- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816519
作品紹介・あらすじ
米国に対する敗戦を骨の髄まで内面化する対米無限従属と、一方でアジアに対する敗戦否認。
戦後から内在し、今日顕在化してきた現代日本のねじれた姿を「永続敗戦レジーム」と喝破し、各界に衝撃を与えた注目書、待望の文庫化。
解説・進藤榮一
感想・レビュー・書評
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著者は今の日本に蔓延るあらゆる歪みを軽快な語り口で喝破する。
今起こっていること、その見取り図を提供する稀有な著作だ。
安倍から続く現政権のグロテスクさをまんま見せつけられて吐きそうになるが、これに対峙しないと我々は進めない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3.11以降からなんとなく時代の流れに馴染めないままパラレルワールドに入ってしまったような感じがあったが、本書によってその尻尾を捕まえた気がした。
福島原発事故によって新しい事態が出来したわけではなく、「永続敗戦」レジームという地金が露わになったのだ。
日本は、アメリカの属国である一方で、戦後の「平和と繁栄」の物語のもとに周辺国に対して謝罪をし、戦後処理をせずに敗戦の否認をし続けてきた。
福島原発事故、領土問題(尖閣諸島、北方領土、竹島)、国体という、それぞれデカすぎるテーマを真正面からまともに論じ、日本の現在地を明らかにしている。
左右・親米反米どちらでもなく、国家なるものは本質的に道徳的ではあり得ないという前提や、情緒的な部分を差し引いて政治の理論ではこうなるという話が面白い。
こんな風に語ることができるんだ、語っていいんだ、ということ、歴史を知らなければいけないということを感じました。
また戻って読みたい課題図書。 -
物理的に!
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戦後日本とは、をはっきりと理解できた。
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現代でも戦前の国体と同じ構造が継続しており、その構造が「永続敗戦」である。このことを主題としているため、現在の権力構造(特に自民党を中心とした権力)に対して否定的な部分が多い。
ただ、論の説得力はかなりあり、現在のコロナ禍への対応をオーバーラップさせてもピッタリ当てはまることからも、現状分析については間違っていないと感じられる。
「永続敗戦」をどう抜け出し、どのような社会をつくっていくか、構想する知力の必要性を痛感した。 -
堅い文章だが、幅広い文献と確かな論理性で納得の一冊。
武器としての資本論、のようにもう少し噛み砕いてくれるとわかりやすいんだけど…と言うのは少し恥ずかしい。 -
「敗戦を否定したいという気持ち」を補助線に持ってくることで、これまで「理解しがたい」と思っていたネトウヨ系な方々の心理が幾分なりともわかるようになった。また、北方領土問題や竹島・尖閣諸島の問題も、米国というファクターを介することですっきりできた。今となっては、著者の原発事故に対する認識には注文をつけたくなるところもあるが、それを措いても価値がある一冊。
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国体・日米安保・戦後・・・・・
日本という国が戦後ずっと引きずっている状態について、著者の感性に基づき、縷々書かれた居たものです。
「永続敗戦論」という名称・概念は著者がつけたものですが、その根拠については、日本はもとより、マルクスなどの思考方法も援用されていました。
第1章「戦後」の終わり
第1節「私らは侮辱のなかに生きている」
第2節「戦後」の終わり
第3節 永続敗戦
第2章「戦後の終わり」を告げるもの
第1節 領土問題の本質
第2節 北朝鮮問題に見る永続敗戦
第3章 戦後の「国体」としての永続敗戦
第1節 アメリカの影
第2節 何が勝利してきたのか
エピローグ
となっていました。
人間社会において、起きてしまった事実について、きちんと総括・反省した上で、また、未来に向かって突き進まなければならないことは自明のことであります。
色んな人の意見に真摯に耳を傾ける態度はいつの時代でも必要なことです。
国家・社会としては、多様な意見を言ってもらえる条件をキチンと整えるためにも、正確な政策の意思形成過程の情報公開は欠かせません。
そして、権力に対峙するメディアの存在も必要です。
そういう風通しのいい社会が醸成されるよう一般国民もいつも高い意識で国政をチェックしなければならないのです。
著者も一人の人間として最低限出来ることとしてこの本を著したとエピローグで述べていました。
一人一人が賢者になることしか日本の未来はないのではないのでしょうか・・・・・・ -
権力批判は結構だが、世界情勢を意識した中で論じる必要があるのではないかと思う。
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この間なんとなくモヤモヤしていた安倍政権をはじめとする日本全体のアメリカへの接し方の理由がわかった。そしてなぜモヤモヤしているのかということも。