イノベーターズ1 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201773

作品紹介・あらすじ

コンピュータとインターネットは現代のひときわ重要な発明に数えられるが、だれが作ったのかはあまり知られていない。その源に一人の女性がいた。
第1巻では、コンピュータの母といわれる伯爵夫人エイダ・ラブレスの存在から、世界初のコンピュータの誕生、プログラミングの歴史、トランジスタとマイクロチップの発明、そしてインターネットが生まれるまでを網羅する。

【イノベーションは、人文科学と自然科学の交差点から生まれる!】
コンピュータとインターネットは現代のひときわ重要な発明に数えられるが、だれが作ったのかはあまり知られていない。どちらも、雑誌の表紙を飾ったり、エジソンやベル、モールスらと並んで殿堂入りするにふさわしい一人の天才発明家が、屋根裏やガレージというなにもないところから生み出したわけではない。

むしろ逆で、デジタル時代の発明は、ほとんどがコラボレーションのなかから生まれてきた。
そこには、独創的な人間や、少数ながら真の天才まで、魅力的な人間が数多くかかわっている。

本書は、そうした先駆者、ハッカーや発明家、アントレプレナー(起業家)たちがどんな人間だったか、何を考えたのか、その創造性の源がなんだったのかをつづった物語だ。(中略)

なにより印象に残ったのは、デジタル時代の真の創造性は、芸術と科学を結び付けられる人から生まれてきたという事実だ。美を大切と考える人たちだ。

「僕は子どものころ、自分は文系だと思っていたのに、エレクトロニクスが好きになってしまった」――伝記に着手してすぐ、ジョブズにこう言われた。
「その後、文系と理系の交差点に立てる人にこそ大きな価値があると、僕のヒーローのひとり、ポラロイド社のエドウィン・ランドが語った話を読んで、そういう人間になろうと思ったんだ」

文系と理系、つまり人文科学と自然科学の交差点に立った時に安らぎを感じられる人こそが、人間と機械の共生をつくり出していく。それが、本書のメインテーマだ。
……序章より

*コンピュータ概念をつくった孤独な数学者、アラン・チューリング
*世界初の電子式コンピュータ「ENIAC」をプログラミングした6人の理系女子
*トランジスタ発明の背景にあった「名を残したいという欲望」
*外向きの人・内向きの人・実行する人のトリオで生まれたインテルの成功
*創造性をみつける達人J.C.R.リックライダーがまとめたチームのイノベーション

ページをめくる手が止まらない!
この歴史を知らなければ、機械と人間が共生する時代を、生き抜くことはできない。

感想・レビュー・書評

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  • 上下2冊本。副題が「いかにしてハッカー、天才、ギークはデジタル革命を創り出したか」であり、コンピュータ、ソフトウェア、インターネット、ウェブが生まれてきた歴史を概観するのに最適な書物。正確性を求めるあまり詳細すぎる部分もあり、特に前半部分は読みにくい。実際、何度も挫折。ただし読了すると、コンピューターと人間の共生、(決して突然・偶発ではなく)前世代の遺産を引き継いでイノベーションが起きていること、新発想はチームで起きていることなど、多くの教訓が得られる。頑張って一読したい一冊。あとでジワジワ来る。

  • バベッジ&エイダの時代から始まり、トランジスタやマイクロチップの開発を経て、インターネットへと繋がるコンピュータの歴史が語られています。
    そこには多くの人が登場しますが、彼らが協力したり反発したり、外向的な人や内向的な人、情熱的な人もいます。そうした様々な人たちから、今のコンピュータやネットが生まれたのだと思うと、感慨深い気持ちになります。

  • コンピューターの技術史だが、チームワークに焦点を当てている点がユニーク。

    情報処理に電気回路を利用したのは、アメリカの国勢調査局局員が、国民の特徴を12行24列のパンチカードで記録して集計したのが始まり。この局員が創業した会社は、吸収合併を繰り返したのちIBMとなった。

    1937年、アラン・チューリングは「計算可能な任意の数列を計算できる機械をつくり出すことができる」と宣言して、のちにチューリングマシンと呼ばれるようになった。クロード・シャノンは、ベル研究所で電話交換回路を目の当たりにして、90年前にジョージ・ブールが体系化した論理演算を電気回路で行えば、多数のリレーと論理ゲートからなる回路を設計することで、複雑な数学的計算を実行できると考えた。

    1943年、イギリス政府はドイツの軍用暗号の解読を始めた。エニグマの暗号文は、チューリングのチームが開発したボンプによって解読され、重要文書に用いられた別の暗号文は、マックス・ニューマンのチームが開発したコロッサスによって解読された。コロッサスは、完全に電子式で2進法を採用していたが、暗号解読に特化したもので、プログラミングにも制限があった。

    アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、ジョン・モークリーとプレスバー・エッカートは、様々な条件を考慮した大砲の弾道を短時間で計算する電子式数値積分計算機(ENIAC)の開発資金を得て、1945年に完成した。ENIACは完全に電子式で、ケーブルの抜き差しでプログラミングが可能で、どんなタスクにも対応できる汎用型のマシンであり、のちのコンピューターの基礎になった。

    1945年、フォン・ノイマンは、プログラムの実行中にも命令を切り替えられる可変アドレス式のプログラミング言語を考案した。ENIACをデータとプログラムを内蔵型メモリーに格納して書き換え可能に改良した電子式離散変数自動計算器(EDVAC)では、2進法が採用された。

    プログラミングでは、モークリーとエッカートの下で女性が活躍した。ベティ・スナイダーはCOBOLとFortranの開発に携わった。1952年、グレース・ホッパーが符号と数式でできたコードを機械語に変換するコンパイラーA-0を完成した。

  • スティーブ・ジョブズと同じく、ハガティは現実歪曲フィールドを展開し、不可能と考えていることまで達成するように人を動かす力を持っていた。
    人を駆り立てる力、意欲を煽って使命感を共有し、届かないだろうと思われる目標まで人を引っ張っていくことだ。

  • インターネットが登場するまでの物語?歴史?。
    正直な話、初期の数学の話はさっぱりわからないが人間性もよくよく記載されているので途中で投げ出すようなことはなかった。

  • 科学道100冊 2020 「世界を変えた科学者」
    【所在】図・3F開架 
    【請求記号】007.2||IS||1
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/438531

  • 科学の道100冊 2020

  • 技術の生い立ちを知ることができる。

  • この手のコンピュータの歴史書に共通するのが前半はまったく時間が進まないがある時から(インターネットの普及のあたりから)急激に時間が加速し始める。

  • ●デジタル時代の発明は、有名な発明家1人が生み出したわけではなく、ほとんどがコラボレーションの中から生まれてきた。
    ●1937年 電気機械式コンピュータ ベル研究所 論理演算 AND,OR,NOT,XOR,IF/THENなど。IBMでマークI。コンラート・ツーゼ 機械式Z1。アイオワ州のアタナソフ、コンデンサでメモリー。モークリーの訪問。エンジニアのエッカート。二人でENIAC。これがコンピュータの最初。
    ●エニグマを使ったドイツ軍用暗号を解読しようと作られた英国コロッサス
    ●プログラミングは女性チームの活躍、グレースホッパー。
    ●マイクロチップ シリコンの処理を変えれば
    どんな電子部品でも作れる。抵抗やトランジスタを一枚のスライス上に作る事が可能。

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著者プロフィール

ウォルター・アイザックソン【著者】Walter Isaacson
1952年生まれ。ハーバード大学で歴史と文学の学位を取得後、オックスフォード大学に進んで哲学、政治学、経済学の修士号を取得。英国『サンデー・タイムズ』紙、米国『TIME』誌編集長を経て、2001年にCNNのCEOに就任。ジャーナリストであるとともに伝記作家でもある。2003年よりアスペン研究所特別研究員。著書に世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』1・2、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』上下、『ベンジャミン・フランクリン伝』『アインシュタイン伝』『キッシンジャー伝』などがある。テュレーン大学歴史学教授。


「2019年 『イノベーターズ2 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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