- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062195720
作品紹介・あらすじ
川の流れる東京の下町で生まれ、実直な文字職人として生きてきた父。しかし亡くなったあと、父の人生に知られざる横顔が覗き始めた!遠ざかる昭和の原風景のなかに浮かび上がる人の生き様。著者自らと一族の来し方を見つめる旅を描く新境地傑作。
感想・レビュー・書評
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ふわふわしているけど、芯がないわけではない、不思議な感触のお話でした。泉鏡花を読んでいるような感じだなと。
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ちょっと読みにくかったけど、田舎あるあるな話みたいな。
双子のいとこが長野まゆみっぽい。 -
表題作とその続編「まるせい湯」の二本立て。長野まゆみだけれど、半ズボンの少年も機械仕掛けの少年も鉱石も水蜜桃や柘榴も天体望遠鏡も出てこないし思わせぶりな旧仮名使いもしていない。おそらく作者自身の半自伝的な、父親の死をきっかけに家族のルーツをたどるいたって現実的な小説。
なるほど、幻想的な作風で自身の経験をあまり匂わせない作家だけれど、すでに年齢的にはアラ還、そのご両親や祖父母をたどっていけば、昭和の懐かしい東京をよくご存知なのも納得。原爆や関東大震災など、体験、そして記憶しているひとたちの言葉を、こういう形で残していく作業もとても大切だと思う。
どこからフィクションかわからないけれど、双子の従弟のキャラクターが面白かった。とくに「まるせい湯」のほうでそのホラ吹きっぷりが炸裂しており、古き良き昭和の銭湯話から、不思議な因縁譚に広がるのはいっそ幻想的ですらありました。 -
遠い親戚から自分の親のことを聞かされているような不思議なお話でした。終始⁇なので、本当に理解して読めていたのかは謎ですが…
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久しぶりに長野まゆみを読んだ。
わたしは中学の国語で『夏帽子』を読んで、高校生で『雪花草子』を読んでしまって、そこから『猫道楽』や『左近の桜』 を味わってしまうのだが、そのノリでこの手の本(たとえば、『野川』)を読むと、なんでこの人はこんなにものを知っているんだろうと、話の流れよりもそっちが気になってしまう。そして、言葉の流れ、文の書き方も、てきめんに影響を受けてしまう……。また、いつか。 -
長野先生、最近書きたいもの(notホモ)に従順だな・・・
ご年齢を考えれば、当然といえば当然なんだけども -
父や母、親族の記憶、昭和の香り。ノスタルジー。
名前でよばず、「父」「母」「叔父」など関係性で呼ぶので、誰が誰だかわからなくなってしまった。 -
川辺の下町、東京・三河島。そこに生まれた父の生涯は、ゆるやかな川の流れのようにつつましくおだやかだった―。そう信じていたが、じつは思わぬ蛇行を繰り返していたのだった。亡くなってから意外な横顔に触れた娘は、あらためて父の生き方に思いを馳せるが…。遠ざかる昭和の原風景とともに描き出すある家族の物語。
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2018.02.27
父の葬儀をきっかけに父の生い立ちをしる話
東京の昔の描写、広島の話など始めてしることが多かったが、ちょっと展開が無さすぎて離脱 -
2017/12/16