- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062694001
作品紹介・あらすじ
十角形の奇妙な館を訪れた大学ミステリ研の七人。彼らを襲う連続殺人の謎。結末に待ち受ける"衝撃の一行"とは?本格ミステリの名作がYA!に登場。
感想・レビュー・書評
-
作家さんの名前は昔から知ってたけど何故だか今ごろ読むことに笑
きっと平均点以上のミステリーだろうと思いつつ読み始めたけど良い仕上がりだ!
大分県の小さな平たい無人島に某大学のミステリーサークルの面々七人がお泊まり合宿することから陰惨な連続殺人が起きる。しかも孤島には七人以外は誰も居ない状況なのだ!名だたる欧米ミステリー作家名で呼び合う設定が馴染んでしまい本名が出てきても通称の方がイメージし易いのは何としたこと笑
大分や別府や臼杵や安心院などなど馴染みの地名で連想しやすくて一気に読了。事件の動機が今一の感想だけど良く出来たミステリーでした。まだ二十代の頃の作品、さすが賢い作家さんですね♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
島と本土の出来事が交互に描かれ、読む者は「どちらに犯人がいるのだろう」と考える。私は8割がた「島」だった。そして死者復活説を独自に立てていた。
本書の表紙には十角館に滞在する7人の姿が描かれている。一人一人の風貌を「読み」ながら表紙の絵と照らし合わせていった。これがまた楽しい作業だった。エラリイはこの人、カーはこの人、というように。読みながらふと頭に浮かんだのは、先日読んだ、知念実希人著「硝子の塔の殺人」である。外部と遮断されるシチュエーションに既視感をおぼえた。しかし結末は全く違うものだった。
一途な気持ちが起こした大変な事件。計画は仔細だが、動機は単純。納得も同情もできない。気持ちが暴走していく過程が淡々と書かれ、恐ろしかった。
意外だがこの作者の作品は初めてである。1987年に本作でデビューとのこと、登場人物の年齢に近いからこそ「彼ら」一人一人に寄り添うような描写になったのだろう。ついでに私も同年代。当時は人と人との距離が今よりも近かった。電話連絡で見ず知らずの人と知り合うことも多かった。彼らの行動一つ一つに懐かしさをおぼえた。 -
想像は超えてこず。。ミステリー向いていないのかもしれない。
-
犯人大変~
-
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を思わせる、ミステリーを充分堪能できる力作である。
推理小説好きにはたまらない著名作家の名もたくさん登場しワクワク感が更に高まる。
とても練られたストーリーであるのに読みやすく、ぐんぐん引き込まれてゆく。
結末での展開は思わず「そうだったのか!やられた~!」と唸らされた。 -
エラリイだのルルウだの登場人物の通称がややこしいけど、表紙の山下和美さんの絵ですんなり入れて、一気に読めた。半年前の青屋敷炎上殺人事件との関係は?犯人は内部?外部?本土と島それぞれで展開される推理...最後の謎解きには参りましたって感じ。
-
かなり「今更ながら」感がありますが…本格ミステリの定番と言われるこの作品、ようやく読みました。
九州の離島・角島で一週間寝起きを共にすることになった大学のミステリ研の面々。彼らが寝泊まりするのは、謎の四重殺人が起きた十角館であった。彼ら以外に誰もいないはずの島で、次々と起こる殺人事件。そしてミステリ研・元会員の”事故”死との関連は…?
ミステリ研の人々の視点「島」サイドと、四重殺人に関する謎の手紙を調査する青年たちの「本土」サイドが各章ごとに登場。
ミステリ研の人たちが「ルルゥ」だの「エラリィ」だの呼び合っているのですが、誰がどの愛称なのかを掴むのに一苦労でした…。しかし、序盤からストーリーに引き込まれて一気に読んでしまいました。
最後の最後まで、とても美しいなという印象。参りました。