに解いてくれる本。ラットレースから抜け出すためには、目先の「使用価値」だけでなく、労働量の「価値」の積み上げに意識的になること。エキサイティングでありながらも至極まっとうな内容。抜け道とはいえやはり努力は必須のようです。どうせなら正しい努力をしたい。

    ・給料は「明日も同じように働くために必要な経費のみ」

    ・損益分岐点は逃げていく

    ・休日が「来週、仕事をするための体力回復の時間」に充てられてしまうのは、それも仕事の一部だから

    ・「楽しい仕事」というのは、「興味を持てる仕事」のこと

    ・「高いところをめがけて全力でジャンプする」のではなく、「高いところに手が届くように、日々土台を作る」

  • 価値と使用価値の違いや自己内利益といったキーワードを用いながら、働き方(生き方)について分かりやすく説明されていた。
    どのような生き方が自分に合っているのか、これまでの自分の経験と照らし合わせながら自然と読み進めていた。
    自分の仕事を見つめ直すチャンスをくれる本。

  • 自分の生き方、特に働き方に関して最近思い悩んで居たところ、知人に勧められ瞬く間に読了。
    働くと言うことに対して損益分岐点を考え、自己内利益を高めていく。このことを実現するためにどう働くのか思索を深めていく本。
    もちろん具体的な内容は自分自身に照らして考える必要があるが、自分の価値を積み上げること、精神的苦痛の少ない仕事を選ぶこと、この二つは一般的にも受け入れられやすい考え方だと思う。
    いくら努力しても生活が豊かにならないのはなぜか。いつまで努力を続けなければならないのか。そんなことを考えている方に是非。

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著者プロフィール

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに異常な執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書には、『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)、『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』(サンマーク文庫)ほかがある。趣味はハワイ。


「2022年 『その働き方、あと何年できますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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