他界

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191395

作品紹介・あらすじ

「他界」は忘れ得ぬ記憶、故郷――。
なにも怖がることはない。
あの世には懐かしい人たちが待っている。

俳句界の最長老にして、「朝日俳壇」選者を30年つとめる御年95歳の俳人・金子兜太さん。今もお元気そのもので、2014年3月にはNHKで『94歳の荒凡夫 俳人・金子兜太の気骨』と題して、彼の生き様が1時間番組で放映されるなど、多くのファンを持つ存在です。
金子さんは、壮絶な戦争体験や、92歳でのガン手術の克服などの体験を通して、「いのちは死なない」という実感を持つに至りました。他界では自分の親しい人が待っている、その交信を「立禅(立ちながら親しい人の名前を100人以上呼んで唱える)」を毎日して行っている。その親しい人が待っていて、いつか自分が行く世界についての考え方を金子さんは「他界説」と名付けました。

これは、金子さんの95歳までの生き方を辿りながら、「生きること」と「死ぬこと」についての書き下ろし作品です。95歳まで生きた人の言葉の重みが、生老病死に思い悩む多くの読者の心に響く一冊。
「他界説」は長生きの秘訣です!

感想・レビュー・書評

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  • 自由律俳句に最近、ちょっと興味を持っているのですが、たまたまNHKラジオの聞き逃しサービスで「俳人金子兜太の見た戦争」という特集番組を見つけて聞いて初めてこの人を知った。この本はきっとサラッと読める類のものだろうとは思ったものの、これでも読んでおかなければ、そのまま忘れ去ると思い、ジュンク堂で偶然、みつけたものだから購入してみた。
    簡単な内容だけど、戦争の記述は読むべきものがある。

    俳句を味わうより、氏が95歳までどう生きて、死んだらどうなる的な内容だったが、「他界」は以前読んだ「パイドン」でソクラテスが説く魂は死なない的な話と一致するように思われ、なるほど。フレディもジョージも死んだとき、輝いていたというし、清志郎だって、坂本龍一が「仙人みたいな顔して・・・」とか言ってたはずだし、自然死について洋の東西を問わず、一致するんだからそうなのだ、と思ふ次第です。

  • 俳人金子兜太氏の著書だった事もあり読んでみた。「肉体は無くなっても、そこに宿っているいのちは死なない」と言う自説。この本は総数200頁。中ほどまで数時間で一気読み。ところが、残念ながら残り半分、ここから「他界とは」の説明が長い!書かれた文章は難しくもなく、読み易かったのだが、私が感じたのは「死」に対する心構えが激しい戦争体験での「私は死なない」からくる自信の裏返しかと受け止めた。なるほど、こう言う考えもあるんだなぁと感心。作中の俳句は素晴らしいが、この作品は・・・残念なり。


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著者プロフィール

金子 兜太(かねこ とうた)
1919年埼玉県生まれ。東京大学経済学部卒業。1943年日本銀行に入行。加藤楸邨に師事。1962年、同人誌「海程」を創刊、主宰。1978年埼玉県文化賞受賞、1983年、現代俳句協会会長、1987年より朝日俳壇選者、1988年、紫綬褒章受章、1996年、句集「両神」で詩歌文学館賞受賞。1997年、NHK放送文化賞。2005年日本芸術院会員、2008年、文化功労者。
主な著書「種田山頭火 漂泊の俳人」「小林一茶」「感性時代の俳句塾」「放浪行乞」「わが戦後俳句史」「一茶句集」ほか。句集「少年」「蜿蜿」「暗緑地誌」「遊牧集」「金子兜太全句集」「黄金子兜太句集」「皆之」「詩経国風」「金子兜太集」第1巻~第4巻ほか。

「2022年 『金子兜太 俳句の古典を読む ─芭蕉 蕪村 一茶 子規─ CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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