天空の蜂 新装版

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 685
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194075

作品紹介・あらすじ

超大型ヘリ「BIG-B」が乗っ取られた。無人操縦で飛行するヘリに搭乗しているのは一人の少年。ホバリング位置は原子炉の真上。国内すべての原発を使用不可にしなければ、エンジンは停止し落下する――日本国民全員を人質にしたテロが始まった。
怒濤のクライムサスペンスの金字塔を、豪華新装版でお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • 東野作品は、全部読んでいるけど、そういえば、これは、最初から、難しすぎて挫折したんだったわと思い出し、読み直した。ヘリコプターと原発の説明を全て理解はできないが、推理に必要なところだけ理解して、読了。東野作品らしく、ハズレはない。

  •  仕事で1日がかりの移動があり、ある程度軽い気持ちで購入した作品。
     テロを描いた作品だが、最新鋭のヘリを乗っ取り、しかも子供が一人搭乗しているという特殊な状況下、原発を巡る犯人とのやり取り。登場人物も全員存在感があり、ものすごく濃密に描かれたストーリーは、東野圭吾史上最もスリリングな起承転結だと思っている。
     原発が題材になっているが、取り上げているのが東日本大震災の前であり、社会派的写実的な描写が迫真に迫る今作はまるで原発の課題を予見していたかの様な出来栄えだ。
     発売時にリアルタイムで読んだ訳ではないが、僕はこの作品で東野圭吾が好きになり、以降、過去作を読み耽る様になる。
     現在の作品群よりも完成度が凄まじく、まだ未読の方には絶対的に勧めたい作品だ。

  • なかなかの大作
    作者からの警告はフクシマで現実となるけれど
    だからこそ考えさせられる、
    そして自分もサイレントマジョリティーであることを
    痛感させられる作品

  • 自衛隊に納品するはずだった最新のヘリコプターが無人で動き出し、福井県の原子力発電所の上で止まる。

    原子力発電所の上に落とすという脅迫状が届き、色々な人が色々な方に動き出します。

    原子力発電所は、便利だけどその分危険もある訳で、でも、普段そういうことを気にしている人って言うのは、そんなに居ないわけで。

    だから、原子力発電所のことを知ってもらいたいというのがテーマなのかな?と思いました。

  • 原子力発電関連の専門用語が頻繁に使い、難しいテーマながらエンターテインメント性も忘れず、面白く読めた。
    面白いだけでなく、原発、放射能、電力、日々の生活、いろいろ考えさせられた。

  • ⭐️4・5
    原発を犯人の要求どおり止めたと見せかける政府の対応はありそう。

  • 原発にヘリコプターを落下させる。

    映画化のDVDを先に見てしまったのですが
    そこのレビューに小説の方がよい、というコメントをずいぶん見たので
    分厚い本ですが頑張って読みました。

    9.11では建物に飛行機が突っ込み
    3.11では原発事故
    今からなら組み合わせで、お話しを思い付けるかもしれないけれども
    20年前にこんなことを考えていただなんて。

    東野さんの小説は随分読んでいるんですけれど
    今までどうして読んでなかったんだろう

    携帯・スマホが登場しなくて
    ポケベル、パソコン通信、公衆電話 というのが時代を感じさせるけれど
    それ以外は古さを感じませんでした。

    二人の犯人の動機をもう少し詳しく書いてもらえるとよかったと思います。

  • 長編だが、一気に読了。「パソコン通信」が時代を感じさせるがそれ以外は今時点の設定と違和感がなく、未来への警鐘だ。

  • 1995年に書かれたと思えない内容で、再度、原発について考えさせられた。登場人物が多く感じたが、最後の展開は一気に楽しめた。

  • 重工メーカーから、自衛隊へロールアウト直前の、
    最新鋭の超大型ヘリコプターを強奪して、
    高速増殖炉「新陽」(もんじゅ)の直上に、
    自動操縦で誘導し、原発停止の要求を突きつけた、
    ガス欠までの8時間の頭脳戦を描いたお話ですが、
    作品自体は20年前に発行された、新装版です…。

    なので、官公庁の構成や各種のテクノロジー等に、
    少しばかりの古さは感じられましたが…、
    福島第一原発事故の記憶も、まだまだ新しい現在、
    むしろ、犯罪に対する現実感は、増していました。

    ただ…、
    これまた20年前の作品のためか?、
    登場人物の心理を深く掘り下げ、
    意外な真犯人を導き出していく、
    近年の、クオリティの高ぃ作品群と比べると、
    もろもろ未熟?な部分も散見されたかも…??

    正直、今の作者さんがリメイクしたら、
    どれほどの作品になったのか…?、
    読んでみたぃな~と思ったぐらぃ、
    エンタメ性が、とても高ぃ作品でした。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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