「余剰次元」と逆二乗則の破れ―我々の世界は本当に三次元か? (ブルーバックス)
- 講談社 (2011年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062577168
作品紹介・あらすじ
万有引力の法則が近距離で破られる!? 宇宙の真の姿に迫る余剰次元理論とは何か
万有引力の法則を検証し、高次元宇宙を探し出す
ミクロの世界では重力が存在するのか、じつはまったく確認されていない。もし実験で万有引力の法則からのずれが見つかれば、それは重力が余剰次元にも伝播していることを示唆し、四つの力の統一という現代物理学最大の目標に向けた突破口となる。余剰次元探索の最前線に立つ著者が最新の考え方と実験の現場を紹介する。
高次元宇宙とはいったいどんな姿をしているのだろうか? 三次元に加えて新たに存在が考えられている「余剰次元」にそった方向には、宇宙の大きさは0.1ミリメートル程度であろうという理論が1998年に発表され、世界中の物理学者がひっくり返った。その大きさがたった0.1ミリメートルしかないということにではない。0.1ミリメートルもありそうだ、ということに驚いたのだ!――<「はじめに」より>
感想・レビュー・書評
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最新の物理学によれば、この世は(我々の宇宙は)11次元で出来ていて、重力は三次元に留まらず、残りの見えない次元方向に漏れなく広がっていくはずなので、近距離では逆自乗則から外れるはずだ。それを計測しようという試みについて記述した本です。
そんな馬鹿なと普通の人は思うかもしれませんが、最近の物理学では高次元空間の存在が定説になりつつえります。だかは実に面白かった。
逆自乗則からのずれが測定できれば、間違いなくノーベル賞だと思います。期待しましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
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貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
返却:物性研図書室へ返却してください -
YouTube「ほんタメ」チャンネルでの紹介を見て、図書館で借りて読了。
村田先生の物理実験への熱量が感じられて良い。重力が逆二乗則に従わないなんて思いもよらなかったが、重力とほかの力との違いについての説明を読んで、そんなアイデアもあるのか、なるほどと思った。
本書が執筆されたのが10年前なので、いま何らかの進展があるではないだろうか。改訂版とか出してほしいかも。 -
405円購入2012-10-05
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万有引力の法則とクーロンの法則。どちらの法則も逆二乗則をとっている。しかし、原子核内ではこの逆二乗則に沿わない力が働いているという。われわれの世界は本当に三次元か?強い力、弱い力、重力、電気力の4つの力の法則を統一することはできるのか?不思議な世界だ。
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新書文庫
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ミクロの世界では重力が存在するのか、確認されていない。実験で万有引力の法則からのずれが見つかればどうなるか?余剰次元探索の最前線。
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100年前からの理論物理学者の夢である大統一理論。現在のところ、その最有力候補は超弦理論であるが、そこでは10次元の空間の存在が予言されている。
しかし我々の空間は、3次元であるように見える。だが物理学者は言う。余剰次元は、微小空間に畳みこまれており、通常のスケールでは見えてこない。また重力は4次元以上の空間にも影響を与えているので、絶対値が他の力よりも小さく、微小空間では4次元以上の空間の影響が大きくなるので、重力の逆二乗則が成り立たないはずである、と。
本書はその仮説を実証するための著者の先進的な研究を紹介している。
何度も読みたい刺激的な一冊である。 -
重力やクーロン力の強さが距離の逆二乗に比例するというのはよく知られた教科書的な事実であると思っていたのだが、その逆二乗則が0.1mm程度の範囲では破れている可能性があるというので驚きである。
確かに、それを検証した人はいままでいなかったかもしれない。それは技術的な難しさもさることながら、逆二乗則であれば現実の天体の運動を数式で記述、予測できるという驚きですっかり信じ込んでいたためとも考えられる。
なぜ逆二乗則が成り立たないのか、現在どのような実験がすすめられているかといったことに関して本書は分かりやすく説明している。
本書の内容とはずれるが、ドラクエのあの南極から北極に移動できる世界はトーラスであるということがよく分かった。