新しい小説のために

著者 :
  • 講談社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208055

作品紹介・あらすじ

ゼロ年代以降登場した小説家たちは何を書いているのか? それは本当に新しいのか? 小説における「私」を根源から問い直す試み。

感想・レビュー・書評

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  • 2023/3/5購入

  • 三人称とはなるほど、小説の語りがそれらしく成立するための制度にすぎなかったのか。またいわゆる一人称はそうして三人称が制度化される前段階のものだったようだ。しかし映画のカメラを考慮するなら、一人称と三人称との境界はいったいどこにあるのか。世界を見る目。ただそのことだけを気にするならば、どちらも同じことではないか。
    本作では、制度以前の、原初的な「私」、もっとぶよぶよとして生々しい、あらゆる矛盾を含んだ(しかしそれは矛盾ではない)「私」へとたちもどる試みを、小説の「新しさ」ととらえている。つまり結論は、新しい小説は、じつは全然新しくなかった、ということを言っている。

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著者プロフィール

佐々木 敦(ささき・あつし):1964年生まれ。思考家/批評家/文筆家。音楽レーベルHEADZ主宰。映画美学校言語表現コース「ことばの学校」主任講師。芸術文化の諸領域で活動を展開。著書に『増補・決定版 ニッポンの音楽』(扶桑社文庫)、『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ゴダール原論』(新潮社)、『ニッポンの文学』(講談社)、小説『半睡』(書肆侃侃房)ほか多数。


「2024年 『「教授」と呼ばれた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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