養老院より大学院 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757744

作品紹介・あらすじ

「すぐに大学院を受験し、大相撲を研究しよう」。後先を考えない無謀な試みか、それとも人生80年の今しかない絶妙のタイミングなのか!?"人生、出たとこ勝負"を座右の銘とする著者が挑んだ学生生活。想像以上の厳しい講義、若者だらけのキャンパス、その3年間はまさに「知的冒険活劇ロマン」であった。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイは私あまり読まないんですけど
    これから勉強とか研究っていうのに興味があり手にとりました。

  • 感想
    ふたたび大学院に通うために必要な心構え。自分のわがままを通すために周囲の人と協力する。大変な試みかもしれないが知的好奇心は抑え込めない。

  • 50代に入ってからの大学院生活を語った本。仕事との両立のことだったり、若い人に媚びたくないけど力を貸して貰わないとと困ったときにポルノ写真のテレホンカードを男子院生に渡して「アンタたち私を喜ばせるのよ!」と喜び組を結成して乗り切った話だったり、凄く独自の感性で率直に書かれているのは好感が持てる。お金も払った入試の期日が本職の相撲関係の事件によって延期せざるを得なくなったエピソードなど、業界の方ならではの話も出てくる。

    この本の発行当時よりも社会人からの大学・大学院再受験は増えていると思うので、そういった分野に興味がある人は目を通して損はない。

    文章の書き方がテレビ業界の方っぽいなあとは少し感じた。でもよくある業界人の中身の薄い本ではなく満足度高し。

  • 著者の大学院経験を中心に人生観が描かれている。人生出たとこ勝負!という考え方にすっきりする。計画通りいったことがないということだか、裏を返せばきちんと先を考えているということ。その上でいま大事だと感じることにたいして、突き進むという姿勢は刺激させられます。さて、また出たとこ勝負を一発やりますか!!

  • 幼い頃、いじめられっこだった作者を
    いつも助けてくれたのはカラダの大きい男の子だった。
    大きい子は優しいのだ、、という擦り込みがあってか
    子どもの頃から紙相撲で遊び
    漢字を駆使するしこ名で漢字を覚え
    星取り表で数を覚えた幼い作者
    小学校ではじめて大人に褒められる。

    大相撲大好きで、女性最初の横綱審議委員になった
    内館氏。

    ある時、時の大阪府女性知事が、大阪場所の
    優勝表彰を土俵でしたい、、、という発言に

    男女同権と、伝統を守るということを
    ごっちゃにしてしまうのは
    言語道断!とばかり
    大相撲の研究の為、旧3帝大の一つ
    東北大学大学院への入学をもくろむ。

    受験の準備から、資金、入学後のカリキュラムや
    細かな所まで、連載中の原稿も
    織り交ぜての一冊。

    現代の若者像の観察を含め
    勉強したい時の勉強の素晴らしさ、大変さ
    悲喜こもごもの大学院日記。


    最近、氏が色紙に添える一文。


    二月の雪
    三月の風
    四月の雨が
    輝く五月を作る

    東北大と仙台での三年間が凝縮された言葉だ。

  • 50歳を超えても、朽ちることのない興味・関心、そして実行力。

    正直すごいなあと思いました。これは単なる名誉職で、横綱審議委員をしていたわけではないと思います。

    パワーということに感心させられた本。

  • 内館牧子の大学受験、勉強にまつわる自叙伝

  • 相撲で朝青龍を批判していたおばちゃんが、50歳を過ぎて大学院に入学して相撲について研究する、このチャレンジ精神がすごい。
    世代ギャップやら学生生活など、いろいろと興味深い。
    人生でたとこ勝負という筆者の生き方もすごいし、高校時代の先制からはまさか筆者が旧帝国大学に入るなんて思われなかったと、人生何が起きるかわからないものだ、というところも共感。
    若い学生と違って、社会人の方が図太いし、ふてぶてしい。それは経験があるからだろう。今の私は現在の職場では素人同然だが、過去の経歴と経験では誰にも負けてはいない。だから共感できた。
    年下の先生であろうとなんであろうと学べるものは吸収してやろうという精神も見習いたい。そんなのに抵抗を感じる必要なんてない。今の職場なんて私が過去にどんな経験を持っていても新人なんだから。
    でも負けてたまるか。私も大学院受験して勉強しよう。

  • 1月に横綱審議委員の任期10年を終えられた内館さん。
    これを読むと、相撲好きは徹底していて、頭が下がる。
    社会人の大学院入学について、様々なエピソードを交えて詳細に書いている。かなり笑える。
    創作と学問の違いだとか、学会の発表に緊張する様子だとか、ゼミで質問攻めにされる様子だとか・・・、大学や研究の現場、学生と社会人の違い、カルチャーセンターと大学の違い、などなど、その真摯なまなざしに、私の中で内館さんの好感度かなりアップ。
    そういう私も2002-2004年に社会人入学で大学院修了。内館さんが東北大に在籍したのが2003-2006年。同じ時期に同じ経験をしていたので、かなり共感できる。

  • 内館さんの大学院ライフがとっても面白く書かれています。彼女はいつも一生懸命で、とっても可愛い人。ワイドショーで観る彼女とのギャップにびっくりでした。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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