- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062190428
作品紹介・あらすじ
日本が誇る落語界の名人、柳家小三治。その小三治を愛してやまない著者が、膨大な時間と情熱をかけ、追いかけて綴った、「小三治論」の決定版!
貴重なロングインタビューから、高座を見続けたからこそ感じえた独特の「小三治論」、そして小三治聴きくらべ「九十演目」まで。
小三治という落語家が、なぜこれほどまで高い評価を得て、人々から愛されるのかが一目瞭然。2014年、人間国宝に認定された稀代の噺家、そのすべてを味わいつくす、落語ファン必読の書。
感想・レビュー・書評
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「落語とは、高座の空間に、何気なく会話している人たちの姿が浮かぶものでなければいけない」「客は、そこに生きている人たちの会話を聴いて、つい笑ってしまう。それが落語だ。落語は客を笑わせるものではない。中に出てくる人同士が会話しなくてはいけない」、柳家小三治さんのことば。
落語を演じても、なかなか笑いを頂けない落語しかできなくてガッカリ気味のごまめですが。慰めのお言葉。超名人とは落語の質が違い過ぎるのはわかっていますが、笑いを追いかけるのではなく、まずは人の気持ちになって会話する。登場人物が生き生きと動き回る、そうしてクスッと笑う。それが最高であって、素人が無理に笑いを取りにいって空回りして何になる。
笑いが少ないのも上等と居直って、原点に戻って落語の稽古いたします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新日本の話芸ポッドキャストを聞いて広瀬さんを知った。読みながら広瀬さんの声で再生できるくらいまんま広瀬和生な文章だった。
全編通して小三治への愛がすごい。
演目90席の紹介にしても、どれもちゃんと小三治の演目としての思い入れを感じた。内容も他の師匠の演目との比較を行いながらも批評的ではなく、一貫して「ほら、いいでしょ、小三治いいでしょ」といった姿勢が貫かれていて、読んでいてこっちも楽しい気持ちになれた。 -
新装のA図書館でカードを作って借りる。KO図書館でも文庫を見つけていたが、タイトルがどうにもで手に取らなかった。第一章のインタビューが圧巻。第二章の演目コメントも音源や映像データがどこにあるか網羅されていて資料として便利。
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小三治ファンにはたまらない本です。笑いながら泣いた人なら分かるはず。
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インタビュー部のみ読了。
人間国宝となった75歳の今ですら、藻掻いて藻掻いて藻掻いて藻掻きつづけているのが如実に感じ取れる内容だった。(インタビュー時は国宝になっていたか忘れちゃいましたけど)
師の場合は、言うだけでなく、本当に実行してるから凄い。高座がうまく行かなかったといって眠れなくなり、お客さんとの、落語との向き合い方を常に考え続けている。
読んでいて、気迫の凄さに圧倒され、ひたむきな「諦めなさ」にただ頭が下がる思いでした。 -
2014年8月刊。前半は柳家小三治へのロングインタビュー、後半は小三治の主要落語演目90席の紹介。このインタビューは貴重だと思う。
【引用メモ】
芝居じゃないんだ、と。落語は。「おはなし」なんだ、って(小さんは)言ってましたよ。(p.24)
私の噺の根本は、「こういうの、あるよね!」っていう、その共感。(p.27)
本を素読みにしても面白いものを、節つければ面白いのは当たり前なんで。俺がやりたいのは、本を素読みにしても面白くないものを、噺家がやると、こんなに面白くなるのかい、って噺にしたいわけ。(p.42) -
<閲覧スタッフより>
「落語」とは?
江戸中期に始まった庶民的な話芸。人情ものや怪談ものなど、様々なカテゴリがあり、噺の最後に「落ち」と呼ばれる結末がつくため、「落語」と言われます。また、同じ噺でも噺家によって違ったりと、色々な楽しみ方があります。
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所在記号:779.13||ヤナ
資料番号:10226100
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