ロズウェルなんか知らない (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760980

作品紹介・あらすじ

過疎の故郷を救え! 元若者達が仕掛けた策とは

温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。青年クラブのメンバーたちは町を再生することで、自らの生き方にも活路を見出そうとするが。地方の現実に直面する人々の愚かしくも愛しい奮闘を描いた胸に迫る長篇。「日本の四次元地帯」として駒木野は再生するのか?

感想・レビュー・書評

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  • 町起こしの話。途中から一気に読める。
    青年団とともに一喜一憂しながら、考えさせられるとこも多々あり、読み応えある質の高い小説。
    途中、少し中だるみになるぶん☆減らす。

  • 観光名所がない、温泉もない、ないないずくしの田舎町で起死回生の企みを青年クラブが独自で仕掛ける。UFOや怪奇現象が多発する地域として売り出すというのだから驚いた。
    ロズウェルなんか知らないというタイトルが秀逸。

  • 四次元ゾーンを騙った起死回生の村起しプロジェクトYZ!話の展開は同著者の『仮想儀礼』に似ている。最初は軽い気持ちで始めた嘘が雪だるま式に膨らんだ挙句、敢え無く虚構バブルは崩壊。執拗なまでの社会的制裁、再生!但、金儲けの為に新興宗教をでっちあげた前作に比べ、本作は非常に明るいタッチである。作中に頻出する疑似科学用語や超常現象を知らなくても充分に楽しめるが、元ネタを知っていればさらにニヤリとできる。私は実世界では疑似科学否定論者であるが、小説の素材としては楽しむ主義。そして『ロズウェルならよ~く知っている!』

  • UFOや超常現象を町おこしに使おうとする青年クラブの面々(実際のメンバーは中年)のドタバタを描いた小説。        著者は市役所勤務の経験もあるそうで、実際ここまではいかなくてもユニークな町おこしをしてるところも日本のどこかにあるんだろう。

  • 「勝ち組負け組みという言葉があるが、あの町では出て行った者が勝ち組なのだ」 寂れていく一方の町、駒木野。その町を再生しようと、青年クラブのメンバーが奮闘する。あがく彼らを通して、地方の現実を見せ付けられ、胸を痛めて読み続けた。彼らは、そして駒木野はどうなるのか?四次元観光で村おこし!?常識と非常識の間で揺れ動く青年クラブの面々。その中で、いっぷう変わった鏑木という都会から流れてきた青年が、なんだか頼もしくみえてくるのが面白い。
    これはもちろん小説だが、実際に日本で産業や観光がない地方が生き残っていくためには、結局原発や産業廃棄物を受け入れるしかないのだろう。そういう現実があることを、思い出させられ心が重くなった。

  • 珍しくそこそこにハッピーエンド

  • 【要旨】
    温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。
    観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。
    青年クラブのメンバーたちは「ミステリー」と「オカルト」と「ホラー」で町を再生を計る!

    この「ミステリー」だとか「オカルト」だとか「ホラー」だとかが手が込んでいて、realityがあって面白い面白い。
    初めはしぶしぶだった村のお年寄り達も、観光客が徐々に増えていくうちにノッてきて頼んだ事以上の演出だのし始めちゃうところも、マスコミがエスカレートしていくところも面白い。
    計画が上向きなら乗るくせに、少し叩かれるとすぐ非難する側に回る。
    周りの人が二転三転簡単に趣旨換えしていっちゃうところも篠田さんらしい。
    ラストのラストはほとはら的にはいらんかったなぁ~・・・と思うんだけど・・・
    でも、それを除けば大満足の1冊!!

  • 衰退の止まらない地方の街が、UFOや超常現象をウリに街おこしをしようとする話。
    退屈はしないが、ある意味お約束通りの展開で、全くサプライズ的な要素がなかったのがやや残念。
    もっとぶっ飛んだ話であれば、より楽しめたかも。

  • おもしろい!

  • 意外と面白い。最後がハッピーエンドなのも良い。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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