百蛇堂<怪談作家の語る話> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775342

作品紹介・あらすじ

実話怪談の原稿を読んだ者に……迫り来る! この世には絶対人目に触れてはいけないものがある…。謎と怪異!衝撃の結末!作家に託された実話怪談の原稿。読んだ者には……。「作家三部作」第三編後編。

感想・レビュー・書評

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  • 『蛇館葬』と同様いつも通りで、ちょっとマンネリを感じてきた。ミステリ面の期待が高いのだけれど、今回はホラー寄りでちょっと残念。読了後必読の柴田よしきの解説は粋で良い仕事!

  • 蛇棺葬から続く怪異。
    二転三転する結末。
    ホラーとミステリの融合というよりも、そうとうな上質のホラーです。
    単なるホラーではなく、怪異は怪異ですが、解決もつくようなつかないような。
    不思議な感覚です。

  • 伝染していく怪異に終始背筋が寒い。どんどん恐怖が膨れ上がるのを実感する。
    もっとゆっくり怖さを味わいたかったけれど、ページをめくるスピードを最後までとうとう緩められなかった~。
    想像もできないオチには「えーっ!」と心の中で絶叫。謎が全て解決とまではいかないモヤモヤも残るが、これもまた三津田ホラーの後味だと噛みしめた。

  • 百蛇堂 怪談作家の語る話
     1 奇妙な男
     2 百巳家
     3 消える子供たち
     4 黒い女
     5 悍ましき痕跡
     6 さらに消える子供たち
     7 京都へ
     8 怪談語り
     9 龍巳家の夜
     10 奈良へ
     11 飛鳥信一郎の推理
     12 蛇迂郡它邑町蕗卯檜へ
     13 百蛇堂
     14 墓所
     15 逃走
     16 謎の文言
     17 まごうもの
     18 ずるずるずるっ
     19 混沌
     20 郷土史家
     21 百巳家の秘密
     22 百蛇の檻
     蛇足
    講談社「百蛇堂 怪談作家の語る話」 2003年12月

    解説 柴田よしき
    そして真の恐怖は内なる自分に・・・

  • 前作の蛇棺葬が、実はある作家の実体験を元にして書かれたものであったという前提で、それを出版したい編集者の話が今作。主人公が作者と同じ名前なので、恐怖がじわじわと現実世界に染み出して来るような恐ろしさがあり、更に暴かれた真相にも驚愕という、満点のイヤミス!忌山とか山岳信仰とか憑物筋とか、そのへんが好きな人にはめちゃくちゃハマるはず。

  • 2020.2.27スタート
    2020.3.12読了
    ★★★★☆
    2020年の④
    ホラー小説然りホラー映画然り。断然這いずりながらの登場が一番恐ろしく一番気持ち悪いと思います。ほら、貞子とか、伽椰子とか、蛇とか、蛇とか。。。ワァって感じに突然現れるよりも、ゆっくりとこちらを見つめながらじりじりぬめぬめにちゃにちゃずるっずるっ…と躙り寄られるさまを想像してみてください。まさにヘビに睨まれたカエルのように逃げなければいけないのに動けないでしょうね。そしてやっぱり一番理不尽で悲しい最期を迎えた砂川くん一家に涙。

  • 本書の前編にあたる蛇棺葬の評価が4なのに、本書の評価が3ていうのも変な感じがするが、本書はあまりにも作り物感があり、また分かりにくかったのでこの評価になった。


    編集者である三津田信三が蛇棺葬を原稿の形で受け取ったことから色々な怪異が起こり始め、その真相探っていく物語。
    最後まで三津田信三はこの本の作者の体で終わる。

    子供が連れ去られる部分の謎が結局解明されないまま終わるのが1番の納得できない点である。

    最後の最後まで面白かったのだが、謎の解明の部分でかなり納得出来なくて、なんか中途半端な気分で読了した。

  • 『蛇棺葬』→『百蛇堂』と順番に読んで、まとめて2冊分の感想。
    蛇棺葬は百蛇堂へ至るための物語(作中作)の扱いですので、純粋に怪異に翻弄される主人公を愛でながらホラー作品として楽しむ感じ。
    百蛇堂は、ミステリ的な解釈が入る解決篇に当たるわけですが、(目次をみれば気づくと思いますが)探偵役の「飛鳥信一郎の推理」が入るのが作品の真ん中辺り…というわけで、その後も三津田作品お得意の二転三転、解釈のつかない事も多々盛り込みつつ、物語は開いたまま終わる…という感じ。ホラー寄りの締め方で、こういうのも良いですね。
    「蛇足」としてエピソードを纏めるところも、この「蛇」にまつわる物語の締めとしてはとても良い言葉選びで、ニヤリとしちゃいますね。

  • 逢魔が刻っ単語使いすぎじゃない? なぜかこのワードがでてくると、ホラーミステリのボルテージが下がる。

    漢字がばらして意味づけするのも、最初はおおっと感じていたけれど、三津田作品の特徴というか、ルビがないとよめない名前に分解作業お約束になってるな。
    怪奇現象は一級品なので、それが連続で襲うとなると、プラスに出るかマイナスに出るか、人の好みがだいぶ分かれそう。

  • 2017/4/25

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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