ぼくの短歌ノート

著者 :
  • 講談社
3.65
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本棚登録 : 416
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194587

作品紹介・あらすじ

人気歌人にして名エッセイストの著者が、近現代の短歌の中から意想外のテーマで名作・傑作を選びだし、眼からウロコの講評を加えていく。「コップとパックの歌」、「ゼムクリップの歌」、「賞味期限の歌」、「身も蓋もない歌」、「落ちているものの歌」、「間違いのある歌」、「ハイテンションな歌」「殺意の歌」……などなど著者ならではの鮮やかな視点と鋭い言語感覚で、一つの短歌から新たな世界を発見する、魅力に満ちた傑作短歌案内エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 歌人の穂村弘さんがテーマごとに短歌を解説付きで紹介する。

    短歌は一首だけでもふぎゃんと来るのに、こうもインパクトのある短歌を並べられたら、もうお腹いっぱいです…とはならない。
    もっともっとと欲しがってしまう。
    ヤバい脳内麻薬出てるんじゃないか。
    斎藤茂吉、与謝野晶子などの大歌人から、新聞投稿歌まで同列に扱っているのがいい。
    たった三十一文字でいろんなことが詠えるのだな。
    斎藤茂吉と小池光が気になった。

  • ほむらさんがテーマごとに短歌を紹介&講評する1冊。

    「平仮名の歌」「身も蓋もない歌」「貼紙や看板の歌」など、テーマの切り口がほむらさんだなぁと、まずにやり。
    そしてそんなテーマに合う歌が、世の中にはこんなにあるものなのか!
    短歌の世界の幅と奥行きに驚かされました。
    個人的には「会社の人の歌」で紹介されていた歌が好き。
    会社という現実の場が言葉の磁場でぐわんとゆがむ、その感覚にくらくらとするのです。

    ほむらさんの講評が短歌の味わいを深めてくれます。
    特に、斎藤茂吉の短歌が読んでみたくなりました。
    ほむらさん曰く、斎藤茂吉は「アマチュアの凄みを併せ持つプロ」。
    絶賛されていた天然っぷりをもっと体感したいと思いました。

    パラレルワールドが詠みこまれた歌が、やけに印象に残っています。
    私たちの日常には無数の分岐点があふれていて、膜の向こう側では"こっちを選ばなかった自分"が同じ時を生きている、という感覚。
    たった31文字、なのにこの広がりはなんだろう。

  • 今、
    エッセィと併読している途中で、
    (おや)と、気付いた。

    (私、歌集読むの遅いなぁ…。)
    たった31文字だと言うのに
    遅々として進まない。

    うむむ。
    短歌は立派な芸術なんだなぁ。
    お気に入りの絵画の前では動きたくないように、
    読んで現れる風景の中に長々といたい。
    ずっといたい。

    日常めくら、の私には
    いつも見ているはずの風景、どこかで見た事のある風景だとしても、
    全部がものすごく新鮮に思えるのだ。

    更に穂村さんの奥行きを深める様な解説が、
    3D効果の様に立体感まで生み出して
    ぐいぐい迫ってくる。

    すう~っと通り過ぎて行くだけの薄情な日常に、
    (待て!)と、ぶつけたカラーボールが見事命中し、
    曝け出した正体をついに見てしまった様な
    面白い歌集だった。

  • 穂村氏の短歌もあるが、ほとんどは他の人の短歌、しかも近代の著名人から、新聞の投稿まで幅広く紹介されている。色々な括りで纏められていて、解説や感想が折り入れられている。
    解説では、改悪例や、内容の要約が面白かった。
    歌人の短歌は読んだだけで意味がわからないものが多いので、素人がそういう風に感じそうなものにはもう少し解説を入れてほしかったかな。
    「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日、の解説も面白かった。

    四〇〇字弱のメールに「酔っ払っちゃって」と五回書いて送信
    牛乳パックの口を開けたもう死んでもいいというくらい完璧に
    将来の夢はなあにと孫が聞く 脳内検索ヒット0件

  • 空前の短歌ブームらしい。口語短歌の第一人者が選ぶ歌と解説。これを読めばきっといい一首が詠めるはずも全然できません。

  • まず最初に自分で短歌の意味や考え方を想像するのも楽しんだあと思いもしなかった工夫や視点からの解釈の仕方などを読めて面白かった。

  • (2024-03-19)(2024-04-16)

  • 古文の教科書に出てきた新古今集の歌や
    明治時代の牧水や啄木などは
    なんとなく触れてるけど、
    現代の短歌ってほとんど知らなかったので
    読んでみた。
    やっぱり古い歌のほうが情緒あっていいな。

    穂村弘さんが私と同世代だと知って驚いた。
    何故かもっと若い、40代位の人だと思っていた。

  • テーマ毎に分かれており、わかりやすい。全くの素人なので。解説があるのがとても良い。

  • 分かりやすくて、意外と深い歌がすきだな。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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