新装版 尻啖え孫市(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758147

作品紹介・あらすじ

信長の度肝を抜いた鉄砲集団の若き頭目

戦国最大の鉄砲集団・紀州雑賀衆を率いる雑賀孫市は、自らも鉄砲の名人にして、無類の女好き。そんな孫市が、なんと信長の妹君を見初めてしまった。仲を取り持つ骨を折った木下藤吉郎に請われ、織田勢の敦賀攻めに同道するのだが……。底抜けの楽天主義、傲岸さ、明るさを備えた奇男児を描く著者会心の長編。

感想・レビュー・書評

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  • 紀州雑賀庄の雑賀孫市と木下藤吉郎との出会いに始まる、痛快戦国絵巻。天下統一を狙う信長は、ポルトガル伝来の鉄砲に瞠目し、雑賀衆の操る鉄砲三千丁を召し抱えようと企んだ。藤吉郎と寧々の苦肉の策に乗せられる孫市。豪快かつ楽天家の孫市が獅子奮迅する展開には、時を忘れて物語に没頭してしまう。『週刊讀賣』に連載された【司馬遼太郎】四十歳での長編時代小説。

  • 戦国時代の鉄砲集団、雑賀衆のリーダー、孫市の話。
    上巻は時代背景から、小説の中での孫市の設定、浄土真宗(本願寺)がこの時代においてどのような存在であったかまででほぼ終わってしまっている。

    傭兵集団としての雑賀衆、信長との戦いがあるはずだが、それらはすべて下巻なのだろうか?続きが楽しみである。

    ところどころちりばめられた、司馬文学独特の余談が豆知識となり、また楽しい。

  • 雑賀孫市のからからとした人物像が描かれていて爽やかで気持ち良い。

  • 金で動く好色者、情に厚い最強鉄砲集団の頭領の、後ろを振り向かない一生。こういう武士を書いた司馬さんは本当に面白い。

  • 雑賀衆の若大将ということで、活気ある物語。これから石山本願寺に肩入れして信長と戦うという前哨戦。やはり司馬遼太郎は戦国ものか、幕末ものがいいよね。

  • この孫市はカッコいいし可愛い魅力のある人物。
    秀吉やねねとのやりとりが可愛らしい。

  • 3.5 ちょっと現実味がないけど、司馬遼太郎ワールド楽しく読めました。村上海賊の娘の孫一とは全く違う明るいキャラ

  • 20211129

  • 大戦さの得意な秀吉でも、小戦さの得意な真田昌幸には敵わないのか〜。

  • ~全巻通してのレビューです~

    鉄砲技能集団の雑賀統を率いた雑賀孫一を主人公とした物語。面白くて1週間で読めました。

    岐阜城下に孫市が現れる場面から始まるのですが、無類の女好きとして描かれていて、孫市の勘違いで信長の妹を目当てに来たことから秀吉と知り合うことになり、
    秀吉との友情は物語の最後まで続くことになります。

    信長の朝倉攻めで秀吉が殿軍を務めることになった時、孫市も協力することになるのですが、このあたりは司馬先生の創作のようですね。

    物語の中心は石山本願寺の大将となった孫市と信長軍の戦いや、孫市の母国紀州に攻め入った信長軍と孫市の戦いです。

    孫市はいずれの戦いでも勝利し信長を悩ませますが、
    鉄砲を中心にした戦の展開は描写が素晴らしく上手く、
    孫市の面白い人間性とも相まって読者を惹きつけます。

    今までの読んだ司馬先生の著作の中でも3本の指に入る作品でした。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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