復讐のトレイル (講談社文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778978

作品紹介・あらすじ

ワイオミング州で狩猟中のハンターが惨殺される連続事件。現場に残されていた赤いポーカーチップの意味は。好評猟区管理官シリーズ!

感想・レビュー・書評

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  • 「フリーファイア」の次の作品で、2014年翻訳、日本の発行順ではシリーズ7作目。

    ジョー・ピケットは家族と仕事を愛する善良な男。
    広大なワイオミング州で、猟区管理官という、国立公園の管理をする仕事に就いていました。
    狩猟には色々規定があり、獲ってもいい時期や数が決まっている。
    ハンターは皆銃や武器を持っていて、気が荒い男や何とかズルをしようという者もいるから大変なわけです。

    ジョーが仕事を首になって1年、町に家を買って3か月。
    妻の母ミッシーが再婚して住んでいるロングブレイク農場で、不本意ながら牧童として働いています。
    若く見える美魔女ミッシーはすでに何度目かの結婚という凄腕で、自慢の娘メアリーベスの夫としてジョーには不満という気まずい間柄。

    人間が狩りの獲物のように殺されている事件が起きた。
    狩猟反対派の仕業か、それとも…?
    ジョーは、ルーロン知事の密命を受けて、調査に当たることに。
    一見ごく普通の体格で強面ではないが、愚直に真実を追求し続けるジョーに、事件や危機は、まるで寄ってくるようなのだ(笑)
    親友のネイトは収監中だったが危険な相手に立ち向かうには彼の力が必要だと説得するジョー。仮釈放を取り付ける。
    こんなことが出来ちゃうんですね~?
    しかし、本当に独りではとても太刀打ちできないぐらい複数の相手と闘う羽目になるのだから。
    毎回、スリルもアクションも盛り上がりますよ。

    父親っ子だった長女のシェリダンはハイスクール2年の16歳に。
    親離れしつつあるが、本心は父のことを尊敬しているようで、ほっとします。

    原作は2008年。
    ほぼ年に1作、2001年から着々と発表されているシリーズです。
    この後、「ゼロ以下の死」「狼の領域」「冷酷な丘」「鷹の王」「発火点」「越境者」「嵐の地平」まで刊行済。
    本国では22作目まで発表されています。

    事件そのものは、どの作品からでも読めますが~
    家族も年齢を重ねていくのと、親友だが立場を異にするネイトとの関係が微妙に変わっていくので、出来れば順番通り読んだ方がおすすめかな。
    あ、それに気が合わない上司や妨害してくる連中との成り行きも変わります!
    この作品は中では一、二を争うってわけではないですが。
    レベル高いので、安心して楽しめるシリーズです☆

    しかし、作者の名前の表記が本によって色々変わるのは勘弁してほしいですわ。
    作品リストは「C・J・ボックス」でWikiで検索できます。
    ご紹介した分は「猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ」タグで飛べますよ~☆

  • ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第七弾。

    すっかり長女のシェリダンが
    大人、というか思春期になってしまったなーというのも感慨深いが、
    愛犬のマキシーンが年をとったのも淋しい。

    相変わらず、管轄区の無い猟区管理官のジョーは、
    知事の特命でハンター狩りの殺人事件を追うことに。
    過去のハンターの事故も殺人事件と判明し、
    ハンター連続殺人事件に発展する。

    天敵の上司、狩猟漁業局局長は嫌な奴だと思っていたが、
    悪者かつ卑怯者だったのは、なぜか残念な気持ちになった。
    自分は、いつかジョーのことを認めさせたやる、と思っていたのだろうか。
    友達の郡検事長が殺されたのも、残念。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    その遺体には頭部がなく、狩られた獲物たちと同じような「処理」が施されていた。まるで狩猟が生き物を面白半分に殺す行為だと世界に訴えるように。ワイオミング州知事からの特命を受けた猟区管理官ジョー・ピケットは、ハンター連続殺人の背後に卑劣な人間たちの深い闇が潜んでいることをつきとめていく。

    相変わらずかっこいいの ジョー・ピケット。
    狩猟の是非をめぐる対決かと思ってたら、違うものが見えてくる。ホープはくず。これで一人ジョーの敵が減ったの喜んでいいのか、悪いのか。
    シェリダンがパパ離れしたようでさびしかったんだけれども、そんなことはなく、いい子に育っているなと思える部分多数あった。
    ネイト、かれの価値観がだんだん恐ろしく見えてきた。
    次も楽しみ。

    Blood trail by C.J.Box

  • 面白かった! シェリダンが大人びてきたなぁ。ミッシーは相変わらず酷い(笑。 前半、プロのトラッカーが犯人追跡で活躍するのでジョーは安泰か?と思っていたら、あれよあれよといつものごとく凄まじいプレッシャーにさらされ捜査に奔走するハメに。 次回作も講談社文庫から刊行されるとのこと。猟区監督官の立場がどうなるのか?ご近所のエドと仲良くやれるのか?いろいろと楽しみです。

  • ジョー・ピケットシリーズ7作目(だったか?)
    シリーズ中では平均的な感じの展開
    知事の言葉の悪さが好き
    「くそチョンボ」と書いて
    「クラスターファック」と読ませるあたり
    に思わず、ジョーのように唸ってしまった。

  • 猟奇的な殺人事件の出だしから引き込まれるが、その後展開がつまらないです。

  • 猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第7弾。ハンター連続殺人事件が発生する。またも知事命令の調査をすることになり、狩猟漁業局やFBIなどの機関と協力して捜査していく話。狩猟反対運動をしている団体との対決がメインで進んでいくが、本当の真相は何なのか・・・という展開となる。なかなか先がすんなりよめない感じがおもしろくてよかった。主人公の板挟みの苦悩や、長女の成長ぶりなどよく伝わる。
    この先どうなるのだろう、と気になってしまう終わり方。早めの次回刊行を願う。

  • ボックスの新作はピケットの最新作。最初から最後までボックスの世界が展開され、ひたすらこの世界に耽溺するのみ。
    確かにストーリーはしっかりあるし、それだけでも一級のレベル。しかし何より、ピケットと家族のかかわり、成長、特に娘の成長、と戸惑うピケットの心情が実によく伝わるし、ロビーとの切ない別れ、再び登場したネイトとの友情が少ないセリフながらもしっかり伝わってくる。そして何よりワイオミングの自然とそれに根差した生き方がどこか郷愁をそそられる。住んだことも送った事も無いライフスタイルなのに。
    ひたすら新作が楽しみ。

  •  この本だけを読むと、C・J・ボックスは、まるでスティーヴン・ハンターみたいな銃撃冒険小説の名手とでも誤解されてしまうかもしれない。ハンターは本当に銃器に詳しい銃器小説の名手であるけれど、実はボックスの方の主人公は銃の扱いも下手だそうだし、ボックスという書き手は、アクション小説というよりも、現代版『大草原の小さな家』を書きたい部類なのかもしれない。それも男性版のそれを。

     現代版の小さな家の物語は実際のところとてお皮肉に満ちている。家を守るという意味では、経済的には主人公の猟区管理管ジョー・ピケットよりも、起業して当てた夫人メアリーベスの方がよほど的確な位置にいるかもしれない。ジョーの方はいつでも暴力や悪を呼び込んで家族を危険に晒すばかりだし、職場での上司との関係もまるでついてない。

     だが、この作品だけを読めば、タイトル通り血なまぐさい連続射殺事件を扱った銃撃アクション小説のように、珍しく派手な展開で綴られたエンターテインメント性の高い冒険小説のように見える。珍しく、殺人者側からの視点で、文学性を意識したような語り口、照準を合わせて銃撃、そして残虐な死がごろごろしている。

     捜査において悲惨な結末を迎える犠牲者も出てしまい、前半は狙撃という暗い側面ばかりが目立つ感が強い。しかし、ピケットは上司や州知事との駆け引きでネイト・ロマノフスキーを監獄から出すよう要請、狩猟者には狩猟者をぶつけるという危険な作戦に出る。ネイトとジョーは信頼関係で結ばれているものの、無法性の高い友人にはヒヤヒヤさせられるし、ハンターばかりが狙われて処刑されるという陰惨な事件の裏側に潜む真実を突き止める一連の流れについては、やはりサスペンスに満ちたボックスという作家の語り口の巧さが目立ってくる。全編に流れる緊迫感もまた然り。

     フーダニットの犯人像は二転三転するし、上司たちとのトラブルや駆け引き、家族との距離感、特に娘たちの成長に伴う実生活の悩み等々、アメリカ版ディック・フランシスと呼ばれる決めの細かさはボックスならではのものである。どの作品も一定レベルの高みで提供してくれる確かさこそが、ワイオミングの大自然を舞台にした荒野の一匹狼ジョー・ピケットの魅力を一作ごとに新たにしてくれるのである。

  • 前作の木造ホテルの話も良かったが、面白さは軽々と前作をクリア。

    連続殺人、組織内部の軋轢、森林での追跡、上手くまとめてる。
    ミステリとしては強化されたが、その分シリーズ最初の頃ののんびりしたリズムは後退したようだ。

    シリーズに登場するキャラクター達を整理整頓した感じ。新たな展開でもあるんでしょうか。

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