ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760867

感想・レビュー・書評

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  • 著者が、がん治療を経てツールドフランスを優勝したと言う事はニュースで知っていたが生い立ちから、がん発見、治療、そして復帰しツールドフランス初優勝するまでの話が書いてある。

    自転車競技は良くわからなかったが、自分を自転車の部品とみなしているような感じやチームでエースを支えるための役割が明確な事、混戦での駆け引きなど知らないことがたくさんあって楽しかった。

    しかし、がん治療についての記述が中心にかかれている。
    がん治療でだるいだると言う話を聞く、がどうだるいんだろう?と思っていたが、かなりリアルに書いてあり、その想像を絶するつらさだと言う事がよく分かった。

    また、知る事で何をするかと目標を持って行動する。疑問に思ったら質問する。そういった事が、重要なのだろうと改めて考えられた。

  • 僕が数少ない尊敬する人物の一人。 ちょっと次元の違う人間離れした人が好き。(将棋の羽生、新撰組の土方等) 色々問題もあるが、人間としてのエネルギーが違う。 こんな人だからこそ病気にも打ち勝つし、競技でも頂点にも立てる。ドーピングですべてが嘘になったというが、この人の生きてきた軌跡、生きることへの執念は何も変わらない。 本という評価ではなくこの人への評価◎。

  • 久しぶりのヒットでした。

    ただ癌の克服について書かれているのではなく、その後の復活まで読みやすい文章で書かれていたのがよかったです。

    自転車のことを全く知らずに読んだのですが面白く、レースの場面など臨場感があって楽しかったです。

    読みやすく、またメッセージ性の強い本だと思います。

  • ツール・ド・フランス7連覇という記録を持つ伝説の自転車レーサー、ランス・アームストロングの自伝ともいえる一冊。
    原題は"It's not about the bike."
    自転車の話ではなく、25歳にして睾丸癌にかかった彼の闘病、そしてそこからの復活が主な話です。
    もちろん彼が有望な選手となるまでの生い立ちやツールで初優勝したときの話では自転車の話がかなり詳しく描かれてはいますが、やはり彼のその精神的な部分は闘病体験、それを支えてくれた周囲の存在が強く影響しているのが伺えます。

    ガンはある意味避けられない病でしょうが、それを受け入れ戦うことに大きな意味があるのだと感じます。多くのドクターの話も出てきて、それらもとても印象的。
    癌患者がランスに語った、「僕らはとてもラッキーな人間なんだ」という言葉は深いなあと感じさせられました。
    アメリカン・ドリーム的なところはありますが笑、素直に感動しました

  • 闘病生活から自転車競技への復活の過程が凄まじい。

  • ツールドフランスで前人未到の7連覇という偉業を成し遂げたランスアームストロングが、ツールドフランスで初優勝するまでの半生を赤裸々に綴った自伝。

    この本では、自転車競技の奥深さはもちろん、自転車競技、癌の闘病生活やそれを支えてくれる友人や家族との触れ合いを通じ、人生の障壁の乗り越えていくアームストロングの姿が赤裸々に描かれています。

    読めば読むほど、アームストロングの家族への想いや、勝利への渇望などの、純粋な想いに感動すると同時に、尊敬の念を抱かずにいられません。ところどころ出てくる、アームストロングの強烈な攻撃性や、意外な弱々しさを垣間見ることで、その人間性にますます惹かれてしまいます。

    自転車競技(特にツールドフランス)に興味を持つと同時に、自分もアームストロングのように弱いがゆえの優しさと、強いがゆえの優しさを兼ね備えた人間になりたいと、強く思わされました。

    自転車競技に興味のない方でも読めるオススメの1冊です。ぜひ一度、読んでみてください。

  • ジョージさんに暗記してお くようにと渡された本。マイナスをプラ スに変える!

  • ロードレース界の超有名人の著作。
    末期癌からのツール・ド・フランス優勝への道のりには、やはり不屈の精神があったんだと思う。癌治療や不妊治療の厳しさを赤裸々に書いており、近い人を癌で亡くした記憶を思い出し、胸が痛くなった。

    自転車に興味がない方でも充分読めます。

  • 癌を患ってから驚異的な意志力と回復力で以前より強くなり、伝説の自転車レーサーとなったランス・アームストロング。その人生の転落と頂点までを描いている。

    同じ人間としては信じられないような回復であり、その意志の強さは尊敬するしかないが、随所に見られる異常な気の強さや、他人への思いやりのなさが、どうも感情の違うスイッチを押してしまい、致命的な病気からの絵に描いたようなサクセスストーリーとしてはスッと入ってこなかった。

    この気の強さがあるからこそ病を克服することができ、自分を何よりも大事にする精神があるからこそ英雄にもなったのだろうが、その後の彼の人生を考えると、やはりどこかでツケを払う必要があるものなんだなと感じてしまう。

    逆にこれだけ自らの負の部分をさらけ出せるというのは、非常に正直な人なのではあろうが、自らの過剰ともいえる自信があるからこそであろう。

    英雄にならなかったとして、彼はこの本を出版しようと思っただろうか。英雄でなければ誰も取り合いはしないのだろうが。

  • ツールドフランスで前人未到の7連覇を達成したランス・アームストロングの半生記。自転車レースに興味が無くても読み進められますが、読み終わる頃にはきっと自分もロードバイクにまたがってみたくなります。自転車レースの選手としてこれから、というときに自身の体を蝕む癌が発覚。生存率が数%と診断されながら、病と戦いついにはそれを克服し、レース界に復活を果たす。20日間を毎日200㎞走り続けフランスを一周するツールという世界一過酷な舞台で、総合優勝を果たすだけでも偉業なのに、癌から復帰した翌年から怒涛の7連覇を成し遂げる。死と直面したことにより生きる喜びを人一倍享受しているかのようなその走りはアンチ・ランスの心をも捉えたことだろう。
    華やかなエースの影には、それを支えるアシストの存在も忘れてはいけない。チームを優勝に導くために、自身が捨て身になってエースを引っ張る縁の下の存在があってこそ。このあたりは他の世界にも通じる。
    因みに私がこの本を知ったのは、電車を待っている他の客が、乗り込む際に脇目もくれず読んでいたから。恥ずかしながらそれまでランスの存在も知らなかったし、自転車レースも見たこともありませんでした。マイヨ・ジョーヌって何?と思ったらまずは読むべし!

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