空へ向かう花 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.66
  • (27)
  • (49)
  • (42)
  • (10)
  • (3)
本棚登録 : 396
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770347

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ある事故で女の子を死なせてしまった小6の男の子ハル。
    亡くなった女の子の友達だったカホ。
    ハルが屋上から飛び降りようとしている所を見つけてしまい、出会う二人。
    話はそこから始まります。

    お互いに傷を抱えているハルとカホ。
    その2人をそっと支えているおじさんと大学生のキッペイが何とも素敵。

    『大人は子供の前では必死で大人の役を演じなきゃいけない』
    この一文にやられました。

    傷を抱え、いち早く大人になってしまった二人だけれども、自分の事を物凄く真剣に考えてくれる大人たちと出会えて、幸せだったのではないでしょうか。

  • 大人の在り方がすごく問われてる作品だった。
    ここまで関与しようとする大人が果たしているのだろうか。
    寧ろ作者が望んでいる、いや誰もが望んでいる世界なのではないだろうか。

    「こんな世界にしたのは、大人だ」

    この言葉が心に突き刺さる。
    そんな自分は今は大人。

    風が吹けば背中を向けるのではなく、顔面を向けその風に向かってく。それがいつかは大きな風の流れとなるのではないか。

    とかく僕が言いたいのは感動の名作だってこと。

  • 自分の行為で見知らぬ少女の時が止まった。見知らぬままでは自分の過去と未来を見つめることは出来ない。少女のことをふとしたことから知る事になる。少女の友達とおじさんと大学生の四人で進められる物語。重いテーマをそれぞれの視点で語り、何をしなければいけないかでなく、今何が出来るか?に置き換えて昇華していく。空に届け、空に向かう花の様に。

  • 辛い思いをしている子供に出会ったときに、その子を守ってあげるために1人の大人として何ができるかをテーマにした作品だと思う。
    主人公の子供たちの健気さと真直ぐさに読んでいる方が辛くなりそうなところが、その一歩手前で明るさに救われる絶妙な塩梅でした。

  • 起きてしまった事故がどのようなものか判らずに少しばかり消化不良。「<a href="http://mediamarker.net/media/0/?asin=4591125459">COW HOUSE</a>」や「<a href="http://mediamarker.net/media/0/?asin=4101277419">東京公園</a>」同様にいい人ばかりしか登場しないのと、ストーリーができすぎてて内容が薄まって感じられるのがもったいない。

  • 【あらすじ】
    「東京バンドワゴン」の著者が描く感動長編。小学六年生のカホはある日、屋上から飛び降りようとする少年を見つける。彼は半年前に親友を「殺した」相手だった。苦しみながらも前を向く人々を描いた感動作。

    【感想】

  • 温かい話だったけど、大事な部分がまたしても濁している。引っ張っておいて、知りたいところがサラッと隠されている。
    事件の真相とか、どうやって説得したかとか、おじさんのこととか…

  • 子どもとオトナ、両方の辛さを癒そうとするお話。
    出来過ぎだけど、お話ってそういうもの。

  • 綺麗な話だけど綺麗過ぎて現実味が薄く感じてしまい、あまり感情移入出来なかった....

  • ★2013年6月7日読了『空に向かう花』小路幸也著 評価B+
    安心の健全青春小説ですね。いつもどこかホッとさせるほんわかした作風が持ち味の小路。
    ある事件で不幸にも少女を殺してしまったらしい12歳の男の子で主人公のハル。
    たまたまの偶然で自殺しようとしていた彼を救った花歩。
    孤独なハルを見かねて声をかけて、何となく行き来のある中年男性のザキさん。
    花屋でバイトをしている大学生の桔平くん。
    この4人を中心に、それぞれの視点から、順繰りに話しが語られながら物語は進行していく。底は浅くて、分り易すぎるきらいはあるけど、その分ストレートでシンプルでいいのかもしれない。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

小路幸也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×