台所から北京が見える: 主婦にも家庭以外の人生がある (講談社+アルファ文庫 A 35-1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062563307

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  • 昭和を生きた二人の子どもを持つ高卒の専業主婦が、二十五歳の時に自分のこれからの生き方を問い、目標とした中国語通訳者になるまでに、准看護師の資格を取りながら中国語予備校の資金を貯め、大学にも進学し、夢を果たす半生の話。これくらいの(壮絶な)努力ができる人はどんな夢だって叶えられるであろう。

    抜粋
    p.7「家庭があって、子どももいるのに、よく次々にいろいろなことを手がけたわね」といわれるたびに私は、「子どもがいたからできたのだ。子供がかわいければかわいいほど、私は子ども以外のものに目を向けるようにつとめてきた。私の原動力はすべてそこにあったのだから」とつぶやいてきました。
    p.28 子どもが本当に母親を必要とするのは、私の一生のうち長くても十数年なのだから……。
    p.30 私自身には、子どもにかわるなにかが必要だ。これは非常に大きなものでなくてはならない。なにしろ母性という業にも似たものを相手にするのだから。
    p.78 外国語を習おうと思い、それを中国語に決めたからと言って、それが生きがいにつながるかどうかということは、まったくの白紙であった。

    p.79 いわば土に巻いた種子が、やっと芽を出したともいえるだろうか。私はこの苗を大切に育てたかった。〜そのためには、日光と沃土(よくど)、添木や剪定や防虫にも心がけなければならない。そこで新しい課題が生まれてきた。私にとって、それはさしずめ、健康と学費、家族の理解、そしてくじけることなくそれを実行していける自分の気力、とでも置きかえられるのだろうか。

    p.101 外国語にかぎらず、なにかをマスターするための三条件
    一、興味を持てるか。
    二、時間がさけるか。
    三、お金がかけられるか。

  • 36歳から、語学の勉強をはじめ通訳として活躍した著者。子供が小さいうちから子供に依存しない将来設計するなんて本当にすごすぎる。本気の行動力ってすごいし、年齢とか性別とか関係ない、と改めて思う。何回でも読み返したくなる本。

  • とある語学の達人からおすすめされて読んでみた。
    手法等はともかくとして、何歳でも決意があれば成し遂げることは可能なのだと思わされる。

  • いまでこそ中国語学習の本はたくさんありますが、かつてはこれが定番でした。普通の主婦が中国語を苦労して勉強していく様子は、語学はいくつになっても勉強できるのだと励まされます。

  • なんたるバイタリティ。子育て後、36歳から介護をしながら看護学校に通い准看護資格を取得(学習費用をまかなうため)、中国語を勉強して通訳ガイド資格をとって、自分の名前のついたツアーまでできてしまう売れっ子通訳ガイドに。母は強しってことでしょうか。

  • 1982年の冬、この本に出会ったワタシは中国語専門学校への進学を決意した。

  • 著者の長沢信子さんの前著「台所から北京が見える」は何度も読み返し、自分が中国語を勉強するきっかけになったし、今英和翻訳を業とする淵源にもなったような気がしている。

  • こちらは中国語だけど、やはり主婦が何かに向かって努力をするというところに共感!
    少し時代が古めなので★4つ。

  • 三葛館一般 820.7||NA

    著者は25歳の時、将来の不安にについて新聞の人生相談欄へ投書。
    回答者から「人の手がけぬような外国語を家事の片手間に少しずつマスターしていけば」とアドバイスを得ますが、実際行動を起こしたのは投書からなんと10年後でした。
    中国語通訳として大活躍された方ですが、看護師としても働かれていました。
    何かしたい!と思った時が好機、過去の引き出しを開けてみると大きなチャンスに出会うこともあるということを教えてくれる感動の一冊です。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=30419

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著者プロフィール

長澤 信子(ながさわ・のぶこ):1933年、東京都生まれ。日本女子大学附属高校を卒業。専業主婦15年ののち、36歳から中国語をはじめ、40歳で中国語通訳となる。1977年に和光大学中国文学科に入学、1981年に卒業。以後、中国語教室を主宰すると同時に、翻訳やエッセイ等、執筆の分野でも活躍。他の著書に『まだ遅くない 楽しく身につく 長澤式外国語上達法』(海竜社)、『満面春風 中国ことば旅』(鎌倉書房)などがある。2007年没。

「2023年 『台所から北京が見える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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