皇妃エリザベート (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771061

作品紹介・あらすじ

「バイエルンの薔薇」と呼ばれ、ハプスブルク家六百有余年の歴史上最も美しいといわれた皇妃エリザベート。激動の時代、彼女は嫉妬と羨望のなか、皇室の因習に抗い自由奔放に生きた。没後百年を経てもオーストリアの人々の心を捉えてはなさない"シシィ"エリザベートの波瀾万丈の人生をいきいきと描いた決定版。

感想・レビュー・書評

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  • ミュージカル『エリザベート』が大好きなので読んでみた。
    自由を愛して、自由にも愛されてると思ってても、それはいつか孤独として牙をむいてくるよねって思った。

  • オーストリア皇帝でハプスブルク家フランツ・ヨーゼフの妻エリザベート。オーストリアでも人気の高いこの人はどんな人だったかに興味を惹かれて購入。15歳で堅い宮廷に嫁ぎながら、一度履いた靴は二度と履いてはダメなど、宮廷の慣習を打ち破って自由に生きる姿がすばらしかったです。宮廷の秩序を重んじ、帝国と皇室を守ることを考えた姑のゾフィとの確執は当然の流れ。自由に生きた代償からか、ゾフィ亡き後の晩年は、孤独な人生に。ゾフィとエリザベートの対称的な生き方には考えさせられました。後半は少し粗くはありましたが、歴史もよく分かるいい本でした。

  • 何度かミュージカルも見てウィーンやハンガリーの縁の地を訪ねたことはあったが、改めてシシィの激動の人生を知ると感慨深い。
    しかし、そもそもあらゆる物を手にしているのに満ち足りない性分なんだろうか。自由で勝手な考え方に共感したり可愛いなと思いはするけれど、理解しがたい点も多々。
    改めて観劇したりシシィの博物館に行きたいと思った。

  • ハプスブルク家エリザベート。その美しさでハンガリーでは大人気となり、数々のミュージカルで知られる彼女。
    姉のお見合いについて行った先でハプスブルク家のフランツ ヨーゼフに見初められ、皇妃になる。
    特別な妃教育も受けておらず、自由奔放に詩を書き、馬に乗り、過ごしてきた少女は嫁入り後にゾフィーや女官にいびられる。
    夫だけが味方と思っていたのに、その夫は母の言うなり。
    母親としても失格とされ、子育ても許されなかった。
    自分を認めてもらおうと美にはしる。
    しかし、相次ぐ身内の不幸、自分の老、オーストリアの情勢の悪化、夫の浮気と苦難の日々を過ごす。
    美貌の皇妃としてあまりに有名で、ステキな印象のある皇妃だが、混沌とした時代に国を支える皇帝を守る女性としては、あまりに身勝手。今の時代にもこんな女性いるよなと思いながら読了。

  • 登場人物それぞれが追い詰められていく息苦しさが読んでいて辛かったこと。
    王族は普通の幸せは得られないと諦めるしかないのかな。

    ハプスブルク家の崩壊、君主制が取って代わられる時期なんですね。
    メッテルニヒでてきた!歴史の教科書に載ってたメッテルニヒが逃げる挿絵を思い出した。あれ仮面でもしてるんだろうか。

    あと、変わり者でも大人になったらそれを上手く隠すのもだいじかな、って。必要なとこでそつなくこなすふりをする、でも自由に振る舞う場所も失わない。そうしたら多分こんなに追い詰められない。
    世間は食わせてくれないかもだけど世間を無視して生きてはいかれないよなあ、なんて。

    なんにも信じられないよりも、信じたいものでもいいから一つ信じられたら(逆説的にですが)、物事をありのまま見られるんじゃないかな。だってそれは恐怖で正しい判断をできなくなることから守ってくれる。冷静にしてくれる。
    安心したら思い込みから解放してもらえる。
    なんて最後の一言みて思ったわ。

    ただ、一人の人間としての気持ちよりかオーストリア帝国の政治的決定のうまさへたさみたいなのもっと知りたかった。そういう本ではないのかもだけど。結局フランツ ヨーゼフって政治家としてどうだったんだろ。凡才なのか天才なのか秀才なのか。

    4/10/2017 EST

  • 歴史に基づいたフィクション。
    9月にオーストリアに行ったばかりなので、本に出てくる光景が目に浮かんだ。
    皇妃の責任を放棄して旅してばっかりいた自由人。と思っていたシシィの印象が変わった。
    皇族の歴史、伝統や責任を重んじるあまり、ヨーゼフを自分で道を切り開くことのできない人間に育ててしまったゾフィ。
    これからは自由に育てるべきだ、とルドルフに自由すぎる教育をし、自らも自由すぎる生き方をしすぎたシシィ。
    どちらの気持ちもわかるが、やはり自分の価値観だけではなく他人の価値観を受け入れ、自分に折り合いをつけていってこそいい人生が送れるのだと思った。
    多面的に物事を見て判断することの大切さを改めて感じた。

  • 2012.1読了。
    史実と実際のエピソード満載のフィクション。
    藤本さんの得意分野とはいえ、よくまとめてあって読みやすい。実在した人物の思いって、本人以外にはわからないものだろうが、この手の本は、描く人によって微妙に解釈が変わるのがおもしろい。

  • 読みやすく、スイスイ読めました(´▽`*)

    最初、シシィがヨーゼフに反抗していたり大口叩いてるのが意外だった。
    ゾフィーとの対立でも、随分言い放っていたし。

    自由を求めて旅をするシシィを見てると、ミュージカルの曲が頭に浮かんでくる。

  • やっぱり読みやすい。感情移入する。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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