スピンク日記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 171
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778183

作品紹介・あらすじ

私はスピンク。プードルです。小説家の主人・ポチ、美徴さん、キューティー・セバスチャンや猫たちとの暮らしについて申し上げます。

感想・レビュー・書評

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  • 町田康には猫好きのイメージがあったので、犬も飼っていて犬エッセイをものしていることを知らなかった。

    本書は町田の飼い犬「スピンク」(プードル)を〝主人公〟に据えた、犬視点の連作エッセイ集。

    町田康自身は「ポチ」という名で登場する。スピンクは飼い主を「ポチ」と呼んでいるのだ(スピンクの霊視によれば、町田の前世は犬だったとかw)。

    〝飼い犬が何を考えて日々を暮らしているか?〟が、町田康ならではの文体で縷々表現されていくのだから、犬好きにはたまらないエッセイ集である。

    犬の幸せ・退屈・孤独などが、まるで町田が犬に乗り移ったかのような臨場感で綴られていく。
    とくに犬の幸せの描写は、読んでいるこちらも幸せな気分になる。たとえば――。

    《私たち犬はほぼ全員が香道家です。匂いを嗅いで歩くのがおもしろくて仕方ない。しかしまあ、いつもの散歩コースだと、大体が知っている匂いで、それはそれでまた格別なのですが、知らない場所で知らない匂いを嗅いで歩くのはたまりません。極度に鼻が悪く、この楽しみを知らない、ポチたちが気の毒でなりません。》

    また、スピンクの目を通して描かれる町田の日常には、『吾輩は猫である』における「苦沙弥先生」のような味わいがあって、愉しい。

    このシリーズは4冊出ていて、スピンクはすでに亡くなっているそうだ(泣)。順に読んでいこうと思う。

  • 大爆笑の『吾輩は猫である』

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/682520

  • 全く期待しないで読んだが、犬目線で面白かった。

  • 2016-9-25

  • 私はスピンクといいます。プードルです。小説家の主人・ポチや美徴さん、キューティー・セバスチャンやたくさんの猫たちと一緒に暮らしています。「犯人だー」と叫んで一緒に駆け回り、安物買いの暖房器具で寒い思いをし、ときに「文学の鬼になる」と言い出す主人と私たちの楽しい毎日について申し上げます。

    私はスピンクといいます。犬です。プードルです。
    私はスピンクという名前で、キューティー・セバスチャンと
    主人・ポチと美徴さんとたくさんの猫たちと
    一緒に暮らしているのです。
    P8より

  • 町田氏版「我輩は犬である」。スピンクの目を通した日常を面白おかしく綴ってます。

  • 小説かと言われれば少し新しい感じのフォトエッセイ風の小説という感じ。犬の写真と犬視点の身辺雑記みたいなもの。私小説のような趣もありつつ、犬視点という仕掛けが面白く機能していて、楽しく読める。

  • スピンクかわいい
    変こなキューティーもかわいい
    変こなポチもかわいい
    こんな毎日楽しくて幸せやん
    スピンク達の写真も載ってて
    ほーのぼーの
    おもしろかったーー

  • 著者の猫エッセイが良かったので本書も購入。犬・スピンクの視点で描かれる日常なのだが、よくここまで主人・ポチを第三者目線で書けるものだ。本当にスピンクの気持ちを理解しているようで、何の違和感もない。キューティーも写真を見ていくと、美徴さんのお蔭で健常に成長したようで安心した。生体販売の中に潜む悪徳業者の問題は、もっと語られても良いと思う。町田家は猫と犬とは交流しないで育てているんだね。ちょっと残念。本書では猫は完全な脇役で、二階でがすん、どすんと音をさせる場面のみ。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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