- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062583008
作品紹介・あらすじ
現代言語学の祖が与えた強烈なインパクトとは?言語という巨大な謎に取り組み、「体系性」「関係性」「示差性」など真に革命的な概念を作り出したソシュール。二〇世紀の思想展開の起爆剤となった独自理論を解説する。
感想・レビュー・書評
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KS12a
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「とどのつまり、ちがった言語を使うヒトは、ちがった世界観をもつことになってしまうのではないか。」
ソシュールについて、その概要をわかりやすく読める。もちろん専門的な話は、とても簡単というわけではないが、ついていける。何よりも著者の書き方が面白い。
/kawa/(聞こえ、記号表現)は”川”(想念、記号内容)とつながる。しかし、/kawa/=川ではない。例、フランス語の”リヴィエール”と”フルーヴに”による川の区別。
バンヴェニストの、”恣意性”=”必然性”のロジックは面白い。”恣意性”の真の反対語は、自然的。
クレタ人「クレタ人はみな嘘つきだ」
「クレタ人は・・・」のクレタ人は、下層の日常言語である
。それを語るクレタ人は、上層のメタ言語に身を置いている。だから、下層のクレタ人には含まれない。
小野妹子は男だよ。性別としての男。(メタ言語)
ブルースウィリスは男だよ。男の中の男。(日常言語)
難しい。 -
あとがきや著者紹介を読むと、加賀野井先生はソシュールというよりはメルロポンティが主みたいだけど、わかりやすい。
シニフィエ(signifie)が「概念」、シニフィアン(signifiant)が「聞こえ」。
「価値」のことを「守備範囲」と説明してるのがとてもわかりやすかった。 -
もうちょっと、、何とかならなかったのか。
入門書という位置づけとはいえ -
言語学の父であり、構造主義の直系の祖と称される、
知の巨人ソシュール。
彼の卓越した知性は言語学界のみならず、
様々な分野の学問に大きな波紋を呼び起こした。
哲学、人類学、文学、デザイン、
挙げ出せば枚挙に暇がない。
彼の人生と研究の概略をポップになおかつ、
入門的に興味を持たせようとする一冊。 -
3時間で読了できるソシュールの入門書。例も分かりやすく読んでいて楽しい。ところどころに見られる著者のコメントも面白く、講義を受けてみたくなる本。
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あらかじめ確定された諸概念などというものはなく、言語が現れないうちは、 何一つ文分明なものはない。
言語記号は恣意的である。 -
フェルディナン・ド・ソシュールという、すさまじくかっこいい天才言語学者の話が分かり易くまとめてある。
言語というものを紐解いていく事がどんだけすごいことか、ソシュールの独創的な思いつきと功績がどんだけすごいことだったか。
こんな難しそうな本なのに、ドキドキしながら読み終えた。
ちなみに虹は日本語では「紫、藍、青、緑、黄、橙、赤」の七色だけど、英語では「purple、blue、green、yellow、orange、red」の六色で、ローデシアのショナ語では三色、ウバンギのサンゴ語やリベリアのバッサ語では二色なんだそうな。話す言語が違えば、虹もにわとりの鳴き声も変わる。 -
ソシュールと言語学の出会いから、
活動拠点をジュネーブからフランス、最終的にジュネーブと移り、
一般言語学講義を行い、志半ばで亡くなった時点に留まらず、
そのソシュールが後世に及ぼした影響までを追う。
口語体で書いてあるので、時々入っている著者の一言も含めて、面白いし読みやすい。