ぼくの・稲荷山戦記 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754866

感想・レビュー・書評

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  • 主人公・マモルの祖母は稲荷神社に遣える巫女さん。母を幼く亡くし父は遠洋漁業へ行っているマモルと祖母の家に、守山という大学生が下宿することに。その大学生は実は稲荷神社の神に仕えるキツネだった。マモルは稲荷山の開発を阻止するために守山と活動を始める。

    作者が自分の体験で、結局苦節を味わったことを書いているが、そういう住民活動、小学生なら尚のこと無力感湧くだろうな、と思う。これはファンジックな児童書だけど、自然を大切に、ってことを日本的なアミニズムでの視点から説いていて面白かったです。

  • 児童書という事ですが、大人の心にもなかなか沁みる作品でした。
    自然を守りたいという気持ちには同意出来るけれど
    じゃあどうしたら良いのか、という事を余り考えた事がなかった私にはズシンときました。

  • 神様のお山を守ろうと、中学生のマモルが奮闘する。
    自然を大切にしたいと素直に思える、神様の優しさが身に染みる内容。

  • おすすめしてもらって買ったはいいけど、積読になってた本。
    児童書というのはわかってたけど、この一人称に慣れるのにちょっと時間かかった。
    これ、一般向けに書き直してほしい!
    いまのままでもおもしろいけど、一般向けにもっとあちこち突っ込んで書いてくれたら嬉しい~~~。
    主人公マモルの両親のこととか、鴻沼さんのこととか……気になることいっぱいあるんですけど!!

    お山のこととか考えると悲しくなるけど、マモルも初音も諦めてないので悲しいままで終わらなくてほっとした。

  • 初音がなにかして「来年は百も花をつける」っていってた梅がどうなったのか描いて欲しかったな…と思った。

    都会派より主人公ってわけじゃないけど、一般的現代人的な男の子が主人公。
    いつものたつみや章で、人間が引き起こす自然破壊を止めようって話。

    昔の人も利益で動いていたんだと思うんだけどね。ただ頼まれごととかされる範囲が顔見知りの範囲で終わってたから、義理人情っていうのの入り込む余地があっただけで。

  • 中学生のころ読んで、とても感激した作品。
    文庫化になったので改めて手元に置きたいと思い購入。
    人間の自然開発の手から神様を守ることになったマモルと神様たちの交流。
    色んな人に読んで欲しいな。
    小中学生の夏休みの読書感想文とかに最適。

  • なかなか素敵な物語でした。  ただ、開発する側が「レジャーランド」という人が生きていくために必ずしも必須ではない施設を作ろうとしている会社で、明らかに「お金儲け」のために動いているという設定になってしまっているために、お話全体がある種の「綺麗事」になってしまっているのがとても残念な気がしました。  この方の作品の傾向なのか(と言ってもまだまだ大した冊数は読んでいないんだけど ^^;)、常にお話の中に登場する相手方が「悪の衣を纏っている」設定なんですよね~。  子供には分かりやすさが必要・・・・・ということなのかもしれないけれど、世の中、悪は悪の顔をしているとは限らないわけでして・・・・・・。

    もっとも、そういう設定であればこそ、現代っ子の一少年がこの「環境保護運動」というような社会運動に身を投じる気にもなるんだろうけれど、逆に言えばマモル君の持つ「才」だとか稲荷神社の巫女の家系の生まれという設定があまり生かされていないお話になってしまっているのがちょっと残念でした。  まあ、「この世ならぬ者」と接触することができる・・・・・・というだけでも彼の「才」は十分すぎるほど生かされているということなのかもしれませんけどね(苦笑)

    (中略)

    この物語の中でミコト様が仰る「石から芽吹く緑にわたしを見よ」が名言です。  都会のアスファルトだらけの道路でも時に見かける、コンクリートの割れ目から芽吹いている雑草の逞しさ。  多くの場合、それは税金で雇われたどこかの誰かがシーズンごとに抜き取ったりしているので、山の中のように大々的に繁茂して草ボウボウとまではなっていないんだけど、あれが自然の力であること、自分ではない誰かが雑草駆除の活動をしていて、都会が作られていることに現代の子供には気がついてもらいたいものです。

    (全文はブログにて)

  • 結構前の作品だったように記憶してるんですが
    環境問題を扱った作品でした。

    ファンタジーの世界とリアルの世界が
    平行してあるのに
    違和感がなく纏まってるのは
    流石かなーと思います。

  • 先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女を務めるマモルの家にやって来た奇妙な下宿人。腰まで届く長髪に和服の着流しの美青年・守山初彦は、山と古墳をレジャーランド開発から守るために動き出す。守山に連れられ、マモルがまみえた太古からの“存在”とは?第32回講談社児童文学新人賞受賞の著者デビュー作。


    「月神の統べる森で」のシリーズを書いてるたつみやさんのデビュー作ということで気になって購入。カバーイラストが波津先生だし。

    『妖精が少なくなったのは、子どもたちが妖精を信じなくなったからだ。そんなものはいないさと、世界のどこかで誰かが言うたびに、妖精が一人死ぬんだ』・・・・真実に限りなく近い虚構だよ。


    神さまの存在を信じますか?
    私は神社でおまいりするとき、どんな気持ちで手を合わせてるだろう。

    そういう不思議な気持ちになる本だった。

    「自然との共存」というようなことが盛んに謳われるけど、それはあくまで人間が見た範囲、人間の価値観でのことで。

    かつて日本が誇りとしたいろんなことを、自分たちで消していってはいないだろうか。

  • いまいち。中学生のマモルが、お稲荷さんの使い狐の守山さんと一緒に、ミコト様の住む森を開発するレジャーランド建設の反対運動をする。児童文学の域を出ない本。

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