伝説なき地 【新装版】 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (1058ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062631570

感想・レビュー・書評

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  • 南米三部作三作目。
    これは面白い。『猛き箱舟』に匹敵する面白さだった。

  • コロンビアとベネズエラの国境地帯にある土地の争奪戦。
    その土地にレアアースが埋蔵金されていることがわかったため全ての利権を手に入れようと親族も含め全ての邪魔者を排除しようとする土地の所有者側の視点と、神のお告げによりその土地で独自の共同体を設立しようとする新興宗教もどきのコロンビアからの難民たちの視点と交互に語られる。
    難民側が正義のように見えるが、個人的には他人の土地で勝手に生活して立ち退かないというのはどう考えても不法占拠。所有者側の情け容赦のない排除ぶりもアレだが、自己責任でやっていることなので彼らの方が理にかなっている。
    という若干腹落ちしないところも気にならないぐらい、登場人物の活かし方がうまいし、綿密な取材によって書かれているので、1000ページという大作ながらも中だるみせずに一気に読める。

  • 昨日は風がうるさかったりで寝付けなかったんで、半分くらい読んでた船戸与一の「伝説なき地」読みきっちゃった。

    船戸与一版七人の侍なお話で、こんなに分厚さ(1000ページ超え)必要あるのかってプロットなんだけど、各登場人をしっかり描くことで、運命の衝突地点へと向かう過程が非常にスリリングで引きこまれましたわ。
    まぁ肝心の戦闘シーンがなんか微妙なのと、結果はわかってはいたものの閉じ方がちょっと雑じゃないのという気はしますが、勢いはある作品でございました。

    南米三部作の三作目になるそうな。
    続き物じゃないので、どれから読んでもいいんだけど、最初はやはり「山猫の夏」がええで~~
    カイピリンガ(カイピリーニャ)の砂糖抜き飲みたくなるで~~

  • 南米三部作、コロンビア・ベネズエラ編。こんな最期あんまりだうわああん!名前すらない「伝説なき地」に運命に導かれるように集まるまでが緻密なストーリー展 開で描かれ、必然的に血みどろの戦いが始まる。その結末は非情だ。よしわかった!南米には行かない!と思わず決意するほど手段選ばず何でもありだった。強奪し た二千万ドルの隠し場所への旅が一番ワクワクした。船戸版七人の侍。第7回日本冒険小説協会大賞と第42回日本推理作家協会賞のW受賞。推•••理•••?

  • 伝説もない土地におこる物語、
    「石油によるフィーバー;
    石油黄金時代」しかし、枯れてしまった。
    バスク人のエゾリンド
    「希土類」の発見:燐酸イットリウム
    難民コロンビア人から、宗教が生まれる。
    解放戦線への資金調達。 日本人のかかわり合いかた。
    ヘロイン・ルート
    根なし革命

    インディオの生活、そして、インディオの解放の形態。

    その理想のあり方は、

    文明によって、資本の論理によって、
    変化していく様相。

    貧しさ、娼婦

    解放戦線内部での掟;ゲリラであるが故に
    武器を必要とするが故に、「金」を集めるためにどうするのか?
    戦争の際の武器のレベル。

    警察機構、軍隊の腐敗 そして 法律

    コカイン ROOT  スペイン語は、大切
    →金持ちが存続するための「社会構造」を作り上げていく。
    しかし、それをつき崩す勢力は、
    もう一つの金持ちのグループ

    民族解放を訴える勢力、しかし、
    それは、思想的潮流によって、
    四分五裂している。

    そこの中にある内部の掟、ールール。
    「無気力」「あきらめ」そしてこすからい「コソ泥」
    わたりあるく思想。・・日和見・・裏切り
    愛くるしいもの・・・非戦闘員の存在  

    人間関係の複雑さ
    兄弟、師弟、親子
    愛くるしいもの-そして-非戦闘員の存在

  • 南米3部作第3弾。巨億の利権に目が眩んだ男たちの殺戮劇。超大作。

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