その日本語、伝わっていますか? (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
3.72
  • (7)
  • (16)
  • (14)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 171
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062814164

作品紹介・あらすじ

その一言が「ヤバイ」んですよ
説明がわかりやすい人 わかりにくい人の日本語。面白くて、学べる!

池上さんの説明はなぜこんなにわかりやすいの? その秘密は、放送現場で培われた日本語力にありました。「週刊こどもニュース」で11年、子どもにも伝わる表現を毎回必死で探したり、正しく報道したのにクレームが寄せられてびっくりした経験も。そんな泣き笑いのエピソードをまじえながら、日本語の面白さや特徴を説明していきます。人間は言葉で心を伝える動物。職場でも家庭でも、本書で言葉への感度をアップさせれば、人間関係がさらに円滑になることは間違いありません。

●東京と長野の間を走るって、どこを走るの?
●「言わさせていただきます」とは言わないで
●放送用語も実は漢字の読み方を変えている!?
●「頑張れ」はとっても日本的なエール
●大人だってたくさん敬語を間違っている

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「池上彰」の著書『その日本語、伝わっていますか?』を読みました。

    「池上彰」が日本語についてのこだわりを、面白く、愉しく語った作品です。

    -----story-------------
    その一言が「ヤバイ」んですよ
    説明がわかりやすい人 わかりにくい人の日本語。
    面白くて、学べる!

    池上さんの説明はなぜこんなにわかりやすいの? 
    その秘密は、放送現場で培われた日本語力にありました。
    「週刊こどもニュース」で11年、子どもにも伝わる表現を毎回必死で探したり、正しく報道したのにクレームが寄せられてびっくりした経験も。
    そんな泣き笑いのエピソードをまじえながら、日本語の面白さや特徴を説明していきます。
    人間は言葉で心を伝える動物。
    職場でも家庭でも、本書で言葉への感度をアップさせれば、人間関係がさらに円滑になることは間違いありません。

    ●東京と長野の間を走るって、どこを走るの?
    ●「言わさせていただきます」とは言わないで
    ●放送用語も実は漢字の読み方を変えている!?
    ●「頑張れ」はとっても日本的なエール
    ●大人だってたくさん敬語を間違っている
    -----------------------

    以下の構成で、「池上彰」が日本語の世界を解説してくれる一冊。

     ■文庫版によせて
     ■まえがき
     ■第1章 放送で苦労しています
     ■第2章 とっても気になります
     ■第3章 日本語はむずかしい
     ■第4章 日本語を捨てようとしたことも
     ■第5章 漢字もあるからいい感じ
     ■第6章 言葉は生きている
     ■第7章 言葉は文化を映す
     ■第8章 敬語を敬遠しないで
     ■第9章 日本語は美しい
     ■あとがき

    読んで感じたのは、日本語って、本当に難しいんだなぁ… ってことですね、、、

    普段、何気なく使っている言葉も、実は誤用だった… ってことに気付きました。


    そして、言葉というものは生きていて、常に変化しており、言葉の省略形や誤用が、多数決の論理によって定着して正しい用法になるということを学びましたね。

    若者の言葉の乱れも、数年・数十年先には、正しい言葉になっているのかも。


    本書の「第9章 日本語は美しい」の中で印象に残った言葉があったので、以下に記しておきます。

    「言葉で相手を説得し、言葉で人々の共感を得る力が求められています。」

    政治家に向けられた言葉でしたが、職場でも求められる力ですよね。


    読みやすい作品でした。

  • できるだけ正しい言葉を使用したいが、誤用して使用している言葉も多い。読んでいて、これも間違って使用していたのかと思うと恥ずかしくなる。しかし「みんなが使えば、間違った言い方も正しくなる」と池上も書いている。すでに、定着している言葉を知っているからと言って使用したら、かえって誤解されたりすると思うとどちらを使ったらいいのか迷ってしまう。

  • 日本語って、面白くて楽しいね!

  • 池上先生の文章は相変わらず簡潔で的確で分かりやすい。日本語っていとおしい、と改めて感じた。

  • これを読んで、勘違いしていた言葉がたくさんあったことに気づいたり、東海地方の自分が鼻濁音の発音ができていなかったことを自覚しました。言葉って面白い。
    正しい言葉だけでなく、歴史や文化についても触れることができます
    池上さんの本を読むのは恐らくはじめてですが、とても分かりやすくて親切、もやもやと言葉にしにくかったところを明快に表現してくれていたり、知性にあふれています。長ーいあいさつ文をウェルカムの一言で翻訳したエピソードなど、吹き出してしまうほど笑いました。
    言葉が変化していくことを「乱れ」と感じて快く思っていなかったけれど、言葉は生き物で変化していくものなのだと、少しだけ客観的に感じられるようになりました。

  • 「役不足」や「気が置けない」の用法誤り、ら抜き言葉、さ入れ言葉、鼻濁音、敬語等々、日本語にまつわる薀蓄のあれこれ。

  • 池上彰さんが日本語の本を出してゐたので、手に取つてみたのであります。
    それにしても池上先生、総てのテレビ出演を休止すると発表した後も、実によくテレビで見かけます。メディアが放つてをかないといふことでせうか。

    第一章「放送で苦労しています」...固有名詞の読み方は難しい。正しい読み方をしても、無知な視聴者から「間違つてゐるぞ」と抗議されるとか。痛いですなあ。
    今の視聴者は鵜の目鷹の目でテレビ出演者の発言をチェックしてゐるやうです。テレビに出演する人が「特別な人」と目されなくなつたことも原因ですかな。

    第二章「とっても気になります」...「ら抜き」「さ入れ」「チョー」「ぢやないですか」「鼻濁音」等等。気になるけれど、単なる日本語の乱れと片付けられぬところに池上氏の苛立ちが窺はれるのであります。

    第三章「日本語はむずかしい」...ありがちな言葉の誤用について述べてゐます。かういふのは既出の類書に山ほど出てゐるので、まあ池上氏がわざわざ取り上げなくてもいいかと。

    第四章「日本語を捨てようとしたことも」...ワープロの登場までは、国語ローマ字化論は結構勢力があつたと記憶してゐます。現在でも下火になつたとはいへ、埋火のやうにくすぶつてゐるやうです。日本語は論理的ではないとの指摘に対しては、日本語ではなくそれを駆使する人間が非論理的なのであると。賛成。

    第五章「漢字もあるからいい感じ」...外来語をそのままカタカナで表記するのは、あまりに芸がないですな。先人は、知恵をしぼり漢字の造語力を遺憾なく利用してくれたのに。なほ、英語圏の人でさへ、日本語学習の際には、カタカナよりも漢字の方が理解しやすいといふ傾向があるといふことです。(意味が類推できるから)

    第六章「言葉は生きている」...あまりに誤用が幅を利かせ、悪貨が良貨を駆逐する事態になりますと、せつかく正しい言葉を学習しても虚しくなりますなあ。

    第七章「言葉は文化を映す」...時代・地域・人種・職業などで言語は変化する。外国語を学習する時でも、単に言葉を覚えるだけでは片手落ちで、その国の文化・習慣・風俗などとセットで身につけたいものであります。

    第八章「敬語を敬遠しないで」...敬語こそ誤用が目立つ分野ですな。日本社会に於いては、敬語は人間関係そのものだと思ふのですが、いまだに不要論を説く人がゐるのですね。日本語学習中の外国人に「日本語には二人称はない」と喝破した人は、大した見識の持ち主だと思ひました。
    関係ないが、燕党のわたくしとしては、「バレンティンを敬遠しないで」と申し上げてをきます。

    第九章「日本語は美しい」...かつて欧米崇拝の傾向があつた時代、日本人は日本語を過小評価してゐたと思ひます。日本語の美しさを再発見したらば、これを次世代に継承していくのがわたくしどもの務めと申せませう。なんてね。少し真面目になつてしまつた。

    正直のところ、本書の前半部分は、わざわざ池上先生が書かなくても、幾多の先行書があるぢやないかと感じましたが、一冊まるごと読了しますと、あのソフトな語り口の講義を聴き終へた快感を感じたのであります。
    でも、次はやはり現代史の本を読まう...

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-116.html

  • 日本語の難しさを実感。言葉は変化すること、日本人にも外国人にも日本語に対する思い込みがあることがわかった。この間「舟を編む」の映画を見て、言葉の意味の大切さを改めて知ったので、これを期に辞書のある生活をしたいと思う。まずは広辞苑かな。

  • 一時間あれば読めます。池上さんが語っているのが想像出来て読みやすかった。
    個人的にも日本語の乱れ(ゆれ?)は日々気になっているし、特にら抜き言葉は本当に嫌ですが、既に定着している言葉(憧憬どうけい)とか、本当は違う読み方をしていたんだと知りとても勉強になりました。
    言葉は生き物なので、時代とともに変わっていくんですね。ちょっと寂しい気もします。

  • 「その日本語、伝わっていますか?」3

    著者 池上彰
    出版 講談社

    p24より引用
    “こちらの神社を紹介するたびに、「『ふたらさん』の読み方も
    しらないのか」という抗議電話がかかってきます。”

     フリージャーナリストである著者による、日本語の不思議さと
    面白さについて記した一冊。
     著者の放送での苦労話から敬語についてまで、よくある間違い
    例などをあげて解説されています。

     上記に引用は、読み方が違う二荒山神社という二つの神社につ
    いて書かれた項での一文。
    自分が知っている事が全てだと思い、文句を言うような事はしな
    いように気をつけようと思いました。世の中には時間に余裕があ
    る人が、案外たくさんいるのだなとも思いました。
     改題、加筆修正は表紙に書いて欲しいと思います。

    ーーーーー

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上彰の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×