二人のガスコン 上 (講談社文庫 さ 81-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747684

感想・レビュー・書評

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  • 三銃士好きには是非おすすめしたい一作。互いに認め合いコンプレックスを抱きあうガスコン・コンビが、とてつもなくいとおしいです。

  • 小さい頃から知っているつもりの三銃士物語のダルタニャン。時代背景や政治、宗教を理解して読むのは意外にも初めてのでした。
    映画の三銃士的な痛快さを期待していたから読み始めは堅い気がした。しかしその堅さがあるから後々の痛快さが楽しめた。
    西洋史は宗教絡みが多く無宗教な日本人の私には共感できないと思っていたが、なんのことはない同んなじ人間だったと思えた。

  • 『世の裏と表を知り尽くした風情で宰相のスパイをしているダルタニャンと、いつまでも夢を忘れず作家を志しているシラノがマザランの陰謀を解き明かしていく』話。
    最初はいがみあってた二人が意気投合しながら謎を解き明かしていくのが面白かったです。
    反目・友情・信頼・裏切・恋物語となんでもつまったエンターテイメント。

  • 久しぶりに佐藤賢一の著書だ。題名にあるガスコンとは、ガスコーニュ人のことだ。フランス南西部、大西洋に面するピレネ山麓一帯を、フランスでは古来、ガスコーニュと呼んだ。この土地の人間は熱血漢が多いとか、あるいは狡知に長ける食えない連中揃いだとか様々に評判されているのだが、その豊かな才知ゆえのことか、ガスコーニュは多くの出頭人を出している。その筆頭株こそ、ブルボン王朝を開いたフランス王、アンリ4世陛下に他ならないわけだが、この栄達にわれも続かんとばかり、冒険に身を投じる若きガスコン達が跡を絶たない。本書では、そのガスコンである、元銃士シャルル・ダルタニャンと、青年隊士を引退し詩人・音楽家となったシラノ・ドゥ・ベルジュラックの2人の話だ。

    時代は、イギリスでは清教徒革命が起こり、議会派が王党派を圧倒して暴君チャールズ1世がスコットランドに亡命したころである。フランス王家だけが安泰というわけではなく、フランスでも決起・蜂起・反乱のうわさが絶えない。フランスの政治思想は、イングランドの場合と異なり、貴族による共和制といえども、その骨子は、「混合王政」あるいは「制限王政」の実現にあった。後世にいう立憲君主制のはしりであり、国王の存在自体を否定するものではない。

    フランスでも、体制派と反体制派とに分かれ、時には血を見る争いに発展することもあるが、その体制派の宰相に雇われ、密偵のような役割を任せられるダルタニャンとシラノだった。

    調査しなければならない貴族の女性マリィ・ドゥ・カヴォアに恋してしまったダルタニャンは任務と自分の思いの葛藤に悩まされ、ついに、マリィの過去と悩みを知り、その手助けをすることで事件に巻き込まれていく。

  • 三銃士とシラノ!!おいしいとこどり!!

    面白くないわけないよね~ていう感じ。
    出来レースぽくてちょっとアレだけど。アレって何

    でも私、「三銃士」ってちゃんと読んだことないから、知識は三谷幸喜の人形劇からのみっていうね。
    浅!!

  • 「三銃士」と「鼻」の主人公による冒険活劇。佐藤作品らしく屈折した男たちとして描かれ、だから身近に感じられる。佐藤節がOKなら大丈夫。

  • 熱い血潮を感じます。
    アニメ三銃士のイメージからするとダルタニャンが大人になっていて吃驚です。
    シラノは聞かん気のない弟分、ル・ブレ君はお人よし全開。

  • かのダルタニアンとシラノ・ド・ベルジュラックが共演、というわけですよ。
    ガスコーニュって、なんだか、フランスの中の九州男児みたいな感じ?(笑)

  • 人形劇の三銃士に盛り上がったので再読。
    小説読んだ!っていう満足感に溢れる話です。

  • 是非!!!!

    宰相マザランの密命。
    三銃士のダルタニャン。
    シラノ・ドゥ・ベルジュラック。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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