キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部たち<上> (講談社文庫)
- 講談社 (2012年5月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062772648
作品紹介・あらすじ
生き生きと躍動していた仲間の記者、カメラマンたちが、突然骸になる。沢田教一、一ノ瀬泰造、盟友テリー・クー…。戦場という極限状況の中で、出会い、競い、励まし合いながら成長した若者たち。戦争の真の姿を伝えようとした、著者と仲間たちの、血と涙の従軍記。第40回大宅荘一ノンフィクション賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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戦争報道の前線を支える人たちの人間模様が平易な文章で語られる。それぞれの報道姿勢の違いが見えて興味深くはあるものの、記者やフォトグラファーに興味のない人には辛いかも。
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カメラマンからみたベトナム戦争。当時の様子がわかります。
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ベトナム戦争のカメラマン列伝という感じ。
当時書かれた本は多いけど、この本は現在の視点から、当事者に聞き直したりしているので、振り返りがあって面白い。
(また、戦争の後自殺したって人が多くて胸を突かれる。)
ベトナム戦争も歴史であるので、どうしてもそれは勝者寄りになる。
単純な北・ベトコン善玉視点とは言わないまでも、全世紀後半の世界史の必然という「神の視点」に無意識にたってしまう。
しかしそれは、歴史に対して傲慢というものだろう。
だから、当時の状況から見るベトナム戦争はそれはそれで興味があるし、またそれを現在から見直すのも、それもいいものだと思う。
でも、読んでいて不思議に思うのが、TVレポーターたちのあまりの若さと、ベトナムの専門家ではないということだ(例えばベトナム語ができない。)
若いからダメだというつもりはないし、専門家でないからこそ見えるものもあるだろうけど、影響力の大きさに対して、それでいいのか?という気はする。 -
2013.1.19